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2012年11月

2012/11/30

神尾真由子&ミロスラフ・クルティシェフ デュオリサイタル

Img058やっぱりわたくし、神尾さんのプレイスタイル、すごくスキかもconfident。ひじょーに「実(じつ)」のある、とっても佳いdiamondステージを聴かせていただきました。昨日、函館市芸術ホールにて開催された神尾真由子さんとミロスラフ・クルティシェフさんのデュオリサイタルnote。オール・ベートーヴェン・プログラムで、曲目はソナタの7番、8番、9番。


2009年に札幌交響楽団の定演のソリストとして登場されたときに強い印象thunderを受けた神尾さん、あのときの挑むような目つき、押しの強いパフォーマンスから、なんだかすごく雰囲気が変わりましたねtulip。それは、見た目だけでなくその音楽からも感じられましたconfident


ヌードベージュの柔らかい素材のロングドレスで髪もアップに。足元にドレスの裾が泡のようにふわふわと落ちて、まるでボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」で描かれた海の泡のようで、神尾さんはそこから生まれたミューズheartのようでしたnotes


そしてその音楽がまたスバラしかったんですよ~shineshine。もう一切の迷いがなく確信に満ちた音楽は超高密度のダイヤモンドみたいshinediamond。数年前の“押しの強さで聴かせる”ものじゃなく、“音楽の表現そのもの”で惹きつけるものになっていましたbell。強音も弱音もすべての音に明確な意思が込められていて、こちらも一音たりとも聴き逃すもんかッpunchsign01ってチョー真剣モードspade。本当に質の高い、充実した時間を過ごさせていただきましたupupup


今回はデュオ・リサイタルということで、ピアニストは一緒に新アルバムcdを作ったクルティシェフさん。見た目オタクsmile。ロシアか東欧のご出身だと思いますが、音はなんかとっても温帯モンスーン気候的なのよ、これがwave。粘るジャポニカ米riceball。ポツンポツンと落ちてくる雨粒sweat02。重たいんだけど澄んだ音色でshine。アンコールのショパン「幻想即興曲」を聴いてるとますます「雨がぽつぽつ降ってきた北陸の水田」って情景が目の前に浮かんできちゃって~coldsweats01。ショパンと水田って…sweat02


で、このふたりが息ぴったりcherry。クルティシェフさんはソリストのスタイルでピアノを弾いてるにもかかわらず全然うるさくない。曲のアーティキュレーションに合わせて、ふたりの体の動きがシンクロしてるのがほほえましくてhappy01。まさにデュオですね。わたくしの席からはおふたりの斜め後ろ姿が並んで見えたんだけど、特に第8番の第2楽章、楽曲の美しさshineを少しの衒いもなく紡ぎ出すふたりがほんとーに素敵でした~heart02


もひとつ、わたくしが神尾さんのスキなところhappy01。それはパフォーマンスのすべてを音楽に捧げているところ。昨日は、髪をお団子状にまとめてたんだけど、それが飾りもない無造作なまとめ髪で、おしゃれで垂らしたというよりは後れ毛がほつれて落ちてます、みたいなカンジになってて、最近キラビやかな女性ソリストのステージに慣れていたせいか、最初はアレcoldsweats02?ってカンジだったのよね。で、メインである第9番「クロイツェル」ではきっと黒いお衣裳になっちゃうんじゃないかな~、なんつーわたくしのアサハカな予想を裏切る衣裳替えナシ。それが逆に、15分間の休憩は衣裳替えより精神集中thunderに使うのだ、と言われているようで、背筋が伸びる思いでしたconfident


神尾さん、音楽を奏でるときはものすごーく繊細clubなのに、楽譜をめくった後ページを押さえる左手が、ばしッsign01べしッsign01ってカンジなのが、わたくし的にはすっごくウケましたhappy02。地は乱暴モノsmile


