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2014年12月

2014/12/28

「時が滲む朝」

第139回芥川賞受賞作、楊逸氏著book。中国歴史小説つながり~~recycle


わたくし、たぶん楊さんより若干下の同世代だと思うけれど、お隣の国ではこんな若者たちがたくさんいるんだってことを、今更ながら知らされましたthink。日本の全共闘世代と共通点があるのかも知れないけど、やはり中国の近代史の流れを考え合わせれば、その弾圧の圧力impactの違いは相撲レスラーと幼児、くらいはあるんぢゃないかとupdown


これまで、「三国志」や「蒼穹の昴」などの中国を舞台にした歴史小説を読んでくると、中国における“科挙の歴史”が社会に与えてきた影響は絶大punchで、科挙制度が廃止された後も学問で立身するっていう考え方は根強いのね。田舎だとそれが特に顕著で、小説の中でも“進士様”なんてのが出てきたりして。地方の大学に合格して家族の期待を一身に背負った主人公が、民主化運動に参加したことをきっかけに立身コースから転落するdown。それって中国においてはある意味とんでもなく残念なことなんだろうと思う。それでも民主化運動に身を投じる彼らを無知だと謗るわけにはいかないだろう、と思う。挫折し傷心を抱えて移り住んだ日本の地から、それでも故国を想うことをやめられない、っていう内容にもやっぱり尋常ならざる重くて深い想いが、中国人の楊さんにはあるのでしょうthink


彼らがふとんの中でひそかに聴く尾崎豊の歌。日本への憧れ。でも彼らが民主化運動に立ち上がったとき、主導する大学教員の発言の中で「五・四運動以来、中国の革命にはいつも我々大学生と知識人が先駆けとなっている!」なんていうのもあったりして日本への複雑な気持ちが透けて見えたりもする…think


少し前から起こった香港の民主化運動も、“中国の大学生”が立ち上がったもの。彼らには自分の国を背負うのだという誇らしい自負心が感じられて、無気力な今の日本に住むひとりとしてうらやましくもある。でも、現在の中国では名も無き民主化運動家は結果として、やり切れない思いを抱えて日々を送ることになるという何とも切ない状況にあるのですねweep。香港の大学生たちのこれからが思いやられます…typhoon

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2014/12/24

バッハ・コレギウム・ジャパン ヘンデル「メサイア」

Img330いやーもー、これほど美しい歌声shineshineは今まで聴いたことな~~~いhappy02notes。まさに天上の歌声up。21日の日曜日、Kitara大ホールで行われた鈴木雅明氏指揮の公演、聴いて参りましたshoe


バロック音楽初心者cloverのわたくしなので規模の大きい宗教音楽をナマで聴いたことがなかったし、日本でバロック演奏と言えばこのバッハ・コレギウム・ジャパン、っていうのは耳にしていたのでどんな大編成なのかと思っていたら、結構小さい構成なんですねーconfident。しかし、この少数精鋭の研ぎ澄まされようときたら、全員イチローfuji、ってカンジbell。しかも、もしかすると日本人ならではのセンシティヴィティが、楽曲の真髄diamondを欧米人以上に表現しちゃってるのかも、なんて思ったりもして。ま、わたくしはクリスチャンじゃないので、よくはわかんないケドsmile


ソプラノⅠさんが骨折しちゃったために来日できなかったそうで、代打のクリステン・ウィットマーさん、ウツクシすぎるお声shine透明度がハンパなくってshine、天に昇っていくその歌声を伝って光が降りてくるようlovely。ソプラノⅡの松井亜希さんは合唱のメンバーさんのようですが、これまたスバラシかった~up。どのソリストさんもそりゃーステキで、やっぱりオラトリオを歌うっていうのは特別なことなのですねーconfident


よく考えると(よく考えなくても)とんでもなく不敬なことだったんだけどng、これまで「メサイア」もCDcdで、しかもハイライト版をBGM的に聴いちゃってたわたくし、ド反省いたしましたdespair。今回、テキストがプログラムの中に挟まれていて、初めてちゃんと英語の歌詞を読みながら聴いたのです。そしたら、その単語のひとつひとつと音型が全部有機的につながっているんだってことがよくわかって(遅過ぎ…smile)。「メサイア」は庶民にもわかりやすいように作られたといわれていますけど、これって、密教における仏像の役割みたいなもんなのかも知れませんねー。だってほんとに彼らの歌声を聴いていると、神の世界が眼前に広がるようなんだものconfident。指揮をされる鈴木さんの頭も、だんだんトンスラに見えてくるし(今、佐藤賢一さんの「王妃の離婚」を読んでるもので、つい…coldsweats01。すみませんッsweat01sign01)。


