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2015/01/06

「三國志 第七巻」

宮城谷昌光氏著book。シリーズ半分来ました~happy01。これまで「演義」的内容しか知らなかったわたくし、いろんな発見flairがあってビックリすることがいっぱいなのよねーnote


で、この巻では、“義の人・関羽”のイメージもブッ壊れましたthunder。『かれは理想を口にしたことはないが、むしろ劉備よりも強烈に正義にあこがれてきたといえるかもしれない。』関羽は、腐り切った今の王朝は正しい姿からはほど遠く、真の改革をできるのは、漢の末裔であるという劉備だけだと信じて付き従ってきた。だけど諸葛亮と出会って、彼に操られるようになって実利を求めるようになった劉備にどうやら失望し始めちゃったようだとwobbly。『しばらくは劉備の傘下にいるものの、やがて劉備からも離れ、たれにも属さない国を建ててやる、というのが関羽の志望であったとおもわれる。』ソーだったのか…coldsweats02。なんかちょっぴりザンネンweep


それからまたおおッcoldsweats02sign03って思ったのは趙雲サン。男気と武力だけのヒト(いや、これだけでもリッパなんだけど)だと思ってたけど、実はアタマも良かったshineっていう、どこまでカッケーんだ、な男heart04。赤壁の戦いの後、ドサクサ紛れにゲットした荊州4郡を取り返そうとする周瑜と戦うゾーangrypunchsign01となった時、その兵力の差を不安に思った糜竺が趙雲に相談すると、『主は戦うでしょう。しかし、周瑜は主と戦わぬでしょう。孔明どのは、それを見越しています」』と趙雲は言う。曹操VS孫権という図式の中で更に劉備と戦うのは得策ではない、というコトね。『糜竺は趙雲の思慮深さに感心し、会釈して、歩き去った。』この時、諸葛亮をよく思ってない義弟たちはただ単に「周瑜をブッ潰せッsign01」って言ってるだけなのね。そして、なんつってものこの巻での趙雲さんの真骨頂fujiは、孫夫人に連れ去られようとする劉禅(阿斗ちゃん)を救出するシーンlovely。阿斗ちゃん救出2度目scissorsですね。『この諸葛亮のもとに、顔色を失った趙雲が凶報を告げにきた。「孫夫人が消えてしまった。御子も、ゆくえがわからない」諸葛亮がうろたえた趙雲をみたのは、これが最初で最後である。』『孫夫人から劉禅を渡された孫権は、どうするであろうか。眉をひそめて、妹を叱ったあと、送りかえすであろう。そうしない場合は、使者を発して、「嗣子をあずかった」と、なかば脅迫するであろうが、この脅迫は効果がない。なぜならしばしば妻子を棄ててきた劉備は、ここでも劉禅を棄てるからである。わが子を拉致されて狼狽する劉備ではない。むしろ劉禅に愛着をもっているのは、長阪において敵軍のなかから劉禅を救出した趙雲であろう。』主の大切な跡継ぎを大事に思う趙雲サン、ステキheart02。呉へ向かう何艘もの船を捜索するも見つからず、厚かましくシラを切り続ける孫夫人をじっくり観察してeye、やっとのことで箱の中に閉じ込められてた劉禅を発見flair。『子龍…」「太子…」趙雲は涙が出そうになった。もしも劉禅が呉へ運ばれれば、かならず劉備に棄てられ、父に再会することはできなくなる。劉禅にもそれがわかっていたようで、二度も自分を救ってくれた趙雲をまるで兄を視るような目で視た。』くぅぅぅ~、泣けるぅぅ~crying。趙雲サンにとって、阿斗ちゃんはもはや主の跡継ぎだけの存在ではなかったのかもねーchick


で、この孫夫人と劉備の関係もオモシロいのよねーcatface。「演義」ではふたりの間には愛があったってカンジで描かれてるけど、ここではもーぶちゃけワヤtyphoonsmile。初めてふたりが会うシーン。『左右に武器を立てた孫権の妹は男装をしており、諸兄をのぞけば、はじめてこの宮室にはいった劉備に冷眼をむけた。その刺すような冷たさをまっすぐにうけた劉備は、 わたしと決闘をするわけではあるまい。と、やりきれなさをおぼえた。孫権の妹は美貌の持ち主である。ところが険悪なふんいきのせいで、せっかくの美しさが劉備の胸にしみてこない。孫家に生まれ育った男女は、みな容姿にすぐれている。兄たちの美形に慣れている妹は、劉備を一瞥して、 これでも人か。と、怪しむあまり失神しそうになった。劉備はたんなる客ではない。これから夫になる人である。醜悪さのかたまりのようにみえる劉備には、死んでも、自分のからだに触れさせたくはない。妹はそういう嫌悪感をみなぎらせたまま、一言も発しなかった。』スゴすぎーッhappy02sign01劉備はこのフンイキを察して、妹もヤだし、こんなオンナを押し付けた孫権も嫌いになる。もともと孫権のことは虫が好かなかったようだけど。『この地を離れたら、孫権には二度と会いたくない。と、劉備は胸中で絶叫した。』絶叫だよ、絶叫thunder。どんだけ~~smile