そんなわけで、初めて演奏を聴いた日から約3年、変化していく“音楽の求道者・神尾真由子”の行く道を、これからも追っていきたいと思える夜でございましたnight

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2012/11/28

「図説 エリザベス一世」

神奈川大学教授、石井美樹子氏著のビジュアルブックbook。カラー図版artがたくさんあって女王crownのファッションが堪能できるキラビやかな1冊shine


生い立ちからざくっと生涯を紹介してるんだけど、これだけを読むと、筆者があとがきで書いているような「憧憬の念」を覚えるというような内容に残念ながらなってないのよね~down。少女時代の文書memoなどから、教養あふるる早熟な印象は確かに受ける。だけどある程度トシとってからは、「寵愛する臣下spadeに特権diamondを与えまくる女王heart」っていうイメージが強化されてるだけなカンジがするのよ~sweat02。強い大英帝国の基礎を作った女王なんだから、もうちっと書きようがあったような気がするんだけどwobbly。スペインの無敵艦隊を駆逐した、っつったって神風が吹いたtyphoonだけじゃん、みたいなカンジだしさァ~gawk


人を見る目eyeがあったという部分では、40年に渡って仕えたというウィリアム・セシルくらいしか出て来ないし。むしろ寵愛する臣下に裏切られるthunderパターンが続いてて、“オトコを見る目”がなかったとしか言いようがないのではsmile?。


どうも、力を入れて書くべきポイントflagをハズしてるような気がするんだけど、…こんなもんなんでしょうか、エリザベスⅠ世ってempty

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2012/11/25

「オタクの経済学者、スポーツの裏側を読み解く」

いやー、めちゃくちゃおもしろいですーhappy02。シカゴ大学ビジネススクール教授でデータを使った実証系の行動ファイナンスが専門のトビアス・J・モスコウィッツ氏とスポーツ・イラストレイテッド誌のライター、L・ジョン・ワーサイム氏の共著。望月衛氏訳。サブタイトル「今日も地元チームが勝つホントの理由」。


アメリカの代表的なプロスポーツbaseballsoccerbasketballのありとあらゆるデータを駆使して、スポーツにまつわる“常識”や居酒屋bottleでおやぢらが“解説”する思いこみが、本当にそうなのか、を解き明かしちゃうsearch。アメフトはともかく(昔、「天国から来たチャンピオン」を観て、ウォーレン・ベイティのあまりのカッコよさにシビれlovely、アメフトのルールを猛勉強pencilした…coldsweats01)、バスケットは全然わからなかったけど、メジャーリーグは何となくわかるし、日本のプロ野球に当てはめてもきっと同じなんだろうと思うと、めちゃ興味深かったhappy01


第9章「楽しい我が家 「地元が有利なのはなぜか」の昔からある説明はどこまでつじつまがあっているんだろう」では、地元のファンの応援rockが選手を奮い立たせている、なんて思ってるけど、メジャーのデータからはそれには何の根拠もないってことがわかるcoldsweats02。我が北海道日本ハムファイターズでは(昨日リーグ優勝のパレードが行われたケド)、球団の方針で、ファンに向かって選手全員が念仏のように「一緒に闘いましょうッsign01」って言ってるけど、ファンの声援は本当に選手の力になってるのか?ぜひデータを取ってもらいたいわーsmile。ファイターズファンとしては、そうあってほしいと思うけど。だけど逆に、どんなにアウェーでブーイングthunderを受けようとも(2012年日本シリーズ第5戦、某プロ野球選手の皮を被った役者のように)、ヒットをフツーに飛ばすdashことができる、っていうのがやっぱプロなのねー、って感心する。これマジでgood


でも、やっぱりデータ上ではホームグラウンドでの勝利が5割を超えてるのよup。で、第10章「それじゃ、我が家が楽しいのは本当はどうしてなんだろう?ヒント。ファンが騒ぐというのが重要な点だが、みんなが思っているのとは違う形で重要なのだ」。この章を読むと、やっぱ、みんな球場に足を運ぼうshoesign01ってことになる。ファイターズの選手が「明日も球場に応援に来てくださいッsign03」っていう呼びかけは正しいってことなのよーdiamond。球団は正しいshine


いや、それにしてもこの訳文がまた軽妙洒脱でオカシいcatface。もーずーっとニヤニヤせずには読めない。『最悪だったのは、(ダラス)カウボーイズはフィールドに落ちたウンコみたいなクソチームで、(中略)』フィールドに落ちたウンコって…sweat02


それにしても、日本の阪神タイガースみたいなチームがメジャーにもあったのね~smile。その名も「シカゴ・カブス」。第18章「シカゴ・カブスは呪われている?違うというなら、なんでああも勝てない?」は、負けてばかりの地元チームへの哀しい愛に満ちあふれた文章weep。これまた笑えるhappy02


