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2015年9月

2015/09/27

「「女子」の誕生」

あー、これもやっぱり読後、ムナシくなる本だったワ…down。甲南女子大学人間科学部准教授、米澤泉氏著book


米澤さんの著書は以前に読んだことがあるんだけど、内容はそこから1歩も出てない印象end。市民権を得た「女子」なるものを、女性ファッション誌の世界に限定したうえで、ご自分の主張を強化している、ってカンジかな。要は、「女子」とはいくつになろーが、立場がどーであろーが、着たい服を着て、したい化粧をする女性のことである、とribbon


女性が、これまでの社会慣習や規範から逃れて、あるいはそれらに抵抗するために、自分の好きな格好ができるようになってきた、ってのはもちろん素晴らしいことだshineと素直に思うけれど、それをこれほどまでにコブシを振り上げてrock青筋立ててthunder、畳み掛けるようにおんなじコトを何度も何度も何度も言うほどのことか、とも思うわけよねsweat02。確かに、若年期における影響力は大きいかも知れないけど、たかだかABCの公表印刷部数多くて数万部のファッション誌に、ひとりの人間が人生ブン回されてるtyphoonとも思えないんだけど、そーゆーもんなのgawk


しかし、せっかくの熱弁にもムナシさを感じるのは、奇しくも後書きや本文に出てくる「小保方さん」の事象に米澤氏の「女子」が象徴されてるような気がするからなのよね。つまり、男性中心の学術社会の中で彗星のごとく現れた「女子」小保方さんは、果たして“本物”だったのか、と。まぁ、“つくりもので何が悪い”ってのが米澤的“女子”本質なのだとすれば、小保方さんはまさに“女子”そのものってことになっちゃうんだけどねsweat02。あくまでも“本物”であることを主張し続けること、そして“まがいもの”と堕した評価、ってのも含めて、“女子”ってやつは…って世間的に思われたってことについて、米澤さんはどう評価されるんでしょう?いや、STAP細胞が本当にあるのなら、この段落はお詫びして撤回させていただきますけどもsmile


もひとつ、著者の矛盾を感じるのは、これほどまでに女性誌の効用を持ち上げておきながら、主婦雑誌『VERY』とその読者に対する視線の冷たさsnow。スゴイですよーcoldsweats02。『「結婚して子供を産んだらいつも幸せそうに見えなきゃいけない」―そんなことは百も承知なのが『VERY』の妻である。そもそも『VERY』な妻に「幸せ」かどうかを問うこと自体が愚問なのである。なぜなら、彼女たちは自覚的に身も心も「幸せ」のコスプレを纏っているのだから。』そして註の中で『アメリカでもハーバード大などの一流大学を出ながらも、大企業や官庁などに就職しない、あるいはそういった「エリート職」を捨てて、主婦になる若い世代が増加傾向にある。会社に使われない新しい生き方を目指す女性たちを、エミリー・マッチャーは『ハウスワイフ2.0』で描いたが、「ストレスのある高報酬より、ほっとできる暮らしをする」「ウェブ、SNSを使いワークシェアを利用する」など『VERY』な主婦と重なる面もなくはない。しかし、果たして『VERY』な主婦が、「ハウスワイフ2.0」のように「会社を選択的に離脱できているのか、自らが生き方を選択できているのかは、甚だ疑問である。』って、突然のものすごい上から目線eyedownwardrightsign01ビックリッimpactsign01いったい何があった、米澤さんッsign02


ってなことで、まー、どーでもいーけど、ファッションによって世の中が良くなるんならイイんぢゃな~い(ナゲヤリ)gawk

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2015/09/22

第26回 札幌フルートフェスティバル

Img417毎回意欲的punchimpactなプログラムで、いつも感服してconfidentしまう札幌フルート協会のフルートフェスティバルnotes、今年も聴きに行って参りました~shoe。本日お昼のKitara大ホールです。


