« 2015年6月 | トップページ | 2015年8月 »

2015年7月

2015/07/27

「クリーピー」

なーんか久しぶりに、ミステリーで知的な文章を読んだ気がするワsmile。比較文学、アメリカ文学を専門とする法政大学国際文化学部教授school、前川裕氏著book。第15回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作crown


これが小説家としてはデビュー作budだそうなんだけど、さすが現役の学者さん、文章ウマいnote。ストーリー的にはそんなに目新しいカンジはしないけど、ちょっと洋モノの香りもあって、わたくしかなり気に入りましたgood。なんつーか、文章の流れに想像力を掻き立てられるカンジ?これからの展開をモヤモヤッcloudと感じさせるフンイキ満載happy01。このモヤモヤッcloudってのが大事なのよねーsmile。なんか来る…sweat01、なんか来る…sweat01sweat01、ってカンジが。心情の描写もヒジョーに理知的diamond


結末はどっちかってーと、社会的および倫理的には問題はあるかも知れないけどwobbly、心情的にはこれでOKoksign01なのでオトナなテイストwine。これもヨシshine


ただ、想像力を掻き立てる文章だけに、勝手にこちらが伏線かと受け取っちゃう部分も結構あって、最後に、アレ、違ったのか…sweat02、なんてのもあって、全てがキレイに収束してるわけでもないのがちょっとザンネンdown。あと、主人公の大学教授も、犯罪心理学者のくせに現場ではちょっと考えが足りない。もっとフィールドワークすべし、だわねsmile


でも、この作風はスキなので、他の著作も読んでみマスhappy01

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015/07/20

バロック音楽の真髄を聴く 小林道夫・桐山建志 J.S.バッハの夕べ

Img410なーんか、思いがけずイイものdiamondshineを聴かせていただけました~happy01話題の、六花亭札幌本店内の室内楽専用ホール「ふきのとうホール」のオープニングコンサートnotesのひとつ、聴きに行って参りました~shoe。7月17日、オープニングフェスティバル vol.12。


選ばれていたのは、ほとんどが長調の曲たちで、オープニングとして祝祭fujiの気分が盛り上がるプログラムでしたup。1曲目「半音階的幻想曲とフーガ 二短調 BWV903」は、美術工芸品のように華麗な装飾shineが施されたチェンバロから紡ぎ出される、小林さんの可憐で流麗な音色に、“デモーニッシュ”ニ短調もカワイらしくさえありましたcute。後半「イタリア協奏曲 へ長趙BWV971」では、一音一音噛んで含めるように鍵盤に指を置き、縦の重なりと横への流れを明確に意識させられるflair演奏で、バッハの曲はこーゆーふうに聴くんだよ、と知らしめてくれるようconfident。この日はわたくし、特に左手の旋律を意識的に聴いてまして、そうすると、ますますバッハの曲ってスゲー…coldsweats02coldsweats02diamondshineと、実感crown


で、「思いがけずイイものdiamondshine」とシツレイながら思っちゃったのはcoldsweats01、ヴァイオリンの桐山建志さんなのでしたfuji。前半のソナタでは、「ムム?ヘタウマなカンジ?(ほんとーにすいませんsweat01sign01)」ってボヤ~っと思っっちゃったんだけど、後半1曲目の「無伴奏ヴァイオリンパルティータ 第2番 二単調より シャコンヌ BWV1004」を聴いている途中から「ムムムッsign02こいつぁータダモンぢゃぁねぇなッsign02(ほんとにほんとにすいませんッsweat01sweat01sign01)」ってなって、それからはもー、最後までウットリ…heart04。よく聴く「シャコンヌ」とはひと味違う「シャコンヌ」。スバラシかったです~~shine。見た目も最初はなんだかジミだワ~~cloud、なんて思ってたのが、途中からは「プリンス・ヒロノミヤ」みたいーッsign03だしsmile。古楽の演奏家としては確固たる地位crownを築いていらっしゃる先生だったのですねーcoldsweats01。弱音ではソワっとしたカンジの素朴な音clover、強音部では力強いツヤやかな音ringshine、「シャコンヌ」での鮮やかな音色の相違にわたくし、持ってかれました。そして何と言っても、複雑に絡み合う音の洪水waveの中から、シャッキリthunderと立ち上がる主旋律。その立ち上げ方が、ちょっと普通とは違う感じがするのよね~catface。これが古楽演奏というものか。アンコール最後の「G線上のアリア」も聴き慣れた曲だけに、その演奏のユニークさが際立つのconfident。しかもとってもノーブル。ため息モンでしたワ~~confidentdash