それと、ナチュラル・トランペットの演奏も初めて聴きました。いやー、めちゃくちゃ難しそうですねぇ~coldsweats02。時々プルンってなってたけど、ピストンっていうのか、音階を変えるものが全然ないのに音が外れないthunder。スゲーcoldsweats02。腰に左手を当てる独特の演奏スタイルも面白いですね~happy01。何か由緒があるんでしょうか?


合唱もほんとにスバラシかったですhappy02。全くひとっつもニゴりのないハーモニーnotes。印象的だったのは、第2部ラスト「ハレルヤ」を歌う時のみなさんの嬉しそうな笑顔happy01。合唱の方々にとっても、ここってひとつのカタストロフなんでしょうね~fuji。それと第3部、バスが歌うアリア「トランペットが鳴り響くと」で、トランペットが響くやりとりでも合唱のみなさん、すごく嬉しそうでsun。舞台の上で「メサイア」の世界を生きてるんですねheart01


この演奏で、すっかりわたくしもBCJ(バッハ・コレギウム・ジャパン)の魅力にハマっちゃったので、次回はぜひバッハ、聴いてみたいです~~note

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2014/12/21

八條美奈子フルート・サロン Vol.3

Img329はぁ~~dash、またもやチョー充実diamondしまくりッsign01八條美奈子先生の「フルート・サロン」、1回目の時も感じましたけど、ハッキシthunder申し上げて、これ、「サロン」って内容ぢゃ、ゼンッゼンimpactないですからッsign01100人弱の聴衆で聴くにはもったいなさすぎるぅぅぅぅぅ~~~bearing


小杉恵先生(恐れ多くも、発表会で伴奏をしていただいたことがあるわたくし、先生と呼ばせていただきますッhappy02sign01)とのご共演は、わたくし的には2010年のリサイタル以来、4年振りに聴かせていただきましたが、変わらず息の合った、長年連れ添ったメオトのようなシックリぶりsmile。今回はその小杉先生のご友人のチェリスト、シュテファン・ティットゥゲンさん(発音難しい~sweat01)とのトリオで、それはそれはゴーヂャスcrownな音でございました~~happy02


プログラム前半は、クリスマスxmas周りの小品たちshine。ジャズフレイバーnoteで、ホテルのラウンジでちょっとイイオンナkissmark・イイオトコdramaちっくな気分にさせてくれるカンジsmile。でもお酒wineを飲みながら聞き流すにはステキ過ぎるしぃ~catface。ってか、ナマ音楽を聞き流すなんて失礼なコト、今のわたくしには出来ませんッwobblysign01それにしても、アンサンブルを楽しむようになってから、わたくし、初めてジャズっぽいアレンジの曲を練習するようになったんですけど、簡単そうに聴こえるジャズって、めっちゃくちゃ難しいsadってことを身を以って最近知りまして、今日も先生の演奏を聴かせていただきながら、センセー、簡単そうに吹かれてるワ~とため息ハァーdash。でも先生のお人柄が現れる勢いのあるシャッキリthunderした演奏だったと思います。そして前半最後の曲、チャイコフスキー「花のワルツ」で、シュテファンさん(苗字では発音し難いのでcoldsweats01)ご登場on。一気に豪華版fuji。音の厚みが5割増で、もー楽しくって楽しくってup。フルートという楽器とチェロという楽器のイイトコ取りってカンジでワクワクheart04しちゃいましたよー。またもやチャイコにヤラレthunderるわたくし。チクショーッbearingsign01だってホントにクリスマスxmas気分ちゃらちゃら~~bellきらきら~~shine、なんだもーんッhappy02sign01


ウッキウキheart04気分の前半から、今度はズシッsign01と密度が高くなる後半、どの演奏もスンバラしかったですshineshine。やっぱり音楽の感動って編成の大小じゃないのですよぉーconfident。3人なのにこの音の厚みと広がりwave、室内楽ならではの緊密感diamond音楽を聴く喜びがここにあるsign01なのですsun


