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2012年7月

2012/07/30

「野いばら」

梶村啓二氏著book。第3回日経小説大賞受賞作。


馥郁たるロマンの薫りcuteが濃厚に香る作品で、一昔前の少女マンガの原作になりそうな感じcatface。わたくし的にはキライじゃない、というか結構好きな感じなんだけど、これが「日経小説大賞」っていうのはどーなのか、と。ニッケイオジサンってやっぱりロマンティストheart01なのかしらね~smile


醸造メーカーのバイオ事業部でフラワービジネスに携わる縣(あがた)がひょんなことから読むことになった、100年前に生きた英国人の手記が物語のメインストーリー。マトリョーシカ形式ですな。舞台は幕末の横浜ship。生麦事件の後、日本の情報収集をミッションとしてやってきた英国軍人・ウィリアム・エヴァンズとその日本語教師・成瀬由紀との悲恋heart03。よくあるハナシではあるんだけど、その描写がとっても繊細で静謐な叙情性を帯びていて、胸にシットリと染み込みますconfident


小学館の「園芸植物大事典」などによると、野いばらは東アジアや日本が原産で、2万7千種とも言われるバラの元となった8種の原種のうちのひとつだそうです。この野いばらは1860年頃にアジアや日本からヨーロッパに伝播したようで、おそらくこの事実を下敷きにこんなロマンティックなお話を編み出したのでしょうclover


植物budを、遺伝子情報を持つビジネスのネタyenとして扱うことにいくらかの後ろめたさ、というか恥ずかしさのようなものを覚えている縣は、人生なんてものはタンポポの綿毛みたいなもんだと諦念めいた思いを持っていたのね。でもこの手記を読みウィリアムが死ぬまで抱き続けた想いを実際に目の当たりした後、彼は、大地にしっかりと根を張り互いに絡み合う野いばらのように新しい人間関係を自らの意志で作りだそうとする。大震災を経験している日本人の内なる決意のようなものが投影されているんじゃないかしらdiamond


それにしても、このウィリアムさん、ちょーぉっとおマヌケすぎな気がするんですけど、これも「恋は盲目lovely」のなせるワザなのかしら。「優秀な小佐」で情報収集能力も分析能力も秀でたものがあり任務には忠実なのに、ユキちゃんに誘われるとホイホイついてっちゃうchick。おかしいだろー、英国と日本は一触即発の政情のまっただ中にいるっちゅーのにwobbly。それとも、植物budと音楽noteを愛する軍人は、元々そのニンじゃなかったってことなのかしら~coldsweats01


そんなわけで冷静に考えてみると、ユキちゃんはおそらく自分の命と引き替えにウィリアムを救ったweepにもかかわらず、そのビル君はその後薩英戦争bombで鹿児島を焼き払い、大けがを負うも退役して商人となり資産dollarを作って英国に戻るship。そんでもって野いばらの濃厚な香りcuteに酔いつつ若き日の悲恋を書き綴るpen…っつーミもフタもないハナシになっちゃって、その手記を発見したパトリシアに「男って勝手ね。」と一刀両断thunder、袈裟掛けにばっさりimpact、ってなことになっちゃうのよね~。あらら~bleah


まー、でも、わたくしは好きよgood。こーゆー雰囲気happy01

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2012/07/27

「英国メイド マーガレットの回想」

1922年、15歳からキッチン・メイドとなり1931年に結婚するまでの9年間、英国の様々な中~上流家庭の住み込み家事使用人として働いたマーガレット・パウエルさんの著作book。オリンピックが始まる英国にあやかってみました~smile


わたくし、これまではほとんど「ご主人さま」サイドの小説bookやら絵画artなんかにしか触れたことがなかったもんで、この「ダウンステアーズ」からの「告発」に近い回想は、想像を越える内容でしたcoldsweats02。1968年の出版以来、この手記が「家事使用人を扱う歴史書にはまず真っ先に引用される重要な資料である」というくらい、それまで「使用人の思い」なんつーものは省みられることがなかったわけで、つまりそのような人々が「ものを考えている」「それを表現する」なんてことがあるわけない、と思われていたってことですね。でもたった44年前のことですよthink


マーガレットさんは、こどもの頃から本を読むことが好きだったせいで、非常に鋭い観察眼eyeと先鋭的thunderな考えを持ち、なんとか使用人生活を抜け出せるよう悪戦苦闘punchimpactする毎日を書き綴っていますpencil