というわけで、演奏会、楽しませていただきましたが、ホールも響きが豊かで良かったですねーgood。こだわりの、木のぬくもり、充分感じましたspa


で、六花亭さんの、待望の札幌本店ビルオープンってことで、観客層が結構独特smile。市内のお店さんがらみかなーーってカンジの挨拶が、いたるところで起こってましたね。しかし、わたくしが言うのもナンですがcoldsweats01、さすがにクラシック演奏会で(しかも杮落としnewなのにッsign01)オッサンの、Tシャツに短パンはねーだろー、と思うんですが…sweat02。でもその割に、みなさんすごく熱心に聴いてらっしゃいましたup


あと気になったのは、220席ほどの小ホールだけど、ビルの5~6階にあって、輸送は小さなエレベーターが2基。時間に余裕を持って来た方がよさそう。もしくは足腰をキタエるためにひたすら階段を上りupdown下りすべしsign01デスbearing

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015/07/15

「極卵」

ふうむ。なにかしら、この緊迫感のなさは…gawk。仙川環氏の長編book


有名自然食品店で売り出された卵は、極上の味がキャッチフレーズの高級商品『極卵』。安全、安心だったはずなのに、猛毒による食中毒事件が発生する。時間 が経つうちに感染者が急増し、次々に死亡。過激化した消費者団体は業者を糾弾し、大手マスメディアは過熱報道を増していく。しかし取材を始めた元新聞記者 の瀬島桐子の前に、隠蔽された驚くべき真実が浮かび上がってきた…。医療ミステリーの第一人者が現実の先を描ききった渾身の書き下ろし小説。』ってのが、内容(Amazonより)。


仙川さんの名前は知ってたけど、初読。構図は至って単純だし、“隠蔽された驚くべき真実”なるものもあり得べき想定の範囲内だしdash。文章も平板だしdown。盛り上がりも突出したものもないしdown。どーしたらいーの?ってカンジweep篠田節子さんとどうしても比べてしまうんだけど、やっぱ文章力のモンダイなのかしら~bearing


ほとんど時間のムダでしたng

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015/07/11

札幌交響楽団 第579回 定期演奏会

Img408いや~、札響の定演でこんなスゴい曲impactが聴けちゃうとは思ってもみませんでしたヨ~happy02。感激です~~heart04。マエストロ・ポンマーshineの、首席指揮者就任記念演奏会の昨晩night、行って参りましたーshoe


メンデルスゾーン「交響曲第2番 変ロ長調 op.52「讃歌」」。たぶん、バリッバリthunderの宗教曲ではないんでしょーが、っていうか、マエストロがおっしゃているように『この曲は(活版印刷を発明した)グーテンベルクの生誕400年記念にメンデルスゾーンが依頼を受けて作曲しました。第2部の合唱の歌詞は聖書から引用されているのですが、暗闇にさまよいながらやがて光に照らされるという内容は、書物が行き渡らなかった時代から、活版印刷の登場で誰でも知識が得られるようになった喜びを描いたのだと思います。メロディーも素晴らしく、とてもドラマチックな曲です。』(7月9日北海道新聞夕刊)。ということで、本来の趣旨から離れて宗教曲として聴いても、ホントにキャッチーcoldsweats01で、クリスチャンじゃなくても感動できましたーーbell


