七月大歌舞伎
現在“さよなら公演”中の歌舞伎座、夜の部の公演を観劇
いたしました。演目は「夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)」と「天守物語」。人気の市川海老蔵さんと坂東玉三郎さんの出演ということで大人気のようですね
。
1本目は海老蔵さんの「夏祭浪花鑑」。サスガ、水もしたたるイイオトコ
の海老さま、ムショ帰りのムサい団七が髪結床でキレイサッパリした姿で色男に変身する最初の見せ場では、場内にキャ~
ってカンジの歓声が上がるのですわ
。で、その後、いろんな場面で「見得」を決めてくんだけど、そのたんびに、わたくしのナナメ前に座っていらっしゃったアラフォーと思しき女性
が、アタマを左右に振りながら感極まって拍手してるお姿には、もーオカシくて、オカシくて![]()
、わたくし、海老さまよりついついそっちを見ちゃったわよー。もー、どーしてくれんのーッ![]()
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っつーわけで海老さまの美しさ
は、筆舌に尽くしがたいものがある(お父様の団十郎さんは、俳優としては超一流というわけじゃないけど、この海老さまを誕生させた
というだけでも歌舞伎の歴史に貢献されてるわ~
)んだけど、今回、この演目の芝居では、わたくし、残念ながら納得し難いものがあったわね
。
初めてわたくしが、この演目を観たのはだいぶん昔のことだけど、勘三郎さん(当時は勘九郎さん)が団七だったもの。この演目の肝
は、当時も重罪だった(今もそのはずだけど)「尊属殺人」なわけです。どんなことがあっても親を殺すことはまかりならんわけ
。それをもーどーにも堪忍ならなくなって、舅を殺してしまう![]()
ってとこのものすごい葛藤
が見所なわけですよ。そこんとこの勘九郎さんは、ほんとにスゴかった
。肌にまとわりつくような熱帯夜
、ヒトのココロをハイ
にせずにはいられない夏祭りのお囃子がずーっと鳴り響く中、狂気の殺人劇が繰り広げられる様子は、わたくし、もうほんとに口から心臓
が飛び出るかと思うくらいキンチョーしながら観てた緊迫したシーンだったの
。それが、海老団七は、なーんか、やっぱ現代ッコだなーってのが滲み出てるカンジなのよねー
。下卑た舅にネチネチイヤミを言われたり、雪駄でアタマを叩かれたりしてもひたすら謝る海老団七の姿は、なぜか本心から謝ってるように見えない。ココロん中ではオメー、この舅バカにしてんだろーってカンジにどーしても見えちゃう。尊属殺人なんか全然珍しくなくなった現代の酷薄さが海老団七には重なって見えちゃうのよ~
。ひょっとするとこれは、現代ッコ海老蔵にとっては宿命的なものなのかも。勘九郎さんと海老さまの世代間的なモンダイなのだとすると、これからの歌舞伎というもの、ちょっとタイヘンかもよ~![]()
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さてさて2本目は、わたくしが「あぁぁ~、同じ時代に生きてて幸せ~
」と心から思う玉三郎さまの「天守物語」。もー、たまさぶろーさま、かんぺきー
。しあわせー
。泉鏡花原作の脚本を読むと、どんな風にしゃべったらいいのやらサッパリわかんないようなセリフも、玉さまにかかると麗しい詩のように、夢見ゴコチに聴こえちゃう
。たぶん、鍛えまくってる腹筋を自由自在に使っての発声がそうさせるのよね~
。そして、カンペキな所作
。着物の裾の広がりようも全て計算され尽した佇まい
。衣裳もめっちゃくっちゃキレー
。亀姫ちゃんをお迎えする時の打掛の流麗な美しさったらなかったわーッ
玉さまの美意識ココに極まれり![]()
。そして役づくりの点では、前半でのかわゆいおちゃめぶり
と後半の、図書之助と出会ってからの毅然として高潔な、それでいて恋に落ちた女のたおやかさぶり
の対比のスバラシさは、もはやわたくしの感想なんかゴミの如し
。…ああそれなのに、すんごく気になったのは、「そこ、笑うとこじゃないんだけど
?」なシーンでシバシバ笑うオバハン集団
。もはや恋するオトメの年代から100万光年遠ざかった集団とは言え、もちっと想像力を働かしたらぁ~?ってカンジだったわねぇ
。
で、若い頃から達者な芝居をしてちょっと気になってた勘太郎くん、今回もなかなか良かったわ~
。順調に成長なさっているようで。その点では、昼の部も観たかったな~
。
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