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2012/08/26

「マリー・アントワネット 運命の24時間」

「怖い絵」シリーズのドイツ文学者、中野京子氏著book。「ヴァレンヌ逃亡事件」を自分なりに描き直してみたい、という動機により書かれたもの。サブタイトル「知られざるフランス革命、ヴァレンヌ逃亡」。


残念ながら、先年、佐藤賢一氏の「小説フランス革命・王の逃亡」を読んだ後だったので、「知られざる」部分がだいぶ損なわれちゃったdown。しかし大きな違いはやっぱりフェルゼンさんの捉え方ですね。佐藤さんの著作では、まぁ、王の視点で描かれてたので仕方ないんだけど、フェルゼンさんったらほんとおマヌケねぇ~chickってカンジでしたが、こちらはまさに「ベルばら」のイメージshine。ここまで緻密な段取りをよくやった、それなのに、それをぶちこわしたのはひとえに、ルイ16世の決断力のなさとノンキさであったとcoldsweats01


でも、中野さんもちゃんと書かれてるように、なんせルイ16世さんは正真正銘の「王様」crownですからねぇ。今のわたくしたちパンピーとは宇宙的に思考回路も違ってたでしょうから、簡単に「おめーのせーだannoy」、とも言えないでしょうしねぇ。中野版フェルゼンさんが失敗したとすれば、そのあたりの王様の思考回路を正確に把握することが出来なかったng、ってことだったかも知れませんねdown


この著作の中でひとつ、ビックリcoldsweats02したことがあったのよね。それは、現在のフランス国歌notesが、対外戦争のために集まったマルセイユ連盟兵への応援歌「ラ・マルセイエーズ」であるってことは知ってたけど、その中で名指しで非難されてるのが、王党派のブイエ将軍だということ。ブイエ氏は、革命推進派へ激烈な制裁bombを加えたこと(ナンシー事件)で有名で、この逃亡事件でも最後に王を警護する役目を担うはずだったおヒト。そのおヒトがいかに民衆からダカツの如くimpact嫌われていたか、王党派のなかでもただひとり、5番の歌詞に個人名が刻まれていることでわかるってことなんだけど、それから200年以上も歌われちゃうブイエさんって、なんかスゴいわよね~~~bearing。この事件のあと亡命したらしいけど、ご子孫の方々はもう二度とフランスの地は踏めないわねぇ~~~sweat01


それにしても、よーく考えてみると、一国の国王と王妃を処刑しちゃう国民ってのも、またスゴいwobbly。積年のウラミツラミだけじゃないような気がする。ついこないだまで「王は国の父だ」っつって何の疑問もなくとてつもない貧富の差を受け入れてたのに(身近な領主なんかに対しては思うところはあったのかも知れないけど)、「人間は(王も含めて)本来平等である」っていう思想があっという間にここまでの熱狂typhoonを巻き起こすって、どういう精神的活動によるものなんだろうthink??このあたりは佐藤さんの著作を待ちましょうかhappy01


さて中野さんが、「自分なり」にマリー・アントワネットを描いてみたい、と言ったその果実は、「ロココ」の繊細美の極致はアントワネットがその絶頂期に生きたからこそ生まれ得たものであるという見解に結ばれていますapple。それは『善悪を超え、永遠である。』と。確かにそうかもねー。ま、わたくはロココ、好みじゃないケドsmile

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