はじめまして~、のシュテファンさん、すんごい頼もしいカンジですspade。見た目も音楽もcatface。ベートーヴェン(わたくしにとっては卒業式で証書をもらうテーマ曲カナ?)では内省的な落ち着いた音色、ウェーバーでは深々としたロマンティックな音色で、これが正統派ドイツロマン派の音なのね~ってcatface。八條先生のMCkaraokeでほぉ~って思ったのは、冒頭に書いた2010年のリサイタルでわたくしがわけもわからないままに感動した現代曲の解釈を授けたのがシュテファンさんだったって事でした。現代曲もお手の内って、さすがヨーロッパのオーケストラ首席さんですねぇ~。カッコイイ~~lovely。アンコールの時のちっちゃなサンタ帽も激お似合いでカワイすぎーッchickhappy02sign01


サンタ帽といえば、すっかりカブリモノが定番になった八條先生。そんなセンセーもわたくし大スキheart04ですが、これからどんどん“小○幸子化”しないか、ちょっとシンパイです…smile。あ、今日は、少しマゼンタが入った鮮やかな赤いドレスに白のミンクボールのイヤリングでラブリーなお衣裳でした~heart。小杉先生のキラキラshineディープグリーンclubのドレスとでクリスマスカラーがキブンを盛り上げてくれましたーupup


というわけで、毎回“サロン”の枠からハミダシtyphoonまくっている先生の演奏会なので(?)、来年は待望のリサイタルを開催してくれるとのことnote。またどんな素晴らしい世界を感じさせていただけるのか、今から楽しみですnotessign01

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2014/12/18

「蒼穹の昴」1~4巻

いや、さすが浅田次郎さん、文庫本全4巻一気読みdash


大スキheart04な浅田本book、これまたとりあえず買っておいて本棚に積読だったのを、「三國志」の勢いを借りて取り出しました。始めのうちは、宮城版「三國志」の重厚な文体に比べて、あまりなカルさにアレッ~coldsweats02sign02ってカンジで、中国史はこんなにカルく語っちゃダメngなんぢゃないの~?なんて思っちゃったけど、これが“浅田節”だったのよね~~happy02


登場人物のひとり、梁文秀を通して科挙制度の実際を描き、李春雲(春児)を通して宦官の有り様を描く。もう頭の中に映像が浮かぶほどの描写力なのですよーpunchimpact


西太后は、近年の研究により、その残酷性はほとんど捏造emptyだったことがわかってきているので、この物語での彼女の描かれ方は納得のいくものだったけど、乾隆帝とのココロの中の会話とか側近たちとの内輪のしゃべりは若干カル過ぎcoldsweats01


これまで読んだ中国が舞台の歴史小説ではどれも「天命」っていうのがものすごく重要なキーワードkeyになっていて、中国では「天命」のあるなしが人間の一生を決める、っていうDNAレベルで刷り込まれた考えがあるのね~confidentってなことを了解しつつ本作を読むと、春児の生き方がググッimpactと胸に迫ってくるのよね。物語の終盤で、春児を占った太白白が「春児には天命はなかった」と文秀に吐露したシーンでわたくし、号泣crying。一方春児も、自分に天命がないことを察していながらこの占いによって「蒼穹の昴」を目指して宦官になった。「天命」なき人生を、己の、文字通り血を吐くような努力…なんて簡単なコトバでは到底言い表しえない決意と行動で、切り開いてゆくdoor


ただ、残念なのは、少年時代は若ボンpenguinとしてとってもやんちゃdenimですごく魅力的shineだった文秀や、極貧生活の中でも懸命に生きる春児が、表と奥の世界でそれぞれ中枢を担うようになるあたりから、なんだか急にお行儀がよくなってdramaツマンなくなっちゃったコト。もう春児なんかほとんど品行方正なクリスチャンwobbly。まぁ確かに、そう描くことで、義兄弟の契りを結んだ2人が政治的に対立thunderする立場になり、ニッチモサッチも行かなくなった時に、思わず子供の頃に戻ってあふれ出す激情シーンimpactはものすごく効果的なんだけどねーthink。最後の最後に描写される春児と妹の玲玲(りんりん)のワンシーンは浅田さんらしい構成で、あざとさ満載catface。こーゆーとこ、わたくし大スキなんだけどね~smile