最初に始めたキッチンメイドはとにかく労働がキツいshock。いくらヤングとは言え、今みたいな便利グッズがあるわけでもない状態で、毎日床、キッチン、食器を力いっぱい磨き続けなければならないなんて、もー全く想像すら出来ないbearing。彼女の場合は、それだけでなく精神的な劣等感により大きく苛まれることになるのね。同じ人間なのに金dollarのアルナシでなぜこんな不平等、不公平があるのかと。むしろこの「精神の公平性」を問う部分にこの回想録の価値diamondがあるわけです。


しかし、まぁぶっちゃけ、全編不満annoyと批判thunderとを並べまくってるのでcoldsweats01、たぶんこのマーガレットさんはいつの時代のどの階級に生まれても結局ブーブーpig言ってんだろうなぁ~、彼女、かなり自意識過剰なところがあるようだから。生まれるのが100年早かったわねsmile

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2012/07/24

「幼少の帝国 成熟を拒否する日本人」

芥川賞作家・阿部和重氏著book。新潮社のPR紙「波」での連載をまとめたもの。面白かったです~good


国内外で指摘される「成熟を拒否する日本」像を独自の視点で解読したものなんだけど、連載途中で起きた東日本大震災によって色合いがバラけた印象があります。でも全体の流れとしては、あとがきでも書かれているように、最終的には『こうでしかあり得えなかったのかも知れない』ところへ辿り着いた感がありますねconfident


日本人が「幼少」であるのは、戦後のある写真cameraのせいだという仮説はすっごく面白かったhappy02。その写真というのが、GHQのマッカーサーと昭和天皇とのツーショット写真。掲載された新聞が政府から発禁にされたという。『日本国民そのものはどんなに小さかろうとも、天皇だけは絶対にデカくなければなりません。当時の天皇感からすると、最低でも通常時で身長五メートルくらいはあって欲しい。ところが実際には、単なる毛唐の親玉に負けてしまっている。』『わたしたちの神様はちっちゃかった。』この事実に、日本人は心底ショックimpactを受けて、己の崩壊を防ぐために「ちっちゃいことはいいことだ」というテーゼを追い求めることになった。それが現在のサブカルの大隆盛とひいては飛躍的な経済成長upwardrightにつながったのではないか、と言っています。コレッ、ゼッタイそうだッsign03


「成熟拒否」の一例“なのかもしれない”物事として検証されるのが「アンチエイジング」や「小型化技術」、「デコトラ」や「ニチアサキッズタイム」。それぞれの分野における専門家への取材karaokeを通して、日本の「成熟拒否」を支えるものが、実は「老練な職人技」japaneseteaであった、というまことに慧眼shineな指摘があるのですよ。オモシロ~catface


そして、このなかで特に面白かったのが「ニチアサキッズタイム」の章。「ニチアサキッズタイム」とは、テレビ朝日tv系列で「子供向け」番組が放送されている日曜朝7時から9時までの時間帯のことで、この章では、筆頭スポンサー・バンダイによるCMD(キャラクターマーチャンダイジング)について、番組制作の東映テレビから商品化権営業部長、バンダイのボーイズトイ事業部から2名の責任者が登場してその内情が語られています。もんのすごく興味深いですhappy02。子供を相手にした仕事をする、という真剣勝負ッthundersign01「子供だまし」なんて最もあり得ないng。ここでも、本物のオトナじゃないと成立しない世界があったのでしたdiamond


で、この「こどもだまし」が原発問題にも繋がっていくわけです。日本国民をバカにして「こどもだまし」を続けたあげくの事故。『そしてあの政府と官公庁と電力会社しか持ち得ず、さらには不備だらけの原発政策の推進役だった前与党の連中に取り囲まれたわたしたちの現状を鑑みると、この国は、原発を安全に運用する能力を欠いているとしか思えません。その意味では、わたしたちは、原子力を有効活用する資格を失ったのだと言えます。』ズバッthunderと書いてくれて、スッキリsun


