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2009/06/09

「冷血」

トルーマン・カポーティの代表作book。いや~、久しぶりに「小説読んだーッ!」ってカンジがしたわ~。カンザス州の片田舎で起きた一家4人惨殺事件に材を取った“ノンフィクション・ノヴェル”、確かに文庫で600ページもあると、そのボリュームだけでも読後の充実感はあるけど、内容的にもズシッっと来ます。


40年以上前に発表された作品だけど、新訳のせいもあるのか古さを感じさせない、どころか現代の日本の事件をアメリカでリメイクした、って言われても全く違和感ないかも。秋葉原の無差別殺人事件の犯人もひょっとするとここに出てくる犯罪者と同じ心象風景を抱いてるかもしれない、なんてねthink。アメリカの広大な何もない地平線と日本のゴミゴミしたコンクリート砂漠、周りの風景も孤独感を煽る舞台として質的にあんまり違いはないような感じもするし。


構成も描写もとても緻密で重層的なんだけど、カポーティの目eyeが主に2人組の犯人のうちのひとりペリー・スミスに向かってるのは、あとがきにあるように、似たようなコンプレックスを持ってたカポーティが、「スミスにひとしおの思い入れがあった」ため、らしい。ペリーの描写に常につきまとうウソくささや胡散くささ、病的な言動、たぶんこれが書かれた時代は、PSTDなんかの理解もほとんどされてなかったんじゃないかと思うけど、ペリーの発言、時にその内面を描くカポーティの記述penは、ある面プロの作家の冷酷さも感じさせるほど巧みなものだと思うわdiamond


…って、こんな感じで題材的には非常に重苦しいものであるにもかかわらず、抒情的で余韻のあるラストは、この作品の完成のためにペリーの死刑を待ち望んだともいわれる冷酷な作家カポーティ自身の免罪符なんじゃないの~?なんて感じちゃうのは、イヂワルすぎかしら~smile

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