わたくし、高校時代に世界史を履修してたので、サラッと過ぎた近現代の中国史は細かいところは憶えてなかったけど、李鴻章や袁世凱という名前には記憶があって、この物語によってそんな歴史上の人物に血肉を与えてもらい、流れがよく分かったワflair。そこからまた史実の書籍に戻ればより理解は深まるってなモンですgood



しかしこの「蒼穹の昴」、史実に架空の人物をうまく配して、実際にひとりの人間が生き得えた可能性を描いているとは思うんだけど、所詮大きな流れを変えることはできないので、なんとも不完全燃焼~bearing。文秀も春児も社会的な高位は得たけれど、精神的な充足を得ることができたとはとても言えない状態で終了end。ま、仕方ないか…。



NHKのドラマmovieもあったようなので、今度レンタルしてみよーっとhappy01

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2014/12/14

札幌交響楽団 第575回 定期演奏会

Img328いや~、今回もプログラムのと充実の演奏で、マンゾクマンゾクーcatface。昨日行われた昼公演、行って参りました~shoe


今月は大曲2曲。1曲目はおなじみチャイコフスキーの「ヴァイオリン協奏曲ニ長調op.35」。ソリストはイタリア生まれのドイツ人、オーガスティン・ハーデリッヒさん。いやー、もー、なんつーか、哀しみが潜むシルクの光沢shineshine、とでもいーましょーか、悶絶寸前の切ない音色diamond。第2楽章の頭、木管の後にすぅぅーっと滑り込む旋律でわたくしナミダしましたweep。あー、チャイコにヤレれてるー、クヤシーpoutsign01って、悔しがってどーする。ハイポジの高音でもその絹糸音色は変わらず、緊迫感と柔軟性が同居して、わたくし的にはジャストgoodsign01ハマりましたpass。少し音が小さいんだけど、そこがまた、“白血病と闘いながらも強い心でケナゲにガンバる少女ribbon、決ッして負けないワpunchsign01”(昭和イメージ)ってカンジで、オケはそれを“さぁ、僕がついてるよspadesign01”と後ろからガシッimpactと支えるイケメンたちdrama。あぁ~すてき~lovely。そんな妄想イケメンのおひとり、フルート森さん、久々の1stで気合い入ってましたね~catface。イケメンの中での熱血担当thunder。楽譜をめくる手つきも”うりゃッimpactsign01”ってカンジでした。第3楽章で木管が同じ音型を次々と繋いでくパッセージでは、民族的フレーズ感を断トツのネバりで表現されていて、さすが、トシの功だワ~smile


プログラム2曲目はショスタコーヴィチ「交響曲第15番イ長調op.141」。いやー、これもヨカったーbell。やっぱ、ショスタコはナマに限りますワーsmile。冒頭の高橋さんのフルート、これから始まる不穏でちょっと無機的なフンイキを透明な音色で導入、一気にショスタコ・ワールドにon。それにしても、この交響曲なのに室内楽っぽい作り、ソロはキンチョーthunderの瞬間ですねぇ。打楽器群もどっさりいる編成で、さぁ、かかってこーいッangrysign01って待ちかまえる中でのソロだもんねー。それでも高いテンションupで聴かせるそれぞれの首席さんたちはやっぱスゴいワーfuji。特にチェロ・石川さん、相変わらず深い精神性で空気を満たす演奏者ですcrown。スバラシい~shine


今回の指揮者はクラウス・ペーター・フロールさん。ショスタコは得意だということですが、ほんとに、一瞬の気も逸らさせない緻密に編み込んだ緊密感満載の演奏だったと思います。45分という長さを全く感じさせなかったconfident。お顔はちょっとブルちゃん入ったコワカワなカンジbleahなんだけど、とにかく左手の動きがめちゃくちゃエレガントなのよ~ring。バレリーナが指揮してるかと思ったsmile。常に小指が立っててカワイイしcute。もしやマエストロ、オネェさんcatface?お衣装が燕尾じゃなくて立襟のブラックシャツだったので珍しいワ~と思って見てeyeたんだけど、ひょっとして、あのウルトラ・エレガントな手つきを強調するための演出だったのかしらhappy02