その後の「日本のエネルギー政策の未来」の章で登場するエネルギーマネジメント会社・エナリスの社長の話には、まったくその通りだと共感する部分confidentと、生き方に関わる部分で、えー、そーかなぁーthink?と疑問視したい部分と相半ばしましたね。エネルギーのスマートグリッド化についての話の中で、インターネットの匿名性について出てくるんだけど、もはや技術的には匿名でいることには意味がない、だから常に自分は公人であるという認識を社会の成員全員が持てばいい、と実に簡単におっしゃる。さすが、金融界やら政界を泳いでいらしただけのことはあるわね。まぁ、パナ○ニックなる会社に一時期身を置いていた、というあたりがもーどうにもなぁdown、ってのはわたくしの単なる偏見ですsmile。ウシシtaurus


震災後、この本のとりあえずの結論としては、超少子高齢化を迎える日本が「成熟拒否」(戦後日本が生き抜くための戦略)を貫くために今後取るべき道としては、元々の日本の「異種交配(ハイブリッド)」に立ち返るしかない、ということのようで。異国のものを取り入れつつ独自に改良して自分のものにしてきたのが日本という国なのだから、今後は移民も上手に取り入れて「小型化・省エネ化」を機軸にした混在や調整で、新しい「成熟拒否」現象を起こすような知恵を生み出すしかないのではないか、と。う~ん、それを実現するには、それこそウルトラC的熟練技spadeを持つオトナがいっぱいいないとムリなんじゃないdespair??


さて、本筋とは全然カンケーないところで狂喜した一文happy02。『コレステロール値が高いと動脈硬化にはなりやすいのですが、癌にはなりにくいのです。癌になりにくく、動脈硬化にもなりにくいというちょうどいいレベルが、昔の健康診断で動脈硬化になるかどうかの境界線ぐらいの数値です。』コレ、わたくしデスfuji

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2012/07/21

NHKスぺシャル(7月21日放映)

タイトル「メルトダウン 連鎖の真相」。もーめちゃめちゃコワかった~~~shock。ってか、現在も進行形の問題なんだけどもthink


福島第一原発の事故原因を、現場で対応にあたっていた大勢の東電職員からの取材を通してNHKが独自に追及したもので、国会事故調をはじめとするいろんな報告書ではほとんど言及されていないものについて、非常に重要な問題提起を行っていて、これぞ報道機関のお仕事ッsign01よくやったッsign01っていう内容。


水素爆発を起こした1号機と3号機よりも、見た目一番被害がなさそうに見える2号機が実は一番ヤバかった、というのをところどころ再現ドラマを挟みつつ解説。冷却装置が使えなくなり格納容器内の圧力を逃がして注水しなければならないところ、その圧力を逃す装置が、最も必要な局面においてより使い難くなるという構造上の問題で働かなくなったという事実、そして最後の手段であるベント作業において、バルブを開けるための装置も機能しなかったという事実。ここに事故の被害を更に拡大させた原因があった、というのが番組の主旨。


東電はいまだに地震の影響は認めていないけれど、ベント作業のためのバルブが機能しなかった原因は、バルブを開けるための空気を送り込む配管(直径5cmくらい)が、耐震強度がCレベル(最高はA)だったため地震により破損したのではないか、と番組では指摘している。格納容器内部の圧力が異常に高いままだった2号機は、衝撃が内部で起こった後圧力がゼロになったが、そこで「いったい何が起こっていたのか」、いまだに誰もわからないという恐ろしい事実。恐らくその時、格納容器から大量の放射性物質が噴出していたのではないかと考えられているようだ。そして、耐震レベルが低かったため破損した可能性がある配管についても、内部での調査ができないためその検証も行われていないというこれまた恐ろしい事実。


つまり、事故が起こってみないとわからなかったことが、「安全神話」を成り立たせる装置にあったということなわけで、事故の影響の深刻さを鑑みれば、人類は原子力を扱っちゃダメだっつーことだ。身の程を知れってことだね。


そしてもうひとつダメダメだったのが、必要な物資を放射性物質に汚染された地域に運ぶシステムが全く出来ていなかったこと。必要なバッテリーが原発から50㎞地点で足止めされていたらしい。ここでアメリカでの取材内容が差し挟まれるんだけど、原発は事故があるものだという想定の元、原発立地州や外部の民間企業などとも連携したシステムをガッチリ作っている。


死の恐怖を抱えながら、この最大級の緊急事態になぜ安全装置が働かないのか全く理解できないまま最大限の努力をされていた現場の作業員たちや、自衛隊員、消防隊員らの働きは敬意に値するのは間違いなくて、もう明らかに彼らは犠牲者だ。