ほんと、これで居酒屋でのオヤヂらの論争をバッサリthunderと終結させられるけど、このハナシをしちゃったら場がシラけることは請け合いなのよね~smile

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2012/11/22

上原ひろみ「MOVE JAPAN TOUR 2012」

Img057いんや~、も~、グラミー賞アーティストcrownのチカラrockを堪能させていただきましたよ~happy02。スゴすぎですぅ~upup。昨夜、函館市芸術ホールにて行われた上原ひろみさんのライブnotes「ザ・トリオ・プロジェクト feat. アンソニー・ジャクソン&サイモン・フィリップス」。


わたくし、ジャズはあんまりわかんないけど、こんなに弾けるピアニストは初めてみたカモcoldsweats02。ちっちゃいカラダで火の玉みたいなハガネのプレイthunder。ときどき河童が取り付いてるが如き手つきsmileで超絶的動きを見せたかと思うと、好奇心のカタマリのコドモがそのまんまおっきくなったような印象だったり、67歳(フンイキ)並の引き出しいっぱい洒脱な余裕ぶっこきオッサンプレイヤーみたいなカオも見せたり。ほんとに、一音一音聞き逃せないearpaper


ジャズトリオといえば生音しか聴いたことがないので、マイクkaraokeやエレキベース、2組くらいありそうなドラムセットの爆音impactが鳴り響く音色は、わたくしにとってはかなり新鮮でしたshine。マイナー主調の曲たちもカッコいいんだけど、ドラマーをジャズベースというよりロックベースのアーティストから選んでいるのが、きっといろんな色彩artを感じさせる要因なんだろうなぁ~confident


わたくし、もっともカンドーheart04したのが後半のソロ。「I Got Rhythm」を、音楽のジャンルを軽々と飛び越える縦横無尽、傍若無人な演奏で激疾走dash。わたくし、異常にカンドーheart04すると、ハラの底がくすぐったくなるようなchick、グルグルするようなtyphoon、もーなんともいえない感覚を覚えるんだけど、そんなカンジになりましたよーdiamond。楽しすぎるーッhappy02sign01嬉しすぎるーッhappy02sign01


そして、わたくしナミダweepが出そうになったのは、そのMCkaraoke。骨太の演奏スタイルからは想像しがたい可愛らしいしゃべり方penguinで、『こちらから見てると、ほんとに老若男女の方がいらっしゃいます。普段見るテレビ番組なんかも全然違うだろう世代の方たちがここに集まってくれて、そんな場を与えてもらったことにほんとに感謝しています。』と。いやいや、ほんとに感謝したいのはわたくしたちの方ですからぁ~happy01。ああ~、本当にホンモノの高みfujiを目指しているヒトって輝かしいshine謙虚さをお持ちなんですよね~~bud。ステキです~lovely


それにしても、彼女のキャリアの始まりがヤマハ音楽教室って。わたくしも長年通ってますけど、この違いは…sweat02。って、比べること自体おかしいからng


上原ひろみさん、いつか、もっと密着した小さいキャパのクラブあたりで聴きたいなぁ~happy01

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2012/11/21

「人魚呪」

神護かずみ氏著book。2011年、遠野物語100周年文学賞を受賞した作品crown岩手つながりというわけで、これがまたなかなかに面白かったデスgood


ホラー的色合いはあるけど、それほどコワくはない。わたくしの好きな伝奇物ですcatface。戦国時代の史実を巧みに織り交ぜたストーリーテリングぶりは、安易な予想を許さない変転を生み出して、物語を読む楽しみを味わわせてくれましたshine


「不死」とはいかなることか、著者なりの解釈が描かれるシーンはズシッimpactときます。作品は東日本大震災の直前に書かれたものですが、まるで予見するかのような、またその後の人間の生き方を考えさせるような内容になっているのは驚きですcoldsweats02。でもこの作品が「遠野物語」を冠した文学賞への応募作品だということを考えると、実は不思議でも何でもないのかも知れませんconfident


神護さん、わたくしにとって、これからの作品に注目eyeしてみたい作家さんになりましたup

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2012/11/18

「誤解の世界 楽しみ、学び、防ぐために」

松江崇氏編著book。2010年度・北海道大学大学院school文学研究科公開講座「ごかい・誤解?」の講義原稿に加筆・修正したものpencil。公開講座なので多少やわらかめだけど、このテイスト、懐かしいなぁ~coldsweats01