さて、今月は大活躍の大家さんhappy01。ご登場から既にショスタコ・ワールドを表出するかの如きキビしいthunder顔つき。ステキheart02。スネア担当で、ローリングした後、立ち上がっての渾身の打撃impact、シビレる~~lovely。いや~、打楽器奏者ってホント素直にスゴいといつも思うのよーconfident。誰でもできる”打撃”だけど、誰でもが音楽の流れであんな風に”適切に正確に”打撃出来るわけではないってゆーwobbly。だって1発必勝なのよーbomb。失敗したら確実に音楽はブッ壊れるのよーtyphoon。いっぱいある音符のうち2、3コ失敗しちゃったーテヘペロbleah、じゃ済まないのよーng。こわいぃぃぃ~~shock


というわけで、今月は2回のカーテンコールの後、マエストロ・フロールがコンミス・大平さんを拉致してsmile退場して終了end。お疲れさまでした~~spa。来月のフレンチも楽しみにしてまーすhappy01sun

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2014/12/12

藤城清治の世界展

Img326はぁ~、文字通り“癒し”の芸術だワ~~spa。初めて観た藤城清治さんの展覧会、影絵はやっぱりバックライトflairがビシッthunderと当てられた“ナマ”で観なきゃダメですね~~confident。ホントにキラッキラしてました~~shine。来年1月18日まで、札幌芸術の森美術館で開催中の展覧会、行って参りましたcardash


若い頃の油絵やデッサンも含めた、藤城さんの長い画業歴を概観できる展示で、わたくしが抱いていた藤城さんのイメージとはまたちょっと違った印象も与えてもらったワwink。でも、「命の賛歌」という一貫したテーマはどんな作品にも現れていて、藤城さんの喜びや祈りがナミナミsign04ッと伝わってきましたhappy01


26歳の時描いた、油絵としては最後の作品「ギニョールの楽屋」、鮮やかな色彩と太い輪郭線に、後の影絵へと繋がる傾向が既に出てるのが興味深いのねconfident。たぶん、ここからもっとキッパリハッキリスッキリthunderthunder色を出したい、っていう思いがカラー影絵となっていったんでしょうね~catface


Img327それにしても、影絵といえども、藤城さんの作品は本当に様々なニュアンスを表現できる手法を持ってるのよね~coldsweats02。アナログな片刃のカミソリを使ったカクカクした輪郭、カラーフィルムを重ねることによって生み出される微妙な色調の変化、トレーシングペーパーを使ったぼかし水槽を使った映し絵、実物を紛れ込ませるコラージュ、それぞれがそれぞれの味で実に大きな効果を上げているupup。特にトレーシングペーパーを使ったぼかし効果は、わたくし今回一番ヤラれたところheart02。「光のプレリュード」は大きなおぼろ月fullmoonが浮かぶ霧と水の中で、ぼわぁ~と拡散する光の表現がもー、めちゃくちゃスバラしくてーdiamondshine。ものすごい長いこと見つめてしまったワeye。「かにの親子(やまなし)」も、モノクロなのに、水の中にすぅっと散らばる光のプリズムの表現にタマげましたcoldsweats02。ただ、水槽を使った作品では、波立たせ過ぎsweat02?ってのもいくつかあって、この調整はムズかしいところだわねーsmile


そして、藤城さんといえば、やんちゃな小人たちbleah。もーとにかく画面上いろんなところでいろんなコトをやってるもんだから、スミズミまでチェックsearchしなきゃならなくて観るのもタイヘンsweat01。そろそろ足が痛くなってきたワ~bearingと思っても、この小人探しはやめられないcatface。だってめちゃくちゃ楽しいんだもんッcloversign01「こびとのおひっこし 5」では、おじいさんのアタマの上で一心にお祈りしてるから侮れないcatface。「札幌時計台」では、毎日のように見てる時計台の横の木の上で、大勢の小人たちが音楽を奏でてるnotesのに気づいた瞬間flair、見慣れた景色がぱぁぁぁぁーっとキラッキラshineshineしたものに変わっちゃうのよねーhappy02sign03これぞ藤城マジックッshinesign01これから時計台を見上げるたびにこのイメージが浮かんできて、楽しくなっちゃうワーnote