原子炉冷却のために上空からヘリで水をまき散らしている映像を見た時の「なんじゃ、こりゃ。」的な思いは、1年以上経った今でも払拭されていない。どころか「やっぱりか。」が強化され続けている。事故原因も突き詰めないまま「安全です」と言い、万が一事故が起こった時の準備も相変わらず一切しないまま原発を再稼働させるおめでたい国ニッポン。この番組を見た後改めて、日本には原発を動かす資格が全くないってことを確信しました。日本の総理大臣の「私の責任」とやらには、ゼンゼンマッタク何の意味もないです、残念ながら。

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2012/07/19

「拍手しすぎる日本人、行列してまで食べないフランス人」

舞踊研究家、芳賀直子氏の著作book。う~む、極めてあたりまえのことをお書きになっていて、書籍代838円は少々お高いのではないでしょうかthink


昔から音楽notesの分野でも、日本での来日公演(特に某超有名オーケストラあたり)は手ぇ抜きまくり、という話は聞いてたけど、バレエの世界でも同様なのねぇgawk。わたくし、東京にいた頃2~3回バレエの舞台を見たことはあって、確か来日公演も観たはずなんだけど、実はそれほど面白いとも思えなかったので、まぁ、理由はいろいろありますが、チケットticket代が高すぎる、ということもあり足を運ぶこともなくなっちゃいましたng


芳賀さんは、日本人は来日公演を観ると明らかに出来がよくなくても盛大に拍手をすることに苦言を呈しておられます。つまり極端に言えば、日本人は自分の意見もなければ、表明もしない芸術的民度の低い人種である、と。ただ、日本には歌舞伎などの伝統芸能の分野では「見巧者」がおり、観客が芸を育ててきた歴史があるとも言ってます。


ある意味その通りなんだけど、生の舞台を自分なりに評価するには、それなりの数を見なければ何とも言えないし、たとえば後からツラツラ思い返してるうちにジワジワ感動してくるspa、ってこともあるし、はたまたあまりの衝撃impactのため口から何も出てこない、なんて場合もあるんだから、しゃべりながら生まれてきたみたいなフランス人と一緒にされても困るわよね~think


芳賀さんがお手本のように言及されてる歌舞伎の観劇にしたところで、芸の奥深さもわかんないミーハー連中が、底の浅い芝居しか出来ない暴力歌舞伎役者をハート目になりながらキャーキャー持ち上げまくってるのが昨今のトレンドですよ。歌舞伎界こそ、言いたいことも言えないせまーい社会だと思いますが。


ついでにもひとつ、プロ野球baseballでも観客減を挽回するためにファンサービスに力を入れるのは本末転倒だ的ご発言もありますが、プロとしての野球の技術を見せようにも、球場に人がいなければ見せようがありませんよね。閑散としたスタジアムではそりゃ力も抜けまっせdespair


芳賀さんの欧米崇拝fujiはこれまでにもいろんな人がおっしゃって来たものとあまり変わりはありません。まぁ、それもいいでしょう。しかし世界で起こっている戦争のほとんどは、欧米諸国のエゴと非寛容によるものじゃないですか?創造性をはぐくむ教育ってヤツとこの現実との関係、どうご説明されるんですかねdown?いいかげんにせぇ、と言いたいワgawk

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2012/07/16

「楽園のカンヴァス」

原田マハさん著の長編小説book。素朴派の代表画家art、アンリ・ルソーをテーマにしたもの。ルソーの画風に寄り添う、とってもナイーヴでいながら情熱的で瑞々しいロマンティックな作品heart01。わたくし、ルソーは結構好きな画家さんなので、なんだか久しぶりに少女マンガを読んでる時みたいなドキドキ感を味わったワ~heart04


ルソーを研究するMoMAのアシスタント・キュレーター、ティム・ブラウンと新進気鋭の学者、オリエ・ハヤカワが伝説のコレクターに招待され、ルソーの絵画の真贋を鑑定するsearchよう依頼されるというのがメインストーリーなんだけど、ルソーが好きなだけあってとにかくこの3人がめちゃナイーヴchickな人たちなのね。そして、その真贋を見極める手段として7編の資料を毎日1編ずつ読むことを要求されるんだけど、この資料の内容がまたすこぶる素朴派bud。だけど、この素朴な文章の中に誠実にキラメくshineものが潜んでるのよねdiamond