そもそも「誤解」とは何かっていう定義から始まって、「誤解」というからには「正解」があるといえるけど、果たして「誤解」などというものがあるのか、なんていう哲学的考察から始まるあたり久々の感覚coldsweats02。でもこうやって改めて提示されてみるといろいろ考えさせられますね~think


「愛国心」というものも、小熊英二氏の著作を援用しながらヒジョーにわかりやすく整理されていて勉強になりました。これまで日本には「民主主義的な愛国心」などなかったんですねぇdown。だから某政党が主張する「愛国心」は単なる国家への「忠誠心」を求めているに過ぎないということですねdanger。だけどそもそも「国家」ってなんなのさ?「国民そのもの」なんじゃないの?原発事故をめぐる政府の動きを見れば一目瞭然、「国民の命を守る」ことをせずに何を守る「愛国心」なんでしょうgawk


この原発事故をめぐる動きは、「誤解とカルト」の章でも、まんま当てはまる議論となっています。


で、やっぱり著者のほとんどが言語学者だったりするので、日本語の使い方が美しくてshine気分良く読めますhappy01。でも昨今の乱れた言葉遣いについてはとってもリベラルな姿勢を示してくれて、これまた勇気付けられますrock


しかし、普段の自分の言動を見直さなきゃなぁ~bearingと反省させられた部分もありました。でもあまりに自分で自分を疑ってばかりいたら自分の考えも持てないしなぁ~wobbly。そもそもこうやって書いてること自体「誤解」のかたまりだしぃ~bleah。う~む。

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2012/11/15

「ジロンド派の興亡」

佐藤賢一さんの小説フランス革命Ⅶbook。いよいよ第2部に突入いたしましたーdash。パチパチーimpactsign01


いやー、バスティーユ襲撃から2年、派閥間の激しい闘争punchimpactが繰り広げられるうえに、対外戦争bomb、王と諸外国との駆け引きonやらがグジャグジャtyphoonに絡まってきて、なんだか現代の日本の政局のアナロジーっぽい様相を呈してマスsmile


ここで新しい人物として、“ジロンド派の女王crown”ロラン夫人rouge登場sign01佐藤さんの、おっとりした筆致penながら、「アタシが、アタシがッleosign03」的な部分もしっかり描きつつ、でもなまじ頭の回転が早いだけに社会の前面に出られないオンナboutiqueの悲しさが漂ってしまうweep。だけど、彼女の究極の目的って何だったのかしら?マリー・アントワネットやらポンパドール夫人とタイ張りたかった?単に時代の先端を行く論客を自分のサロンに集めてチヤホヤheart04されたいだけだった?オンナだてらにオトコを操るのがスゴいでしょってドヤ顔catfaceしたかった?だとしたら、ちっちゃいなぁ~down


政局が混沌とする中、ロベスピエール、ダントン、デムーラン、ルイ16世、それぞれの思惑がまるで見てeyeきたように描かれるこのシリーズ、ほんっとにオモシロいっすーッhappy02sign01

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2012/11/12

「なぜ院長は「逃亡犯」にされたのか」

ノンフィクション・ライター、森功氏著book。なんだかもー、すごくハラ立つっていうか、やるせないっていうか、メンタル的になかなかスルスル読み進められなかった1冊。サブタイトル「見捨てられた原発直下 「双葉病院」恐怖の7日間」。


県内だけでなく北関東各地からも、他の病院で受け入れられなかった高齢者の患者を多数受け入れてきた、福島県大熊町の双葉病院。県が地震と原発事故の混乱の最中、最低限の事実確認もせずに発表したプレスリリースによって「患者を置き去りにした」という、実際には根拠のない理由で大きなバッシングを受けることになった。著者は、非難の中心になった院長をはじめ、スタッフ、県、県警、関係した自衛隊など多方面への聞き取りにより、この、多数の命を失った事件の原因を探ろうとしている。


大地震と「想定外」の原発事故の大混乱の中、いろいろな要因が複雑にからまりあっているが、やはり一番大きかったのは情報が正しく適切な場所に伝わっていなかった、ということのようだ。情報の正常な流れは、おおまかに、現場(病院)→県警→県の対策本部→自衛隊になっていたはずだが、要は県の対策本部が集まってくる情報を適切に処理できなかったのが一番の原因のようだ。現場から何度も何度も救援の要請をしているにもかかわらず、結局すべての避難が終わったのは7日後。最後の100人近くの患者を搬出する際、避難区域ギリギリのエリアで警察官と共に待機していた院長たちスタッフは情報の行き違いで、そこに合流することが出来なかった。