そして、本格的にドガッimpactfootsign01っと来たのは、「光彩陸離(レプリカ)」。わたくし知らなかったんだけど、生田原町に「木のおもちゃワールド館 ちゃちゃワールド館」なる施設があって、その敷地内に藤城さんの展示館があるのね。オリジナルはそこにある横18m×縦9mという巨大なものspadeらしいけど、それを縮小したもの。まさに北海道の大自然と神話が余すところなく描き出された傑作ッcrownsign01以前道立近代美術館で観た岩橋英遠の「道産子追憶之巻」を思い出したワconfident。あれを更にラブリーにしたカンジ~heart04。切り抜いた葉っぱは10万枚以上、使ったカミソリは5万枚以上。それでも制作に2年くらいしかかかってないってのにもビックリcoldsweats02。画面いっぱいをミッシリと埋め尽くす植物たちや動物たち、小人たちをワクワクheart01しながら見つめまわす中、大きな木のてっぺんにチョコンと乗った丹頂鶴のカワイさchickに、わたくし、ずっきゅーんッheart02lovelysign01死ぬまでに1回は実物を観に行くことを決意したのでしたimpactpunch


あ、あと「クリスマスの鐘 3」もチョーエクセレントーッsign03まさに、藤城さんのカラー影絵のためにあるモチーフ。聖書シリーズも良かったなぁ~~confident。あー、「ぶどう酒びんのふしぎな旅」シリーズもッsign03


ほかに、2011年の被災地へのエール作品や、1985年の「We Are The World」に共鳴した作品(当時わたくしファンだったリンジー・バッキンガムの姿もあったけど、似てなひ…coldsweats01。)などもたくさんあったけど、そういう分かりやすい作品よりも、わたくしが感じた“癒しの芸術”の本質は、「プラテーロ」シリーズや「祈る姉妹」などの素朴な味わいの作品の中に、静かに深く染み入るように存在しているように思いましたconfident


多くの作品に作者ご自身の長文のコメントが掲出されているんだけど、それも場合によっては鑑賞者の意識を一定の方向へ向けさせる作用が強く出ると思うので、そういった手法はわたくしはあまり好きではありません。特に、そこに込められた作者の意図は、それはそれとして、やはり鑑賞者には自由に感じさせるべきだと思うのです。まぁ、制作トリビアみたいなものは面白いですけどねwink


というわけで、またしてもナマの迫力impactに圧倒された展覧会ではありましたが、やはり、というべきか、人気作家の展覧会、冬snowの平日にもかかわらず結構な来場者で、特におばちゃん&おっさんたちのマナーの悪さも結構なレベルでしたワdown。展示室内でケータイでデカい声でしゃべるわ、ガムをくちゃくちゃ噛みながら歩くわ、これでも公営の美術館なの?状態annoy。監視員よ、アンタらはいったい何のためにいるッangrysign02

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2014/12/10

「三國志 第六巻」

宮城谷昌光氏著book。第六巻は、「官渡の戦い」に勝利crownした曹操が、袁家を滅ぼし勢力を拡大してゆく中、劉備が諸葛亮を得、「赤壁の戦い」から荊州をゲットするところまでが描かれてます。が、「演義」とは違い、淡々と進んでいきマスsmile


まず、ビックリcoldsweats02したのが劉備の軍師、諸葛亮と並び称される龐統について書かれた部分で。『政治とは美しくみせるということが基本であり、その政治にたずさわる者は美しくなければならないという固定観念が古くからある。その点、容姿に冴えのない龐統は劣等であるとみなされ、まったく注目されなかった。』ええーッsign02美しくないと政治しちゃダメなのーッsign02この龐統サン、赤壁で呉軍が勝った陰の功労者なのに、孫権にブサイクなのを嫌われてsmile、劉備の元に行ったという逸話があるのよね。まぁ、確かに孫家の周りは孫策とか周瑜とかイケメンshineばっかしだったから、容姿の許容レベルはかなりハイupwardrightだったかも知れないけどねー。それにしてもヒドいcoldsweats01