ピカソがその作品を評価し愛したことによって、画壇において一定の位置を占めることになったけれど、メインストリームには決して乗らない「日曜画家」ルソー。そんなルソーをテーマとして選んだ元キュレーターでもある著者の、絵画に対する想いが素直に伝わる素敵な作品でしたhappy01。わたくし、こーゆーの、とってもスキ~sun


わたくしもだいぶん昔、ルソーのナマartを観たことがあります。どこの展覧会だったかキレイサッパリ忘れましたがcoldsweats01、確か「アンリ・ルソーとナイーヴ派展」的なものだったと思います。でもそこで観た「詩人に霊感を与えるミューズ」はかなり強烈impactに印象に残りました。技術の稚拙さとか理論の欠如とかそーゆーウルサいことはこの際どーでもいーpunch。ルソーの画面には、シン…とした静けさに塗り込められた熱い情熱heart02が潜んでいる。それがじっeyeと観ているうちにじわじわじわっと迫ってくるんですwave。もー、感性のモンダイですねconfident


この作品を読んだら、わたくし、モーレツdashにMoMAに行ってルソーの「夢」、観たくなりましたup。でもニューヨーク、コワいしなぁ~~~wobbly

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2012/07/13

芹沢銈介展

Img131道立函館美術館で7月16日まで開催中の展覧会event。芹沢さんっておチャメですっごくカワイイ人だったんだろうなぁ~chickって思わせる作品たちが並んでいましたhappy01


わたくし、デザインとしての紅型がとってもスキheart04なので、紅型に多大な影響を受けて自分のデザインに反映させていた頃の里山の景色を描いた作品群なんかはほんとーにステキでカワイイcute。そういうカワイイデザインをそのまま着物や帯なんかに染めちゃうあたり、今なら別に珍しくはないけど、当時は結構ビックリimpactもんだったんじゃないかなぁ~。晩年のデザインはかなり大胆になって、ご本人も「着られないデザイン」coldsweats01とおっしゃっていたようですが、パリのオートクチュール界ではウケそうな感じsmile


その後、朝鮮文化に影響を受けた装飾文字(布で描いたみたいな文字)のデザインがどんどん洗練されていく様子、「いろは文字」のデザイン化された屏風は、もー見てて楽しくて楽しくてhappy02。時間が経つのも忘れちゃう。紅型とはまた違った、大和古来の色を駆使したデザインはやっぱりなんだか見ていてほっこりするワ~spa。「春夏秋冬」の布文字がデザインされたクロス、鑑賞記念に買ってきましたmoneybag。すっごくステキなのよぉ~、これがまたcatface


そして、時代との関わり。戦後、布の入手が困難になってきたのを機に、紙(和紙)への定着手法を確立して、続々と身の回り品を生み出せるようになったとき、ブームになったのがカレンダーだったそうです。昭和30年の作品が展示されていましたが、聖書の装飾写本の影響を受けたようなモダンなデザインshineで、作品解説に「戦後の日本人のみすぼらしい暮らしと心に、ほんのりと美しい温かみを与えた」というようなことが書いてあって、わたくし思わずじ~ん…weep。最近芸術関係の補助予算がバリバリ削られてたりするけれどdown、もしかすると食べるものもないってくらい究極に困窮状態になったら、逆にそういうアートの力punchってヒトのココロに影響を及ぼすものなのかも知れないなぁconfident


芹沢さんは、古今東西の工芸品のコレクターでもあったようで(晩年はアフリカのお面にえらく興味を持ったそうです。「動物のお医者さん」の漆原教授を思い出すワ~smile)、「蒐集するということは、創作することに等しい」というようなことをおっしゃったそうですが、わたくしにも少しばかり蒐集癖がございますもんですからsmile、なんとなく勇気をもらえた気がしますsun。そして芹沢さんのお仕事ぶりを拝見していると、やはり創作は、いろんなモノの模倣から始まって独自の世界を創っていくupもんなんだなぁ、と再発見したことでしたflair


さて今回の展覧会、ひとつ注文したいことがpout。わたくしデザインとか工芸とかには興味はありますが、「型絵染」という手法についてはよく知りませんbearing。展示の中でその工程を紹介しているコーナーがちょびーッとありましたが、非常にわかりづらい~ng。やはりここは公立の美術館として鑑賞・理解のサポートをきちんとすべきだろうと思うわけです。刷物で入場者に渡してもいいし。独立行政法人になったんだから、顧客サービスにももっと配慮すべきですねthink