で、この「讃歌」、札響では全くの初演budだそうですけど、スバラシかったんぢゃないでしょうかshine。マエストロ・ポンマーのお導きにより、正統派の演奏を聴かせていただけたんだと思いますdiamond。わたくし、アダージョ部分ではホントーに泣いちゃいましてweepあまりにも美しくて、優しくてやさしくてconfident。わたくしゴトながら、この7月から仕事環境が変わって、ちょっと精神的に激務bombになってしまい弱っていたところdownにこのアダージョ、もーマジ、ヤラレたcryingheart02。とりわけオーボエの金子さんの響きnote、もはやわたくしにとっては神の域でしたshineshine。これ、ゼッタイ、“ポンマージックbellよね~~smile。ソリストでは、テノールの櫻田亮さん、こんなスゴいヒトが北海道出身者にいらしたとはッcoldsweats02sign01「暗闇newmoon」で「光shine」を希求する部分担当のテノール、胸が締め付けられましたbearing。これが“”の表現力punchってもんですよねーhappy02。ドイツ語の発音もとっても聞きやすかったしgood。そしてソプラノ、メインの安藤赴美子さん。ものすごい強靭な声diamondで、「光」が差してくる部分ではピッタシflair。なので、針生美智子さんとのデュエットではちょっとバランス悪かったかもdespair?わたくし個人的には針生さんの声質が好きheart04なので、登場シーンが少なかったのは残念でしたけどweep、まぁ、楽曲の性格からすると致し方ないかな、という気もします。で、このソリストたちを支え、さらに曲を盛り上げるup札響合唱団。一箇所、ソプラノが突出してマエストロに抑えられた瞬間がありましたけど、女声陣はかなりイイ感じでしたhappy01。一方男声陣ちょっとテノール部隊が弱いかな~~wink。終曲の合唱の出だし、もっとガッimpactsign01と来て欲しかった。でも「歌」の「讃歌」、ビッシビシimpact伝わってきましたよーgood。それにしても、Kitaraのパイプオルガンも動員してのフルスペック演奏full、合唱団さんも含め、準備に相当時間をかけられたでしょう。お疲れさまでした~spa。わたくしにとっては、個人的にも「光」shineが射してくる予感をいただけた演奏でしたconfident


プログラム前半は、シューマン「交響曲第4番 二短調 op.120」。こちらもわたくし聴いたことない曲でしたけど、すっごくシューマンらしい繊細な曲cuteで、大きな音の流れと細かい音の動きが絡み合うところ、めちゃ気に入りましたheart02。過度に感情に流れない演奏も硬質diamondshineでステキup


初めて聴いた時からわたくし、マエストロ・ポンマーの音楽notesには感動させられたけど、こうやって改めて聴いてみると、やっぱりその人間的な深みというか、慈愛というか、そういうなにか“巨大な包容力”を感じますねぇwave。わたくしもそんなお年寄りになりたいものだワ。って、そりゃ僭越すぎだわねcoldsweats01。スンマセンbleah。カーテンコールでは全然拍手が鳴り止まず、おみ足が悪そうなのにsad何度も何度も出て来てくださり、カワイイ仕草でそれに応えちゃうchick。ったく、マエストロ・エリシュカといい、札響のおじぃちゃん指揮者さんたちはなんてみんなラブリーcherryなのーッsign02これも芸術家として、そして人間としての懐の広さ&深さfujiの表れなんだわよね~~confidentheart02


夕べはわたくし、ホントにゲロゲロshockに疲れてたけど、聴きに行ってよかった~~upup。メンタル・リカバリーrecycleできました~~。ありがとうございました~happy01happy01

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015/07/06

「となり町戦争」

三崎亜記氏の、2004年小説すばる新人賞受賞作bookものすごくひさしぶりに読んだ三崎氏の小説は、やっぱり相変わらずなんだか隔靴搔痒なカンジdespair


テーマはすっごく面白いんだけどね~。『ある日、突然に始まった隣接する町同士の戦争。公共事業として戦争が遂行され、見えない死者は増え続ける。現代の戦争の狂気を描く傑作』。(Amazon内容紹介より)。「傑作」っていうのは、言いすぎだしsweat02


ただわたくしは、今この時も地球上のどこかで起こっている戦争impactについての、わたくしたち自身の感覚のアナロジーと読んだワ。これが意外とバシッthundersign01とハマるのよね。どっか中東での戦争bomb。わたくしたちの見えないところで確実に死者が増えていて、自分には全く関係ないと思ってるけど、回りまわってその戦争に実は加担しているという…bearing。わたくしが買ったモノを作っているメーカーが武器関係の仕事もしていて、その技術や部品がアメリカを通してその中東の戦場で活用されている、ってコトは充分に有り得るわけでthink


だったら、それを敢えて自覚しようというのが、文庫版だけの書き下ろし短編に出てくる語り手の上司。これもひとつの覚悟なのよねspade


しかし、隔靴搔痒なカンジcloudなのに妙に説明的なところもあるのが“新人賞”の所以かしらsmile

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015/07/01

歌川国芳展(後編)