その劉備について、宮城谷さんの筆は相変わらず満載catface。まだ袁紹が北の地でブイブイdash言わせてたとき、漁陽郡の太守に、混沌とした天下において誰につくべきか、と問われた田豫という才人が、若い頃劉備に付いていたにもかかわらず、「そりゃー、曹操でしょ。」と言ったことに触れて。『劉備に従いつつ英雄たちの盛衰を眺め、曹操軍とも戦った田豫の見識とは、そういうものであった。劉備の名をまったくださなかったのは、田豫を幻滅させた何かが劉備にあったからであろう。劉備は幽州の涿県の出身であるから、公孫瓚の勢力を継承して北方で覇業を成してもよさそうであるのに、なぜか故地から遠のいてゆき、幽州でも劉備の帰還を望む声はひとつも揚がらない。かつて青州平原郡の劉平という者が劉備の暗殺を計画して刺客を放ったが、それは正当な理由があったことで、若いころの劉備はそうとうな悪事をおこなったと想われる。それを知っている幽州と青州の人は、劉備を嫌悪したのである。』coldsweats02。もひとつオモシロかったのが、かねて劉備の人格に疑問を持っていた糜芳(兄の糜竺に連れられてきた)が、尊敬する趙雲サンに劉備の人事について不平を言ったところ、非常に奥深い返事をされたがその時は意味がわからなかった。で、後に趙雲サンの言ったことと諸葛亮が劉備に進言したことが同じであったことがわかった時、『どうやら劉備はそこまで考えておらず、諸葛亮におしえられたはじめて気づいたにちがいない。それは趙雲とおなじものを視て、おなじことをきいても、真相を洞察できない自分に似ている。自分を軽蔑するついでに劉備を軽蔑してもよいであろう。』ププッdeliciousdashsign01趙子龍は、劉玄徳のどこがよく、随従しつづけているのか。これも洞察力にかかわりがあることなのか。自分は目の前の劉備しか視ていないことになるのか。』わたくしも同感smilesign01こんなオトコのどこがいいのかsign02


毎度恒例、曹操のステキな部分heart04。曹操が下って来た敵をも許す度量の大きさはどこからくるのか。それを推察したのが手堅い働きをしていた部下の李典サン。『じつは、曹操こそ、天地人をみても、何もみえなかった人なのではあるまいか、と李典は考えている。あるとき曹操は、みえるようになったのだ。それゆえ時勢がみえず、やむなく敵対した者を赦すことができるのではないか。そういう人であるからなおさら尊敬することができる。』なるほどconfident


その曹操が絶大な信頼を寄せていたのが、いとこの曹仁。江陵で周瑜と戦っている時、10倍以上の敵軍に囲まれた部下の牛金の部隊を一騎で助け出したウルトラかっこいー武将spade。ここらあたりを描く宮城谷さんの筆がまた熱くてカッコイーのよねーhappy02。自分の作戦が裏目に出て、部下を窮地に陥れてしまったことに怒って、臣下・陳矯が止めるのも聞かず、単騎で乗り込んで行き、一旦は牛金の部隊を逃れさすも、まだ部下の数が足りないのに気づいて、再び敵軍の中に飛び込み、残らず連れ出しちゃうleo。『曹仁のうしろを走る数個の影をみたとき、陳矯は涙をながしそうになった。無名の兵への愛憫の深さが、そこから陳矯の胸にまでとどいた。』ここは、臣下の陳矯の、曹仁に対する敬愛の情ももれなく描かれていて、思わずわたくしもナミダを流しそうになったワーweep


宮城谷さんって、硬い文章diamondの中に時々、ハッcoldsweats02とするようなステキな表現shineを紛れこませるのよねー。『そのために立てた使者を、張既と、いう。めだたないが、まぎれもなく賢臣である。歴史のなかで澄んだ音をひびかせる玉石のような人である。』『そういう游楚の生き方を観ると、つくづく游殷の偉さがわかる。ここにある薫りのよい光景の源にあるのは、游殷が家族をおもう情の深さであろう。』わたくし特にスキheart02なのは次の文。『かれ(徐庶)は劉備をつかって臥龍を起こし、その龍の背におのれの夢をくくりつけると、その夢を手放して、覇権を天空でつかむような飛翔につきあわず、老母の手をひいて地上を歩いたといえよう。その地上に龍の翳が落ちたのをみたにちがいないのに、一言の感想も遺さずに死去した。』ステキ過ぎ…weep


ってなことで、宮城谷さんの名文も愉しみつつ、次巻へッsoon

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2014/12/04

新印象派展

Img325う~む、やっぱり印象派はわたくしあんまり趣味じゃないナ~wobbly。でも、新印象派からフォーヴィズムへと移り変わる流れはとてもよくわかる展示だったと思いますgood。来年1月12日まであべのハルカス美術館で開催中の展覧会event、大学時代の友人Mちゃんが学芸員を務めているので行ってみました~happy01


