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2011/08/21

「檻の中の少女」

一田和樹氏著、第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作book。ばらのまち福山ミステリー文学賞とは、推理作家の島田荘司氏の出身地である広島県福山市が主催している長編推理小説の文学賞だそうです。最終選考は、島田氏の独断で行うそうな。


いや、なかなかおもしろかったですよ~good。著者はサイバーセキュリティ情報サービスのプロフェッショナルだった人のようで、そのあたりの知識を生かしたストーリー展開はヒジョーに面白いflair


主人公は、実質自殺幇助サイトである「ミトラス」によって息子を殺されたと主張するクライアントの依頼を受けて調査を開始する38歳独身の、サイバーセキュリティ関係のトラブルバスター君島。島田氏が選評で書いておられるように、第二次和製ハードボイルドヒーローなのね。情けなさの衣を被った日本独自のヒーロー像。島田さんは最後でそれに気づいた、と書かれてるけど、それって「女性rouge」が読んだらすぐわかるんじゃないかなーwink


島田さんのいう日本独自の『情けな格好いい式ヒーロー像』の生まれる素地についての言及はスルドいthunder。『この嫉妬蔓延と、自己卑下態度の徹底強制というサラリーマン国情下、敬語丁寧語が多すぎる日本語は、それを省略、格好よく言い切れば即やくざふう低脳感が漂い、丁寧すぎたらつい揉み手も加えたくなり、ではと過不足なく知的に発言すれば、嫉妬の嵐に直面して、出世はアウトとなる。』まさしく。これをうまく乗り越えるには、今作のヒーロー像にならざるを得ないってことなのね。


オドロオドロシいタイトルの意味はラスト近くになってわかったけど、ミステリーとしては、途中でなんとなく予想がつく。伏線の張り方がわかりやすいのね。でも、サイバーセキュリティ関係の記述が面白いのと、この「なさけな格好いい」君島のモノローグが結構コジャレてるのがイイカンジなのclover。特に本編のラスト、君島のモノローグ、『わがままなお姫様のために服を買いに行くのだ。』ってのにわたくしヤラれたわlovely。ユニクロに行くだけなんだけどね。格好いいなぁ~heart04


それにしてもなんでこんなにカバー絵がポップなのかしら~think

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