今回の目玉fujiは、特にフルートの伴奏者として著名なピアニスト、石橋尚子さんをソリストに迎えてのコンチェルト。いつも支えてくださっている石橋さんに、今回はフルートオケが伴奏をしてKitara大ホールで花cherryblossomを咲かせていただこう、という趣旨だそうで、めちゃくちゃイイ企画ですよね~~happy02。わたくし、こーゆー思考、すっごくスキ~~good。曲目はモーツァルト「ピアノ協奏曲第26番 戴冠式K.537」。石橋さんの演奏は、まさにわたくしがイメージするモーツァルトの音楽にとっても近いもので、ワクワク&ドキドキしheart02ながら聴かせていただきました。フルートオケの伴奏の方も、石橋さんの音楽をガシッpunchsign01と支えていたと思います。が、普段、大ホールでの「コンチェルトのソリスト、というものを聴きなれている耳earには、やはりちょっと“ソリストとしては物足りなかったと言うべきかも知れませんdespair。いや、それもちょっと違うかなtyphoon。モーツァルトの時代にはコンチェルトがこんな大ホールで演奏されることはなかっただろうし、ピアノも大音量では鳴らなかったし、フツーのオケの時は小さい編成で演奏されるとはいえ、わたくしが現在聴き慣れているモーツァルトの演奏方法が“正しい”とは言い切れないわけだしthink。石橋さんの演奏が、わたくしのモーツァルト音楽のイメージに近かったということは、やはり18世紀のサロンみたいなもっと親密な空間で室内楽的な編成で聴かせていただくのが、わたくしにとってのベスト、ってことなんだろうなぁ~、なんて、いろいろ考えちゃいましたconfident。フツーのオケとフツーのソリストで聴いても特に何も感じない(ばかりか、ド退屈downdown)モーツァルトもいっぱいあることを思えば、今日の演奏は、わたくしにとっては聴き応えのあるものだったと思いますhappy01bell。あ、ついでながら、ソリストの立ち位置に慣れていらっしゃらない風の石橋さん、とってもキュートでした~~catfacecute


そして後半1曲目は、昨年に続いて第2回目の「札幌フルート協会 未来塾」の生徒ちゃんbudたちによる演奏。加藤大輝「6月の風」。ったく、なんて若々しくミズミズしいのかしらッsign01ジェラスィーッbearingsign01って、ジェラッてどーする、わたくしsweat02。勢いありまくりdashのくせにウマいnote。ズルいpout。それにしてもたった2回の基礎講習とフェスティバルのリハ2回だけでこんな演奏ができるとは…。クチあんぐり…coldsweats02。そしてこの中から未来のプロ演奏家shineが育っていくんでしょーねー。頑張ってねー。みんなーhappy02。で、演奏後の拍手の中、指揮の阿部博光先生が塾生にお辞儀させる手つきがあまりに優雅で、それにスナオに応じてペコリと頭を下げる塾生ちゃんたちがカワイくてchick、会場から温かい笑いが起こってましたhappy01


その後はワーグナーの楽劇を3曲。札幌フルート協会のオケはこれまで2度聴いてきたので、その実力は知っているつもりでしたが、「楽劇「トリスタンとイゾルデ」より前奏曲と愛の死」なんつー、聴いてる分にも超難しい曲を破綻なく演奏し切って、雰囲気バッチリでしたね~up


毎回思うんですけど、編曲と指揮の佐々木会長のおチカラ、ほんとにスゴいですよぉ~diamond。どんなにMCkaraokeフリーダムだろーと(協会メンバーさんたち苦笑、だろーと)smile、今日のMCもイロイロ間違ってたけど(あ、モーツァルトの生年も2回間違えてng、3回目は正解でしたーoksign01)、やっぱり佐々木会長、グレイトですッspadeshinesign03札幌フルート協会の一番の宝物crownは、佐々木会長さんぢゃないでしょーかcatface。協会のメンバーさん、会長を労わってあげてくださいね~smile。そして会長にはいつまでもお元気で、札幌フルートフェスティバルを更に盛り上げていっていただきたいと思うものですhappy01

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2015/09/17

「アトロシティ」

やっぱ、知的な文章のミステリーはいいワーhappy01。前回読んで気に入った前川裕さんの2作目book


都会の闇はいまだ濃い。戦慄のクライム・サスペンス!続発する詐欺的な訪問販売に、それとの関連が疑われる押し込み強盗殺人と、生活保護も受けずに餓死したまだ若い母娘の謎。二つの事件の取材を続けていたジャーナリストは、いつしか事件の渦中に巻き込まれていく──。』(Amazonの内容紹介より)という内容。