Img404_2歌川国芳って、ホントにオモシロいヒトだったのねーcatface、ってのがわかる展覧会event。先々月観た「こんぴら展」に触発されて、先月28日まで札幌芸術の森美術館で開催されていた後期、行って参りましたcar


一番驚いたcoldsweats02のは、特別出展されていた展示品。札幌でこれだけの回顧展が開かれるなら、ということで個人蔵の作品を寄せてくれたものだそうですが、そのうちのひとつ、「唐土廿四孝」は、まさしくアールヌーボー期のリトグラフのような趣。浮世絵がヨーロッパの印象派なんかに影響を与え、ジャポニズムの嵐typhoonが吹き荒れたのは知ってたけど、その逆、しかも江戸期に西洋絵画や版画の手法が浮世絵に取り入れられていたというのは、初めて知りましたcoldsweats02。っていうか、好奇心旺盛な国芳だからこそ、なのかも知れませんが。他の浮世絵師をほとんど知らないもんでsweat02。、「唐土廿四孝」の説明パネルには「中国画題ながらも、異国趣味の一環として西洋画法をここで巧みに応用している」とあって、やっぱそーゆーことなのねーとconfident。1枚の版画の中に浮世絵の手法と西洋絵画の手法とが同居した作品もあって、なーんか不思議なテイストなのよねーcatface。面白いなぁ~~tulip


Img406Img405もうひとつの特別出品「木曽街道六十九次の内」では、画面左上の小窓が気になってeye、つい監視員さんに尋ねてしまったところ、担当の学芸員さんがやってきて丁寧にご説明してくれましたpencil。ありがとうございますーhappy01heart02。メインの画面は、木曽街道の宿場の名にちなんだもの、で、左上の小窓は実際の宿場風景、そして小窓の形自体もそれらにちなんだもの、ってゆー、二重三重の意味をかけたシャレなんですねーhappy02。ちょっとした謎解きですkey。この頃の風俗なんかを知ってると2倍にも3倍にも楽しめる画面なんでしょうが、いかんせん、世知辛い現代人のわたくしには理解できないぃ~bearing。当時の江戸人たちはコレを見れば一発impactでわかったんでしょーから、ほんっとにシャレてるってゆーか、ヨユーがあるってゆーか、なんかオトナだわよねーwine


Nec_0001「源頼光公舘土蜘蛛作妖怪図」は、水野忠邦による“贅沢禁止令”で、楽しいことを悉く禁止された江戸っ子の、反骨精神と諧謔性が溢れ出た作品smile。これ、昔NHKの「BS歴史館」で「妖怪」をテーマにした回で確か紹介されてたやつだワflair。パネルでも一部謎解きがされてましたが、コレ、全部わかると相当オモシロそーcatface。あと展示でおうっsign01と思ったのは、このコーナーで、不気味な大蜘蛛を更にでっかくしたオブジェが壁にべたっと貼り付いててshock、これ、蜘蛛嫌いなヒトは近づけなかったかもね~smile。お上から再三呼び出しを食らって、罰金も払って、それでも作品づくりをやめない国芳と出版社、マジ、イケてるhappy02good


Nec_0003展示会場の最後に、残存している点数が少ないといわれる肉筆の作品も何点かあったけど、やはりデッサン力、画力がナミでないfuji。こんな正統派の技術も持ちながら、シャレ作品、アソビ作品もたくさん生み出してるところがまたカッコイイのよね~~lovely


それにしても、改めてこーやって観てみると、現在のマンガやアニメ、イラストレーションやデザインの分野を先取りするような作品が目白押しで、その才能のキラメキshineにはビックリしますね~happy02。特に「布引ノ瀧悪源太打難波」とか「清盛入道布引滝遊覧 悪源太義平霊打難波次郎」、「源三位頼政鵺退治の図」あたりの劇画風の作品は迫力impactも然ることながら、その造形のクリエイティヴィティにハッflairとさせられますcrown


あ、あとふんどしのおシリがプリプリッcherrysign01ナデナデしたい…papercatface


Img407会期後半は、そんなカンジでカワイイ金魚fishやネコcatはいなかったけど、グッズはネコもの、買っちゃったワ~happy01

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2015年6月 | トップページ | 2015年8月 »