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2012/07/11

「屋久島移住ブック」

福岡にあるエフ・ディという制作会社(?)が企画編集したものbook。2度遊びに行ってすっかりその魅力のトリコlovelyになってしまったわたくし、この本を眺めていると「あああ~~~、癒されるぅぅぅ~~~chick。」な、シアワセな時間でしたspa


できるものならば移住したいsign01くらいな気持ちなんだけど、ここで紹介されている移住者の方々の様子を拝見するとですね、みなさん、生きるエナジーthunderといおうか、パワーrockがすごいんですよupwardright。まず家1軒house、自力で建てられるくらいの根性がなきゃダメなのねcoldsweats02。あとは農業に取り組むか漁業に身を投じるか。いずれももはや体力に自信のないわたくし、もー脱落down。しかし、この自給自足の生活はアコガれheart02でもあり、理想diamondでもあり、島民のみなさんが心底うらやましぃぃぃ~~~note


この本では、巻末に具体的な移住のためのアドバイスなんかも掲載されていて、ちょっとキビシいimpact現実なんかも突きつけられるカンジ。でもサラリーマン生活をリタイアした後、こんなところで暮らせたらいいなぁ、なんて思いはますます強くなっちゃった。死ぬまでにいっぺん、海waveに帰るウミガメの赤ちゃんを見たいッsign03(産卵は見たッsign01ものすごくスバラしかったッshineshinesign03


しかし軟弱なわたくし、冬の寒さsnowを忍ぶ自信はあるけど台風typhoonには耐えられないカモ…weep

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2012/07/07

BLUE

 (前の記事からの続き)

Blue1Blue3Blue4





ってなわけで、画像にしてもそのニュアンスの100分の1も伝わらないのは承知のうえで、あえてわたくしが「こっちの方がまだマシ」coldsweats01と思う画像をアップしてみました。髙木洋恵さんデザインの作品ですshine

Blue2Blue5この作品は、わたくしの最初のフルートの先生で、現在沖縄で講師をされているK先生にプレゼントしましたpresent。沖縄の万華鏡のような海と重なるイメージですwave

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「リアル クローズ」(09年放映)

2009年に放映された連続ドラマtv。ちょっとしたきっかけがあってレンタルして一気見dash。槇村さとるさんのマンガが原作(読んでないケド)なので、安心して見られました。黒木瞳さん演じる神保美姫のセリフに、もーいちいちナットクthink。社会で仕事をする女性の心得一覧、ってカンジね。


わたくし、連ドラはほっとんど見ないので、香里奈ちゃんは初見。いいですねぇgood。コメディをうまく演じられるってのは役者として重要だもんね。元気いっぱいだけど実はすっごくナイーヴっていうキャラクターは、槇村先生お得意のものだけど、とってもうまーく出されてましたbell。わたくし的には、「ダサい絹恵」ちゃんの方がカワイかったなぁ~happy01


さて、このドラマを見るきっかけになったのが、第2話に出てくるハンドメイドジュエリーブランド「飛猫舎」ring。その作品を作っていたのがビーズジュエリーデザイナーの髙木洋恵さんだった、というのを知ったからでした。“世界にたった一つのクチュール作品の世界をお洋服とともに提案しましょう”っていうコンセプトの回だったので、高木さんの作品がバシバシimpact登場するんです。しかしここでまたもや痛感したのが、やっぱり実物の素晴らしさdiamondはテレビの映像では伝わってこないってことデシタdown


香里奈ちゃんがファッションのお勉強をする際、「何か一点、好きなものを中心にコーディネートを」とアドバイスされた時に選んだのがブルーの美しいネックレスdiamond。実はわたくし、このドラマの存在を知らなかった時に髙木さんのウェブサイトからこのキットを1点購入していましたmoneybag。んで作ってみたら、んもー、これがなんとまー、チョー美しいッshineshinesign01様々なニュアンスのブルーが立体的に折り重なって、これまで見たことないくらいの輝きを放ってる~fuji。しかし、この華麗さ繊細さがドラマの映像ではほとんど伝わって来なかったのよーbearing。ああ~うらめしや~~~weep(次の記事に続く)soon

