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2015/04/14

「三國志 第九巻」

宮城谷昌光氏著、いよいよ諸葛孔明が大活躍~up


…と思ったら、まー、孔明もボッコボコpunchimpactにヤラレちゃってるぅぅぅーッbearingdownsign01はっきし言って、現場での軍事指揮官としては全ッ然ポンコツだったと…sweat02。まぁとにかく鈍クサいsnail。情報の取り方もヌカってるわ、人材の登用もズレてるわ、決断は遅いわ、間違ってるわ…typhoon。シンジラレナーイ(古ッsweat01sign01)。「泣いて馬謖を斬る」は、孔明の苦しい胸の内を察する、的なニュアンスがあるけど、宮城谷さんはあくまでもキビしい。『綱紀のゆるみを嫌ったのは曹操もおなじであるが、非凡な才能であるとみぬけば、その者に情容赦のない法をこすりつけるようなことをしなかった。が、諸葛亮は人よりも法が重要であり、その点、かれは曹操よりも融通がない。多くの兵士を殺したとはいえ馬謖には汚名をすすぐ機会を与えてやるべきではなかったか。もしも魏と再戦させても、とても勝利をつかみえない愚将であるとみきわめたがゆえに刑戮したというのであれば、ここまでの親交は何であったのだろう。幾度も馬謖と語り合ったにちがいないのに、その才能の低劣さに気づかなかったということが不可解である。』うーむ、全くそのとーりだわーthink。なので、この戦いの前に、自分を先鋒に、と作戦まで提案したにも関わらず却下された魏延の、後の行動も理解できちゃったりするのよねー。蜀サイドから見ると謀反人になっちゃう魏延だけど、こんな戦知らずな指揮官にゃ付いてけねーよannoy、と。


でもそこは公正な宮城谷さん、孔明のよさもよく理解されていて、軍事についてはヘナチョコだったけども、行政官としては公平性を発揮した優秀なヒトだった。通説が孔明を必要以上に持ち上げていることを指して、『孟達を叛かせるために用いた手段の陋劣さ、魏延の意見を却下したことなど、すでに諸葛亮が軍事においては非凡ではないことはあきらかであるのに、そこを枉(ま)げると、諸葛亮を愛することも理解することもできないであろう。』下げてdown、上げるup。あぁ、なんと広くて深い愛ッsmileheart02sign01そして極めつき。『とにかく孫権は諸葛亮を「信と誠の人」であると観た。この観視は正確であり、諸葛亮という人は、それがすべてであるといってよい。


宮城谷さんの独特の目線は、演義では大盛り上がりの「赤壁」にも及んでます。曹操亡き後の魏に対し姦計を用いて攻める孫権サイドをぶっすりthunder。『卑劣な手段でも敵国の軍に勝てばよいとする孫権の思想は、呉という国の限界を示しているといえる。その思想のなかでは、道義が育ちようもなく、つねに敵の裏をかくことが良いという習性が生じ、けっして大計は生まれない。孫権が王者になりたいのであれば、敵将を騙して大勝利したことを、むしろ悲しみ、今後の戒めとすべきであった。赤壁の戦いで、黄蓋が曹操をあざむいて大勝をみちびいたことが、軍事的な悪癖になったといえなくない。』はぁ~、そーゆー観方もあるわけねーthink。戦いなんて相手の裏をかいてナンボ、だと思ってたけど、そーいえば、この頃の戦争って、ドラマtvなんかを見てると敵陣の使者は殺さないとか、一定の決まりがあるようで、卑怯であってはならないようなのよね、不思議~coldsweats02。戦争bombなのに。でもそーいわれてみれば、曹操の戦いには、卑怯なテはなかったかもspade


