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2009/06/20

「青い棘」

旭川生まれの作家、三浦綾子さんの著作book。今年は綾子さんの没後10年なので、ウン十年ぶりにその作品を読んでみました。と言ってもわたくし、綾子さんの著作は「氷点」「続・氷点」「塩狩峠」(号泣シマシタcrying)しか読んだことないんだけどぉ~coldsweats01


この作品は、昭和55年~57年に学研の「ベルママン」っていう結構シャレた母親向け雑誌に連載されたものだそう。旭川の医大schoolに勤務する歴史学教授を主人公に、教授にあこがれつつその息子と結婚した嫁を準主人公として、そのビミョーにアブナイ関係を描く家庭小説っていう趣から始まって、「お、結構下世話な話じゃん?ニヒヒ。smile」的な興味から、教授の「翔んでる」娘なぎさの夫婦間の危機なんかも絡んできて、そして徐々に「戦争について」「人間の命とは」といった、いかにも綾子さんらしい重厚なテーマへとつながってく物語なの(ゴメンナサイ。わたくし心得違い、してマシタweep)。


教師時代、教え子たちに戦争へと駆り立てる教育をしたことに対する取り返しのつかない後悔が、戦後綾子さんを執筆へと向かわせた大きな理由のひとつなんだけど、この作品はそれが純粋なかたちでストレートに打ち出されてます。自衛隊の海外派遣と「海賊制圧」の名の元になしくずし的に武力行使への道をジリジリと進みつつある今の日本を見たら、綾子さんはどう思われるでしょうか。


それにしても綾子さんの、市井の人間を描く筆致penはスルドイわ~thunder。ドギツイテレビドラマに慣れてるわたくしでも、「くぉのオトコッ(なぎさの夫のことね。若いオンナと関係して子どもまで作っちゃう。)sign01ゼッタイ許せんッsign03」って思うくらい、その描写は極端にハゲしいの。ハイレベルに下卑た人間downをここまで巧みに描けるからこそ、綾子さんの真に伝えたいことが逆に生きてくるのよねdiamond


だけど、わたくし「続・氷点」でも思ったんだけど、あれだけ主人公陽子ちゃんが悩みまくってたのに、最後は「神の光shine」を見てぱぁぁぁーっと全部悟っちゃうとこがどーしても理解できないのよぉ~。今作でもなぎさが、夫の底意地の悪い言動に離婚すべきかどうか、子どもに父親がいなくなってもいいかどうか、相当悩んでたにも関わらず、やっぱり最後は「神を信じることshine」によって解決できないかと思う。う~ん、わからん~weep。(ドストエフスキーの「罪と罰」もラスト、全く理解できなかった…typhoon。)


そしてこの作品には、大雪山を背景とした旭川の美しい自然cloverも、登場人物の心理とリンクするように存分に描かれてて、旭川に住む読者としてその風景が今目の前にあるわけで、とっても幸せを感じマシターsun


三浦綾子さんといえば、去年開館10周年birthdayを迎えた「三浦綾子記念文学館」があります。こぢんまりとしてるけどステキに落ち着いた建物が、「氷点」でも重要な舞台となった神楽の外国樹種見本林に囲まれるようにして静かにたたずんでるの。いいトコロですtulip。去年、仕事がらみで訪れた時のこと。企画のコンセプトに合う綾子さんの著作を館のスタッフの方に選んでいただき、6冊購入しました。そうしたら、たまたま事務所にいらした光世さん(綾子さんのご主人)が、その趣旨に感じてくださり、その6冊全部に、1冊ずつ異なる聖書の言葉とサインをサラサラ~と入れてくださいましたhappy02。そのあったかで穏やかな笑顔と誠実なお人柄に、わたくしクリスチャンでも何でもないけど、ほんとにじぃぃぃ~んweepとしました。一生忘れられないと思いますheart02note


そんな綾子さん、光世さんの想いを無にしないよう、わたくしたちはこれからも考えを巡らせ、行動していきたいと思うものです(ハー、今回はマジメモードdiamond)。

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