前作との共通点は、語り手の主人公がビミョーにヘナチョコなことcoldsweats01。これが意外と感情移入しやすくてわたくしはスキhappy01。それと、物語の終息地点で、倫理的にモンダイがありそーngだけど心情的にはOKokってゆーオトナなテイストで終わるところ。ここも個人的にスキup。前作より少し余裕が出てきて、ちょっと軽妙な筆遣いが混じってきたところもナイスですねーgood。事件が解決して、主人公の娘ribbonと、身辺警護してくれた若い刑事spadeとの間が親密になってきたことを描写する語り口、イイですね~happy02


犯罪に関しては天才的な能力を発揮する邪悪な人物との対決シーンthunderは緊迫感があって、そこへと繋がる背景も丁寧に描いてあって盛り上がるup。相変わらず心理描写にも深みがあるしーwave


ただ、餓死した若い母親と娘の事件については犯人が予想できたのと、本筋の凶悪犯罪との関連がちょっとムリヤリっぽい。もうちょっと絡めようがあったように思うんだけどもdespair


2作目でもやっぱり面白かったので他のも読んでみよーっとsoon

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2015/09/12

工藤重典 アニバーサリーフルートコンサート フルートと共に50年

Img413いやー、ほんとに工藤重典さんのフルートは、何度聴いてもハラの底がジワワ~~っとあったかくなるぅ~~sunheart02confident。このとびっきり魅力的な音楽noteは、工藤さんにしか作り出せない唯一無二のものなのよね~~shinediamond。昨晩Kitara小ホールにて、お嬢さんのセシリアさんとの共演で行われたリサイタルnotes。工藤さんの生まれ故郷での父娘公演で、会場もなにやらアットホームspaなフンイキでしたね~happy01


前半はクレメンティ「フルート・ソナタ ト短調」、モーツァルト「ソナタ ヘ長調 K.376」、シューベルト「ソナチネ第1番 ニ長調」と、カワユラシいcute曲が続き、フルートという楽器からイメージされる、まさに鈴をコロコロさせるような流麗な演奏bell。こーゆー一見ヤサシ気な曲をグイッsign01と“聴かせる”のはめちゃくちゃ難しくて、それが出来るかどうかが“持ってる”(古ッsweat02sign01)演奏家かそうじゃないかの違いだと思うわけです。しかも、後の2曲はフルートがオリジナルじゃないのにもかかわらず、最初からそうであるように聴かせる。わたくしなんかほとんど知識がないので、そうだと思って聴いてたもんね~。デヘcoldsweats01


しかし、工藤さんの真骨頂fujiはやっぱり後半のフランスものwine。“五感で感じる”フレンチの曲たち。マジ、スバラシすぎるんデスshinediamondshine。工藤さんの、特に中音部の音色って、もーなんとも言葉にし得ない、果てしなき深みと幅を纏ったものなのですよー。そしてこれまたあり得ないくらいの柔軟性up。ドビュッシー「子供の領分 より「小さな羊飼い」」「前奏曲第1集より「亜麻色の髪の乙女」」「子供の領分 より「ゴリウォークのケイクウォーク」」なんて聴いてると、その最初のフレーズから、クロード・モネartの、たくさんの色彩を抱いて揺らめく、あるいは太陽の光を反射して煌めく水面がぶわわ~~ってわたくしの周りに広がっちゃってhappy02。音楽を聴くと絵画がイメージされ、絵画を観ると音楽が響いてくる。これって真にスバラシいものは、その根底に同じ本質がヒソんでるってことだと思うのよねーconfident。それは音楽や絵画だけに限ったものではなくて、一見何の関係もなさそうな分野の作品に、その同じ本質を感じた時の悦びってなにものにも変えがたいfuji。それが芸術作品に触れることの面白さなのよねー。は、さておき、まったく、あのしょーもない“おやぢギャク王crown”の工藤さんが、なにゆえ、このようなステキ過ぎるshine音楽を奏でる表現者たり得るのかッsign02…と、ここまで考えて、ハタflair、と思い至ったコト…。モーツァルトと一緒ダッimpactsign03天真爛漫ッsunsign03ここにも“同じ本質”があったッflairsmilesign03