さて、これまでほとんど描写されることのなかった張飛がここで突如開眼ッimpactsign01荊州から領地を広げていく過程で、巴郡攻めを行った張飛が、太守である厳顔を捕らえた時、『敗戦の将が毅然としていたのが気にいらないので、首を刎ねたくなったというのもわかりにくく、まもなく死ぬ者に怒ってどうするのか。それに気づいた張飛は、「待て、待て 」と、声を挙げ、いそいで厳顔を縛っている縄を解いて、「ここからどこへゆくのもあなたの随意だが、どうかとどまって、わたしを導いてはくれまいか」と、張飛はめったにみせぬ礼容をしめした。ここで張飛は武将としてのすがすがしさを発揮した。壮胆をもつ厳顔は、かつてない感動をおぼえ、「微力ですが……」と、いい、賓客として張飛に助力することにした。』どーしたのかしら?張飛。ずいぶんオトナになってwink


劉備について、この巻でもいろいろ言及されてますconfident。『曹操とちがって、門閥を顧慮する必要のない貧家に生まれた劉備は、最初からおのれに纏絡する矛盾を避けて、矛盾の総体というべき社会の外にでて無目的の集団を形成した。それが後漢王朝後期の泥土に生まれた者の淳化というものであろう。この小集団は社会の利を吸収する機能をもたず、無益でありつづけたがゆえに、奇蹟的に生きのびた。そう考えれば、劉備は別種の天才である』後に蜀が不安的なまま魏に滅ぼされたことを考えると、なかなか感慨深いものがありますねthink


で、曹操のカワイイ描写もあってhappy01。濡須口で、曹操の陣に軽船で乗り入れてきた孫権を見て、あれは我が軍の隊伍を見に来たのだ、と攻撃するのを止めた曹操。『孫権は五、六里ほどめぐったあと、太鼓や笛を鳴しひびかせて帰還した。その船も武器も隊伍も整然としていたので、曹操はため息をつき、「子をもつのであれば、孫仲謀(孫権のことね)のごとき者が欲しい。かれにくらべると、劉景升の子などは、豚や犬のようなものだ」と、いった。』ぎゃははーhappy02。確かに曹操の息子たちは優秀shineだけど、他人の子供のことをここまで言うことはないわよねーsmile。劉景升とは劉表のことだわね。もひとつ、圧倒的な数の孫権軍と戦って撃退したレジェンドを持つ張遼の戦いぶりに大喜びした曹操。『ところで、自分が指示したこととはいえ、 よくぞ、ためらわず出撃して、十万の兵を去らしたものだ。と、張遼と李典の敢勇にくりかえし感動した曹操は、一年後に合肥に到着したとき、「張遼はどこでどのように戦ったのか」と、問い、張遼が戦った処をめぐり歩いて、しきりに感嘆した。』聖地巡りhorse。カワイすぎるcatface


三国志トリビア。『馬に鐙がとりつけられるようになったのは後漢王朝の後期であるといわれているが、すでに戦国時代の趙の国では、胡服騎射がおこなわれていたのであるから、鐙がなくても馬上で弓矢をつかうことができた。西方の騎兵は弓矢だけでなく、長矛とよばれる長柄の矛を馬上で自在にふるうことができた。』ものすごい筋力だったのねーcoldsweats02。オソロシーshock。もひとつ『礼式用の冠を冕(べん)といい、冠の前後にたらす飾りの玉を旒(りゅう)という。天子は十二旒、諸侯は九旒、上大夫は七旒、下大夫は五旒、というのが古代のきまりである。』へー、あのユラユラした飾りshineをつけた冠を被れるのは天子だけなのかと思ったら、宮廷人は誰でも被れるものだったのねーcrown


この巻で最もわたくし、ハッflairとした部分はこれ。孫権の幕僚だった張紘が先陣に立って突撃しようとした時。『そもそも兵器は凶器であり、戦争は正道に反するものです。」』毎日戦闘の繰り返しみたいな時代にこんなことを言えるって、ホントにスゴい人だと思うんだけど、真理ですよねーdiamondshine。孫権への遺言には『 善に従うは登るが如く、悪に従うは崩れるが如し。』という引用文があったそうな。こんな側近がいた孫権は幸せ者だわーcute


というわけで、シリーズの半ばの今巻で、劉備が“漢中王”を自称し、曹操が魏王として悩みに悩んだ末に曹丕を太子に立てました。わー、なんかもう英雄たちが退場するのも近いんですけどー。サビシーweep。しかしッangrysign01次々行きますッsoonsign01

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