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2014/12/18

「蒼穹の昴」1~4巻

いや、さすが浅田次郎さん、文庫本全4巻一気読みdash


大スキheart04な浅田本book、これまたとりあえず買っておいて本棚に積読だったのを、「三國志」の勢いを借りて取り出しました。始めのうちは、宮城版「三國志」の重厚な文体に比べて、あまりなカルさにアレッ~coldsweats02sign02ってカンジで、中国史はこんなにカルく語っちゃダメngなんぢゃないの~?なんて思っちゃったけど、これが“浅田節”だったのよね~~happy02


登場人物のひとり、梁文秀を通して科挙制度の実際を描き、李春雲(春児)を通して宦官の有り様を描く。もう頭の中に映像が浮かぶほどの描写力なのですよーpunchimpact


西太后は、近年の研究により、その残酷性はほとんど捏造emptyだったことがわかってきているので、この物語での彼女の描かれ方は納得のいくものだったけど、乾隆帝とのココロの中の会話とか側近たちとの内輪のしゃべりは若干カル過ぎcoldsweats01


これまで読んだ中国が舞台の歴史小説ではどれも「天命」っていうのがものすごく重要なキーワードkeyになっていて、中国では「天命」のあるなしが人間の一生を決める、っていうDNAレベルで刷り込まれた考えがあるのね~confidentってなことを了解しつつ本作を読むと、春児の生き方がググッimpactと胸に迫ってくるのよね。物語の終盤で、春児を占った太白白が「春児には天命はなかった」と文秀に吐露したシーンでわたくし、号泣crying。一方春児も、自分に天命がないことを察していながらこの占いによって「蒼穹の昴」を目指して宦官になった。「天命」なき人生を、己の、文字通り血を吐くような努力…なんて簡単なコトバでは到底言い表しえない決意と行動で、切り開いてゆくdoor


ただ、残念なのは、少年時代は若ボンpenguinとしてとってもやんちゃdenimですごく魅力的shineだった文秀や、極貧生活の中でも懸命に生きる春児が、表と奥の世界でそれぞれ中枢を担うようになるあたりから、なんだか急にお行儀がよくなってdramaツマンなくなっちゃったコト。もう春児なんかほとんど品行方正なクリスチャンwobbly。まぁ確かに、そう描くことで、義兄弟の契りを結んだ2人が政治的に対立thunderする立場になり、ニッチモサッチも行かなくなった時に、思わず子供の頃に戻ってあふれ出す激情シーンimpactはものすごく効果的なんだけどねーthink。最後の最後に描写される春児と妹の玲玲(りんりん)のワンシーンは浅田さんらしい構成で、あざとさ満載catface。こーゆーとこ、わたくし大スキなんだけどね~smile


わたくし、高校時代に世界史を履修してたので、サラッと過ぎた近現代の中国史は細かいところは憶えてなかったけど、李鴻章や袁世凱という名前には記憶があって、この物語によってそんな歴史上の人物に血肉を与えてもらい、流れがよく分かったワflair。そこからまた史実の書籍に戻ればより理解は深まるってなモンですgood



しかしこの「蒼穹の昴」、史実に架空の人物をうまく配して、実際にひとりの人間が生き得えた可能性を描いているとは思うんだけど、所詮大きな流れを変えることはできないので、なんとも不完全燃焼~bearing。文秀も春児も社会的な高位は得たけれど、精神的な充足を得ることができたとはとても言えない状態で終了end。ま、仕方ないか…。



NHKのドラマmovieもあったようなので、今度レンタルしてみよーっとhappy01

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