印象派の後期、モネから展示が始まってドランまで、間にフランドルや北欧への影響まで見渡せる展示。新印象派の中ではやっぱりスーラの手法はやっぱり異色なんだな~というのはなんとなくわかりましたconfident。彼の真性の後継者はいなかったという。「グランドジャッド島の日曜日」そのものはなかったけど、小さな下絵とでもいうべきクロクトンが数点来ていて、もうそれそのものが実験的手法のひとつの完成品ですねclub


で、すごく興味深かったのはスーラとシニャックのパレットartが展示されていたこと。カラーチャートのようにそれぞれ原色と白との混色がキチキチッdiamondと整列してるのcoldsweats02。腱鞘炎になりそうな点描という手法を取ってることといい、このパレットといい、ゼッタイ血液型Aだワッsign01あ、血液型占いって日本でしか流行ってないんだっけcoldsweats01


それともうひとつすごくオモシロかったのが、彼ら新印象派の画家たちのバックグラウンドとなった色彩理論の書籍など文献の展示book。もちろんわたくしフレンチ読めないケドsweat01。なかでも新印象派の画家は全員読んだ(sign02)と言われている「色彩の同時対照の法則」を書いた科学者・ミシェル=ウジェーヌ・シュヴルールが、王立ゴブラン織工場長に就任したのをきっかけに色彩の研究を始めたというのがものすごく腑に落ちたのよねーpass。情景を無数の糸で織り成すのは、点描に近いものがあるもんね。新印象派のタピスリーってのはないのかしら?あるんなら見てみたいワーnote


印象派の絵画は、自然のキラキラした光shineを余すところなく描き出したいという画家の熱望thunderが、原色を点々にして散りばめるっていう手法に行き着いたものだ、っつーのは理解できるけども、それを肖像画にまで用いるのはやっぱりギモンなのよねーwobbly。レイセルベルグなんか美しい女性boutiqueを点描で描いてるんだけど、そんなのを観れば観るほど「点描にする必要あんの~gawk?」って思っちゃう。時代が下るにつれ肝心の顔の部分はフツーに描いてたりするところ、あるいは、ほんとに近しい人を描くときだけ点描を用いたなんて文章を読むと、やっぱりパンピーには全然理解されてなかったんぢゃないの~typhoon?ってカンジがして、ま、いろいろやってみたいキモチはわかるけど、ちょっとヤリすぎよねーcoldsweats01


それと、ちょっとビックリしたのは、新印象派でもヒジョーに社会派的なテーマを扱った作品もあったということ。フランスの画家、マクシミリアン・リュスの絵には機械化されていく人間たちの情景を、重いけれど美しさをも感じさせる画風で描いている。印象派って、アホみたいに明るい戸外の風景を描いてばかりいたわけじゃなかったのねーcoldsweats01。このあたりでちょっと思ったのは、年表に社会的情勢も付け加えてほしかったってことですねflair。新印象派はどうやらアナキズムとの関わりもあるようだし、特にフランス人って理屈っぽいしsmile。彼らより前の世代に属すドラクロアたちを描いた平野啓一郎氏著「葬送」を読んでると、芸術は社会の動きとは切っても切り離せない関係onにあるんだってことに気づかされる。ミュシャを観たときも晩年の作品には強烈な印象thunderが残ったし。この展覧会の監修者はフランス人なので、そのあたり日本人がどれほど理解しているのかわからなかったのではないか、って気がする。ってゆーか、フランスの鑑賞者にとってはそーゆー背景はチョー当たり前なことなのかなーthink。言うまでもないってゆーbearing



2014112411530000ま、そーゆーこともありつつ、これまでの印象派展にありがちな(ってか、わたくしあんまりキョーミないのでほとんど観てないんだけどサsweat02)、ポピュラーな表面ばかりの展示ではなく、ちゃんと美術史の流れが理解できるようになってたのはサスガでしたfuji。スーラ的点々が、人によってはひとつの点がながーくなったり、デカくなったりして(ってゆーか、だんだんメンドくさくなったんだわよ、ゼッタイsign01)だんだんモザイク状になっていって、フォーヴィズムが出現するっていう必然性がね。


あ、友人Mちゃんの手による展示パネルもナイス~~sun。詩的なドラマが感じられました~happy01

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