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2012/08/23

「第六ポンプ」

アメリカ人作家、パオロ・バチガルビ氏の短編集book。海外の、というかSF自体チョー久しぶりだったけど、ちょっと衝撃impactを受けちゃったtyphoon


科学万能主義を押し進めた結果、「ナチュラル」が破壊され続けた世界ではどんなことが起こっているか、っていうのがバチガルピさんの主なテーマのようなんだけど、今の地球もこのまま行くと実際にホントーにそうなりそうで結構コワいshock。っていうか、もしかしてもーなってるのかも…coldsweats02


全部で10編が収録されてるんだけど、わたくし最も「おおおおーッhappy02」と思ったのが「フルーテッド・ガールズ」。“フルート化された少女”sign02なんじゃいな、そりゃsweat01sign02楽器として生体改造され、秘密のパーティでステージに立つ姉妹の物語。もともとは長編として構想していたもののうまくまとまらず、一部の要素を抜き出して作品化したものだそうです。その経緯から出来映えには自信がなかったといいますが、結果的にはスタージョン記念賞候補作品となり、三冊の年間ベスト・アンソロジーに収録。パオロ・バチガルビという発音しにくい名前の作家が注目される最初のきっかけになりました。』(訳者あとがきより)という作品。いや、とにかく、スゴ~fuji。わたくしの貧困な想像力をなめらかにしなやかに超えたところにある世界new。ブキミで哀しくて、エロティックkissmark。「フルート化された少女」っていうのが、具体的にいったいどーゆー姿になってんのか、は半分以上読者のイマジネーションに委ねられてるんだけど、ふたりが「演奏する」シーンnotesはちょっとありえないくらい、SFとして名シーンじゃないかしら~crown。いや~、才能のなせるワザだワネ~~shine


で、表題作。『食品添加物の化学物質を摂取しつづけたせいで、出生率が下がり、痴呆化が広く薄く浸透した近未来の人類。主人公はニューヨークの地下で下水処理システムの維持管理を担当する職員。危険な化学物質だらけの汚物を市街にあふれさせないように、故障しがちなポンプと格闘する。ローカス賞を受賞しています。』(同上)っていう作品。痴呆化した人類種「トログ」が街中にはびこって所かまわず楽しそうにエッチしまくる中、まだマシな人類が少し残ってて、主人公はその中のひとり。って書くと、ものすごく暗くて悲惨なものを想像するけど、確かに事態は深刻なんだけどその世界に生きる彼らはそれが当たり前だと思ってて、でも何とかもっと悪くならないよう気楽にガンバるnote、ってカンジの軽めのタッチ。次々と不具合を出すポンプは、2020年に製造されたもの。それがこれまで自己修復を繰り返しながら100年以上も働いてきたことに対する驚きと尊敬の念diamondを抱く主人公。現代に対する否定と肯定を合わせ持つ重層的な作品になってるのねgood


訳文が作風を忠実に再現しているのなら、軽~いポップsunな文体だけど、そのくせ読者に結構ふか~い思考clubも働かせる、なかなかにクセモンな作品群なのデシタwave

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