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2012/07/04

「だれかの木琴」

井上荒野氏の新刊book。あ~、なんとも言えない、この気持ちワルさよshock。オバサンが若い男にストーカーするハナシ。


主人公・親海(およみ)小夜子は、ぱっと見平凡な専業主婦。彼女がストーカーと化す背景にはいくつか要素があった模様で。たとえば、安普請の借家からセキュリティばっちしのマイホームhouseに越してきたこと、恋人時代には毎日しまくってた夫とのエッチの回数が減ってること、一人娘ribbonが若さバクハツimpactの思春期に突入したこと。彼女には実は子供のころから臆病なわりに一度気になるとパラノイア的にその対象にこだわる性質があったようなのね。それが別に好きだ、というわけでもないのに。


で、そんな小夜子にプライベートなコミニュケーションツールmobilephoneが与えられるとどうなるか、ってーと、ケータイメールmailを発端とするストーカーの始まりってわけでcoldsweats02。髪と頬に指先がふれる職業、ヘアスタイリストである海斗への執着は、夫以外のオトコを知らない小夜子のパラノイア的性癖が出現したものであり、ケータイへのただの営業メールが究極の「私へのアプローチ」として認識された結果のもの、なのね。でもやっぱりそれは海斗が好きだから、なわけではない、というところが理解不能typhoon


彼女の頭の中に木琴のような音が流れ出すnotesと、自分でもわけのわからない「おかしな」行動をせずにはいられなくなる。このあたりがとっても気持ち悪いのよね~down


ストーカー行為は海斗だけでなく、海斗のカノジョにまで及び、キレたカノジョに自宅に踏み込まれるシュラバbombを迎えたことにより、憑き物が落ちたように海斗への執着も落ちる。知っていながら事実を認めることを拒んだ夫への絶望とともに。


そしてラスト、手料理を誉めてくれた夫の会社の後輩へ、今度は何の躊躇もなく度を超したお礼のメールを送る小夜子。頭の中ではもはや気にもならなくなった木琴の音notesを聞きながら。新しいターゲットflagを得てさらにパワーアップupしたストーカー第2幕の幕開きってカンジなのよね~。コワ~~~sweat02


井上さんは初読だけど、さすが直木賞作家、サクサクとっても読みやすいワgood。ストーカーバナシなのにネットリさせることなく、それなのにというかそれゆえにというか、気味の悪い不穏な雰囲気をサワサワと漂わせmist、余計に小夜子の不条理な内面を際だたせる手腕はサスガ、っていうところかなgood

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2012/07/01

「事件 15」(2012年5月12日放映)

わたくしの大好きな2ドラシリーズtvのひとつ、その新作でございますhappy02。今回もド感動の1作。サブタイトル「復讐殺人法廷 娘を殺した男が4年で出所?許さない!残された家族が立てた恐るべき計画」。


このシリーズは、主演・北大路欣也さんの暖かい人間的魅力sunと、隠された人間の深い想いを丁寧に描き出す珠玉の脚本がガッチリ組合わさった奇跡にようにスバラシいシリーズなんですよshine。ゲストも芝居巧者が多く、その熱の入った演技も見逃せないわけです。なもんで、毎回滂沱の涙を流さずには見られませんweep


今回は、娘を殺された被害者家族と少年法によって守られる犯人とを巡る重たいドラマで、わたくし、これも衝撃を受けた「心にナイフをしのばせて」を思い浮かべながら見ていたもんだから、なおさら胸に迫るものがありましたcrying


被害者の母を演じた若村麻由美さんがゲスト出演。娘を殺されたあげく全く反省のカケラも見せない犯人を心の底から憎む母親役、強靭な精神性を見せる迫真の芝居で、北大路さんと火花散るシーンimpactを見せてくれました。スバラシいですdiamond


クライマックスで、最後まで自分の論理だけで始末をつけようとする母親(若村さん)に、伊丹弁護士(北大路さん)が一喝「それでいいわけないッ!(ってカンジのセリフ)」その後の伊丹先生の説得も非常にナットクものだったし、「キレイゴトを言うな」という母親の気持ちもわかるし、今回も脚本、よかったですねぇgood。冷静な論理一辺倒じゃないのに、みんなが納得できる幕引きっていうのが、伊丹先生の圧倒的な人間力のなせる技なのよねーconfident。真犯人の「先生に救われました。」というセリフがこのドラマの真髄を示していますshine


こういうオトナがたくさんいたら世の中もっとずっと良くなるのにねwink

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