それにしても印象的なのは、宮城谷さんの、趙雲将軍への愛のパネさheart02。趙雲さんの登場シーンはそんなにないのに、描けば必ずめちゃ熱いのよ。この巻で趙雲さん、お亡くなりになってしまうんだけど、街亭の戦いで敗戦の後拒をするシーンも、もー趙雲さんへの愛でじゃぶじゃぶwave。劉備を守るためだけに必死に戦ってきた趙雲。長いけど引用しちゃうhappy02。『が、すでに劉備はいない。それはわかっていることではあったが、戦場に立ってみて、背後に空虚を感じた。あの世で、劉備は関羽、張飛などと酒を酌み交わして談笑しているのではないか。そう想うと、この戦いに意義をみつけにくくなった。 ここで死んでもかまわない。そう意(おも)ったとき、胸中のなかの劉備の貌がけわしくなったような気がした。』そして『無官ではあっても劉備に付き従って東奔西走していたころのほうが、天空は明るく、空気は熱かった。曹操が右へ行けば、劉備は左へ行った。それが痛快であった。その種の喜びは、劉備が皇帝の位に即いてからは、とぼしくなった。 志を果たしたとは、こういうことなのか。ときどき趙雲は関羽を想いだしては、そう問うてみた。そのつど関羽は、いや…、と答えて口をつぐんでしまう。戦いつづけて斃れた関羽はみごとであり、 それ以上、望むことがあろうか。と、趙雲は羨まざるをえない。志を果たしたのは関羽であり、劉備ではないかもしれない。では、われに志はあったのか。趙雲はおのれをふりかえって目頭が熱くなった。劉備にめぐりあったとき、「子龍はひときわ高い峰のようだ」といわれた。その声が天の声であるかのようにきこえた。劉備は天の声をつたえてくれた人であり、この人に従ってゆけば、天意にそむくことはないと信じた。それは志とはちがうが、そこにあった純粋な信憑は失わないできたつもりである。 われは人に仰ぎみられる高い峰になれたか。そのようなことを考えたことはなかったが、この戦いでは、袁紹のもとに逃げてきた劉備が、ぞんがい泰然自若としていたことがなぜかはっきりと憶いだされる。劉備は苦境に強かった。あれほど長い不遇を、あれほど悠々と生きた人はめずらしいであろう。ようやく趙雲の目に微笑が浮かんだ。』『魏兵はじりじりと趙雲に近づいた。路面が見えぬほど魏兵は多い。が、だれも喊(さけ)ばなかった。趙雲から感じる威とすでに戦っており、多数であることを心頼みにして前進した。 なにゆえこのように静かなのか。魏兵だけではなく、趙雲の背後にいる蜀兵も奇異の感に打たれた。天地が呼吸を忘れたような静寂がここにはあるのに、兵だけは肩で息をしている。先頭にならんだ魏兵は戟の先をそろえて趙雲にむけ、自身の荒い呼吸に耐えがたくなったように、獣のような声を放っていっせいに突進した。わずかに趙雲の馬が前脚をあげた。そのせいであろうか、趙雲が巨きくみえた。直後に、魏兵の目には、趙雲がゆらゆらと立つ陽炎のように映り、戟の先に迷いが生じた。』なんと素晴らしい描写ッshineshinesign03こんなにも趙雲さんに慕われた劉備、やっぱタダモンではないsign02


そしてこの巻で、もひとつわたくしお気に入りheart04の場面がありまして。それは孫権と家臣である張昭の、コドモの喧嘩impactみたいなやりとり。長老の張昭は自分の進言がことごとく孫権に容れられないのにハラを立てannoy、病気と称して顔を見せなくなる。で、孫権が何度も何度も来るように言うんだけど、全然来ないので、孫権は自ら張昭の家まで迎えに来るのね。それでもゼッタイに家を出ようとしない張昭に、今度は孫権がハラを立てて、門を土で表から塞いじゃうの。コドモchick。で、それを知った張昭も門の内側に土壁を築いちゃう。コドモchick。それを知った孫権が、こりゃヤベーっsweat01て思って外から大声で「ごめーん。」って言うんだけど、張昭シカト。つひに孫権は激怒して門に火を放って焼いちゃう。焼け落ちた門の内側に土壁が現れ『それをしばらく凝視していた孫権は、ゆるやかに首をふって、馬車に戻った。御者はさびしげな孫権の貌にむかって、「おだししますか」と、問うた。しばらく黙っていた孫権は、「いや、このままでよい」と、つぶやくようにいったあと、張昭の家をながめつづけた。』なーんか、このシーン、すごーくいいのよねーhappy01。この後、心配した張昭の息子たちがオヤジを抱えて孫権の馬車に乗せ、陳謝した孫権に心を感じた張昭が「ご心配おかけしました」と言ってとりあえず仲直りspa。幼い頃に父親を亡くした孫権を諌め続けてきた張昭。肉親のように愛憎が交錯するなんともカワイらしい場面cute。まぁ、実際には気位の高い張昭は、死ぬまで心の底では孫権を許してなかったようだけどsmile


というわけで、第1期ヒーローhorseたちがほとんどいなくなってしまった宮城谷版。ちょっとわたくしのモチベーションが下落傾向downですが、続き、いきますかーdash

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