著者はこの流れを、コントロールタワーたる県の担当だった人間にまず確認し、今後の災害対策のための検討材料にするよう進言するが、この担当者は責任逃れに終始するのみで事実を省みるところがひとつもない。また、避難指示命令が出た時、病院に残っていたスタッフの私物である車を乗り逃げした自衛隊の輸送支援隊長。自衛隊への聞き取りでも、まことしやかな無責任発言をするだけだ。


誰も全く予想もしていなかった事態の最中にあっては、苛酷な現場から逃げ出したとしてもそれは責められない。著者も責めてはいない。(しかし、最後のひとりまで患者搬出の意思を捨てていなかった院長はじめ病院の医師、スタッフは逃げ出したのではない。避難指示命令によりやむなくエリアギリギリのところへ移動させられたのだ。親族を失った患者遺族が病院を責めるのも、だから違うだろう。)だからこそ、多くの命を失った教訓として事実を真正面から見据えなければならないと思うのだが、実際にこの事態に携わった関係者がこんなムセキニンな態度で、今後の対策がきちんとできるのだろうか?


この件でも、県の発表をダダ漏れ同然に流したマスコミの責任は大きい。彼らこそが事後、検証して然るべきだと思うが、そのようなこともしていないようだがどうなんだろう?どうやら彼らの辞書には「裏取り」という言葉はないようだ。

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2012/11/09

「テレビは原発事故をどう伝えたのか」

早稲田大学教育・総合科学学術院教授、伊藤守氏著book。う~む、このセンセ、ジャーナリズム論が専門じゃないそうだけど、テレビtvっつーもんに対して、何か大きな思い違いをされてるんじゃないでしょうかthink


そもそも、株式会社的マスメディアに「ジャーナリズム」なんてもんはないので(断言smilesign01)、そこに「もっとちゃんとしろッangrysign01」っつったって、「はぃ?」earpaperってのがオチじゃないでしょうか。かつて日本政府が国民に戦争bombを行なわせていた時、マスコミがオノレのやってきたことを本当に反省していたなら、センセがここで指摘されてるようなことにはなってないわけだしbleah


まぁその論でいけば、わたくしにとって衝撃的impactだったのは、「学者先生」と呼ばれるヒトたちのあまりのアホさcoldsweats02。原発事故についてテレビに解説者として招かれた「先生」たちだけがそうなのかも知れませんが、ここに採録されているご発言を見る限り、これくらいならわたくしでも言えちゃうってカンジsmile?(「まったくわからないtyphoon。」なんてわたくし言うの得意だしッsign01scissors)。彼らには死んでお詫びしていただかないといけないくらいの罪がありますね。たぶんそんな自覚もできないくらいの知的レベルなんでしょうがdown


面白いことに、マスメディアと学者先生、「バカな人間たちに教えてやるcrown」っていうスタンスが共通点ですね。皆が皆とはいいませんよ、念のためpig。だけど、いっちばんその真価が問われる事態に陥った時に丸出しになっちゃった“いい加減”さ。「大人の社会」なんて“こんな程度のもん”なんだってことが子供達にバレちゃいましたdanger。あれ、もうとっくにバレてるかbleah


この著作では、ネットメディアからの情報も含めた「集合知」や「共同の知」の可能性についても言及されています。あらゆる情報源を集めて議論を行える場が必要だ、と。理想ですね。その役割をマスメディアが担わない限り未来はないってことなんですけど、それは過剰な期待ってもんですnote


そしてもうひとつ課題なのは、受け取る側のモンダイです。伊藤氏はマスコミを“マスゴミ”と批判する「集団的分極化」について言及されていますが、実際はそれ以前のレベルです。情報を正確に受け取れない(正しくかみ砕けない)とか、それがどんなに重要なことであっても興味のない情報はスルーする、あるいはそれが自分にとって重要な情報かどうかすらわからないのでスルーする、という人たちが結構な数、存在するのですよ(わたくしも含めて)。そのあたりはどうすべきなんでしょう?切り捨てですかthink


