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2009/02/22

「破裂」

久坂部羊氏の2作目デス。デビュー作の「廃用身」はハードカバーで読んだけど、ラストにすごい衝撃impactを受けて「コヤツ、なかなかヤルなッsign01」っていう印象の作家だったのね。久坂部羊の作品に漂うテイストは、一言で言っちゃうと、まるで麻薬に脳をやられているかの如き(やったことないからわかんないケド)mist、不安で不穏なハイ感、高揚感typhoonってところかしら。それも確信犯的danger


この作品は、1作目と同じテーマをより大きなスケールにして描いたもの。「白い巨塔」bookを本歌取りしてそれに“高齢化社会”の問題をからめて、独特の世界が今回も繰り広げられてます。


「白い巨塔」では、医療裁判の控訴審が原告側勝訴で、財前教授がさらに控訴しようとした矢先病に倒れちゃってhospital、この後どーなっちゃうのー?ってゆーか、財前のような医者が社会においてどう評価されるべきなのか、めっちゃ重要な問題が残されちゃったのよね。で、この作品ではそれがどう解決されるのか、とっても興味があったんだけど、やっぱり未解決のまま終わっちゃった~gawk。残念ッsign03


そしてやたらグロテスクな魅力を放つ“厚労省のマキャベリ”佐久間。こっちもやっぱり日本の高齢化社会をどう解決するのか、という大問題を提起しつつ、途中でブッ倒れちゃうhospital。彼は前作の漆原医師同様、悪魔的かつ独善的理論で突進してdash読者に嫌悪感を抱かせるけど、果たしてわたくしたちは、彼らのやり方を100%否定することができるのか?そのあたりの判断を、久坂部氏の筆は迷うことなく、読者につきつけるのよpunch


少し前、NHKの“クローズアップ現代”で、安楽死、尊厳死の特集が組まれていたのをたまたま見たの。究極的な絶望感の中にあっても、自ら死を選ぶことはできない今の日本の法律体制。人間の死に方について=生き方について深く考えさせられる内容だったわthink。これは、高齢者のQOLにもゆるやかにつながるテーマであって、ここに悪魔的佐久間の行動の基盤があるわけね。


でも彼も、金の流れdollarというものに非常に無頓着だったところが、自身の身の破滅bombにつながっちゃって、やっぱり、イビツな人間なのよね~。この佐久間が、金の流れを含め全てにおいて注意深く用意周到に「プロジェクト“天寿”」を完成させたとしたら…。…どこかに救いはあるのかも知れないけど、やっぱりコワい…bearing

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