で、一度演奏を聴いてみたいな~と思っていたセシリアさんribbon。さすが、ヤリますねーuphappy01。ドビュッシーの繊細な陰影もとっても良かったしぃーheart04。隣に座ったアンサンブル友達のOさんと期せずしてユニゾンしちゃった「バレリーナみたい~~virgo」な超カワユイ真っ白なお衣裳でご登場happy02。ヘッドドレスとピアス、ビスチェドレスとストラップ、ブレスレット、シューズ(これもバレエシューズみたいなペタンコ靴)と要所要所をキラキラッshinesign01とカワユく輝かせながら、やわらかーい指さばき、腕さばきで演奏notes。工藤さんの50周年の記念リサイタルで、どうしてこのような選曲になったのか考えると、もしかすると「ウチの娘もよろしくねwinksign01」ってイミもあったのではないかと。本プロ最後のツェルニー「協奏的二重奏曲 Op.129」に特にそれがよく現れてたかな~って思ってhappy01。セシリアさんの、フランスもの(特に印象派)のプログラムをジックリ聴いてみたいと思いましたbud


Img416工藤さんご自身の出身地&余裕のプログラムってことで、またあの自由すぎるMCkaraokeが聞けるかしらと期待してましたがsmile、意外とマジメバージョンspadeで、ちょっぴりザンネンsmile。でも「最初にしゃべろうと思ってたのに、集中し過ぎて忘れました」なんておっしゃって、はー、世界の巨匠でもそーなのかー、でもなんかカッコイイし…catface。フライヤー裏に書かれてたコメントにも『ご来場の皆さんには、一杯楽しんで頂けるように懸命に演奏します。』って、巨匠、なんてカワイイんだーッlovelysign03やっぱりココロは少年penguinsmile


はぁ~、最後はやっぱりミーハーまる出しになってしまったワ…sweat02。ちなみにフライヤー裏の、誰もいない客席に父と娘がふたり、並んで座ってるスティールcameraがまたすっごーくイイのよね~~heart02happy01

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2015/09/10

第1回 偲ぶ日の講演会 山口淑子(李香蘭)を偲んで

Img412なーんか、一番聞きたかったところが時間切れアウトsign01ってカンジだったかしら~think?六花亭ふきのとうホールで7日に開催された講演会karaoke、ひょんなきっかけから聞きに行くことになりました。講師は『李香蘭 私の半生』の共著者penである藤原作弥氏。9月7日は、李香蘭さんの命日で、1周忌だそう。



李香蘭さんは名前ぐらいしか知らなかったけど、時代的にはちょうど浅田次郎さんの「中原の虹」の後半あたりからを生きた人だと思うので、その頃の社会・歴史的な話はなかなか興味深かったんだけどねーgood。特に中国名の「李香蘭」の由来は、なるほど、ってカンジconfident。お父さんが若い頃中国に留学しており、その時に友人となった李さんという親日派の元軍人さんのお屋敷を間借りした際、義兄弟の契りを結びsign05、お互いの子供はそれぞれ義理の親子となるので、「山口淑子」さんは苗字が「李」になった、とflair。この中国の慣習は、まさに「三国志」の時代から脈々と繋がってるのねーcatface。つながる、つながるーーhappy01。ちなみに「香蘭」はお父さまの雅号からとったらしくcute



李香蘭さんの少女時代ribbonから芸能界kissmarkへスカウトされる話も面白かったけど、晩年に親交のあった藤原さんなんだから、「二つの祖国」への想いに苦悩typhoonしたという、そのあたりの話が実は一番聞きたいところだったのよねー。まさに“戦争プロパガンダ”として利用された有名人の象徴だし。少女時代とその時代背景の話で持ち時間の3分の2を使っちゃってたもんだからcoldsweats01、最後はバスッthundersign01と結論へend。まぁ、今の「安保法案」関係を想起させる流れでうまくまとめてはいらっしゃいましたが。それを考えると、今この時に、山口淑子さんには生きて、そして声を発して欲しかったと思いますweep