まぁでも、普通に働いている生活人はそんなにヒマじゃないから、情報源とその内容は取捨選択してくしかないんだけど、それには常に意識的eyeかつ自覚的flairでありたいもんですねconfident

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2012/11/05

「花嫁」

芥川賞作家、青山七恵さん著book。面白かったけど、よくある構成かなthink


主人公は父、母、長男、長女の4人家族。長男に嫁が来ることになった。それをきっかけにして、この「家族」が物理的にバラバラになるっつー展開なんだけど、1章ごとにそれぞれの独白や手紙の形でこれまで隠されてきた秘密secretや想いが描かれていき、読者は「おおー、そーだったのかー。人間ってわかんないものね~。」とシミジミ思う、って流れですねhappy01


たとえば、親の愛情をたっぷり浴びて育てられた娘が語る父、母、兄のイメージと、その後に続くそれぞれの語りから受けるイメージとのズレthunder。その違いにハッcoldsweats02とさせられる。それは、父(夫)、母(妻)、兄(長男)それぞれから語られる相手像の場合も同様で、ひとりの人間というものは、これほどまでに奥深く幅広いwaveものなのだ、と改めて気付かされるflairのよね~。


特にこの家族のキーkeyだった母(妻)が、長男の嫁に宛てて書く「旧花嫁」の章は圧巻fuji。お嬢様育ちでありながら(しかしイロイロあって実家とは絶縁状態)、しっかり者の妻であり思慮深く優しい母というイメージだったのが、この手紙によって彼女の心の奥底に潜む苦悩と煩悶が露わになっていく過程はちょっとドキドキするcoldsweats02。「花嫁」なんていうふんわりribbonしたコトバとはウラハラのドロドロtyphoon


しかしながらこの母(妻)ってのは、親からの「愛情がたっぷり」過ぎる故に苦悩するっていう人物なんだけど、それが結局のところ、こういう「家族」(子どもの目からみると「愛情たっぷり」の幸せな家族なんだけど実は…)をつくりあげたってことで、ものすごい功労賞的なもの(なんて簡単に言っちゃったら彼女は激怒annoyするカモ)があったってところに、この作品のオリジナリティがあるカンジgood


それにしても、この長女、ハナにつく不愉快オンナッangrypunchimpactsign01

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2012/11/02

「リアル・シンデレラ」

姫野カオルコさん著book。なかなか味わい深い小説ですねぇconfident


姫野さんは、わたくしが敬愛する評論家・斎藤美奈子さんがいつも好意的に取り上げる作家さんだったので、何か読んでみようと常々思ってましたhappy01


まず、“掴みrock”が魅力的note。小さな編集プロダクションで働く女性ライターが、童話を読みなおして翻案し大人向けのムック本を出版する企画のために「シンデレラ」を再読するところから始まるのね。で、このハナシ、全然主人公が目立たないっsign01ってところから始まって、そもそもこのシンデレラは幸せなのかっsign02ってなコトになって、本当に幸せな人生というのは、ある名もなき女性、倉島泉(くらしません)みたいな生き方なのだsign01という社長、矢作の思いつきにより、取材penが始まる…と。


倉島泉を取り巻く多くの人たちへのインタビューkaraokeと語りで、多方面から彼女を描き出していくっていう流れなんだけど、ある一方向へ流れていったかと思うと、ひとりのたったワンワード、ワンセンテンス、ワンフレーズで泉の印象がキラキラッshineと180度ひっくり変えるrecycle瞬間があって、その手並みの鮮やかthunderたるやタメイキものconfident。一気にシアワセ感満載heart04


斎藤さんが『語り手が随所で茶々を入れるのも姫野作品の特徴である。』と言及されている部分も、おおーこれかーhappy02、と堪能。それって人生の真理diamondだよな、ってつい苦笑しちゃうcoldsweats01鋭い批評精神が顔を出す。うん、確かにクセになるsmile


さて、童話のシンデレラは、意地悪な継母や義理の姉たちと実は価値観を同一にしている娘で、“仕返し”のお話だったけれど、倉島泉は“他人の幸せが自分の幸せheart02”と感じられるようにと妖精みたいなもんにお願いした、というお話でしたhappy01


しかし本筋とは別に、この泉さん、今年62歳におなりになるヒトなんだけど、娘ribbon時代のハナシとかなんだかものすごーく昔くさいカンジがするcoldsweats02。40~50年前の日本って、まだまだ貧しかったんですね…think

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