「フイヤン派の野望」
佐藤賢一さんの「小説フランス革命」の第6巻、第一部の完結です
。王の逃亡事件後、憲法が制定され立法議会が始まるところから、主にロベスピエールの目線で描かれています
。
いや~、このロベスピエールさん、まッた魅力的に描かれてますねぇ。すっごいマジメ
なのに下宿を提供してくれた職人親方の娘さん
のことを思い浮かべたとたん下半身を熱くして
、「イカン、イカン
」なんて思っちゃったりして
。もーカワイイんだからぁ~
。ほんと、革命の志士たちも佐藤さんの手にかかると、となりのお兄ちゃんみたいになっちゃう
。
この巻では、ジャコバン派の同志だった一部が分裂し意見を異にして対立していく様子が描かれ、解決しなければならない深刻な問題も、次第に単なる政争の具となっていくのは今も昔も変わらないのね、と思えてくるワ。
そんな中、直球勝負、正論を吐きまくるのがロベスピエールさん。わたくしはこういうタイプ好きだけど、往々にして世の中うまく生きていけないのよね~
。熟考を重ねて持論を構築していく中、しばし滞在した故郷で出会った運命のヒト、サン・ジュスト君のカリスマ的
な論述にヤラれちゃって
、後の恐怖政治の予兆が感じられます
。サン・ジュスト君、めちゃヤバイ~
。
そして我らがデムーランくん、相変わらずグジグジしております。今や時のヒトとなったかつての仲間、ブリソを告発する冊子の原稿
を書き終えていながら、発表するかしないかで悩みまくり
。おまけにそれに追い打ちをかけるように、妻の妊娠の告白。ここんところの描写も爆笑もの
。『「もう三ヵ月も来てないの」「来てない?なにが?」「だから、あれが」仄めかしたきり、それ以上をリュシルは言葉にしなかった。はじめデムーランは本当にわからなかった。もう三ヵ月も来ないというのは、もしや新聞の購読料のことなのか。』デムーランくんは新聞を発行してるヒトなんだけど、そりゃないでしょ~
。いいなぁ~、デムーランくん
。
さて、7巻からは第二部、いよいよ対外戦争の足音も高まって不穏な空気が盛り上がって参りました。それぞれのキャラクターたちがどう立ち回っていくのか、わかっていてもチョーたのしみ~~
。
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