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2012/03/02

「河北新報のいちばん長い日 震災下の地元紙」

2011年3月11日の地震発生1ヶ月後に実施した報道部員へのアンケート結果から、当時の様子を記録しておくべきだという意思のもと書かれたもの。河北新報社著book


被災地の地元新聞社としての活動は、やはり肉体的にも精神的にも相当に厳しいものがあったようです。特に報道部員へのアンケート結果を抜粋したものと、震災発生1ヶ月後から始まった日刊紙としては異例の長文による検証企画記事についての章は圧巻でした。被災地の地元紙だからできること、被災地の地元紙だからやらねばならないこと、大きな苦しみの中でのそういう“在り方”を、ドンッsign01と提示しています。編集局長によるあとがきも、凜shineとした決意を感じさせて、わたくしの気持ちをも引き締めてくれました。


そして涙なくして読めなかったのが、被害に遭い命を落としてしまった販売店店主の奥さまの手記。最後まで新聞店主としての使命を全うしようとした夫への優しい愛情があふれる言葉で、こういう人々によって日本の新聞は配達されているんだなぁって、改めてじっくり新聞を眺めてみたりweep


そんな中やっぱり残念なのは、「第4の権力」としての新聞記者の傲慢さが、文章の端々に無神経な単語となって現れているところ。まぁ仕方ないか、と思うけれども。震災発生直後の報道部員の取材、整理部員の紙面制作について書かれてある部分なんかにちょくちょく出てくる。文章を扱うプロなんだから、言葉の繊細なニュアンスをもっともっと大切にして欲しい。この編集局の件(くだり)は、感情てんこ盛りの主観よりも第三者による客観的な記述の方が、逆に感動的になったのではないかという気はした。ま、感動を狙うものでもないけど。


しかし、河北新報は被災地のひとつの「光」として、これからもっと大変な使命を遂行していかなければならないでしょうから、どうぞ社員のみなさんには頑張っていただきたいと思います(新聞社員には「(仕事を)頑張れ」って言っていいですよね?)。

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