かなり古い時代のスターさんだけど、ちょっと作品movie、観てみようかな~confident

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2015/09/07

第9回フラウト・ライブ

F86d6921a217ccf51113e69c27326c88ほろ酔いwineで聴くジャズはやっぱイイワ~~catface。おとといの夜、大通西6丁目にあるフラウト・バルでのライブnotes、アンサンブル友達のOさんをお誘いして行って参りました~shoe。フルートは大島さゆりさん、ピアノは山下泰司さんですshine


いや、ホントに演奏してくださるアーティストさんには申し訳ないけれどcoldsweats01、楽しませていただきましたワ~note。大島さんのジャズ系を聴かせていただくのはトレパル以来ですが、なんかグングンクオリティがアップupしてるカンジがしますdiamond。クラシック出身(今もですが)の方なのでがありながら、迫力impactも出てきましたしpunch。Oさんも、「この程よい上品さがイイ~happy01」とおっしゃってましたgood


ピアノの山下さんは、わたくしはじめましてnew、ですが、ものすごくあったかーい音sunを出される方ですね~spa。ニッコニコhappy01でセッションをとっても楽しんでいらっしゃる様子もまたヨロシcatface


わたくし、めちゃくちゃ楽しみにしている12月の大島さんのオールバッハプログラム。バッハの同じ曲を前半オリジナルで、後半ジャズアレンジで、っていう試みのコンサートなんだけど、このコンビでの後半、バッハだとどんな風に聴こえてearpaperくるのか、ますます楽しみになりましたーhappy02

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2015/09/02

「それでも日本人は原発を選んだ」

むぅ~pout、原発関係の本を読むと、なんでこー脱力状態になるかなーtyphoon。2014年2月刊行の原発本book。朝日新聞取材班著pen。サブタイトル「東海村と原子力ムラの半世紀」。


事故が起こってすぐに開沼博氏の著作を読んでいたので、原発が日本に導入された経緯は知ってはいたけど、さすが朝日新聞、読売憎しのすさまじいまでの正力バッシングimpactimpact。まぁ、わたくし的には愉快だったけどsmile。このあたりは開沼さん、マイルドに書かれてますねwink。特に、日本に全く初めて原子力関連施設を上陸させるためには、正力松太郎の剥き出しの欲望がなきゃなんなかったわけだけども、まぁその書き方がスゴいのなんのcoldsweats01。諸悪の根源bomb


日本最初の原子力研究施設が東海村に出来たときの経緯が書かれている本なんだけど、当時は、まともな研究者たちはアメリカやイギリスから技術や設備を輸入することには反対してたんですねぇ。安全基準についても、推進側の誠意のなさに憤り、議論を尽くすべきだと主張する研究者もたくさんいた。しかしアメリカと背後でくっついてた正力がムリクリごり押しpunchdashした、と。政治が国内の基礎研究を阻んだ。何事も急ぐとロクなことにはならないわけでng


日本で初めて原発関係の予算yenをムリヤリねじ込んだ中曽根康弘。ヤス。存命の当事者はもうそれほどいない中、貴重な生き証人だと思うけど、なぜ突然原発予算を計上させようとしたのか、ご本人から何も聞けてませんね。事故後も、原発については推進すべきだと言ってるそうだけど、もし事故が自分の地盤で起こってても、同じことを言えるんだろうか。なんせ、地元高崎市も候補地として誘致合戦に参戦してたわけだから。


原発の研究施設が東海村に建てられることが決まったとき、茨城大学schoolの経済研究会が村内で意識調査を実施してたんですね。『茨城大経済研究会が1956年7月に実施した村民意識調査は、配布857に対して回収780、回収率89.14%と、原子力への村民の高い関心を示した。七つの設問のうち最初の二つは、原子力と原子力研究所に対する受け止め方を尋ねた。「原子力とはどういうことか知っていますか」回答は、「いくらか知っている」52.4%、「良く知っている」6.3%。「ほとんど知らない」22.5%で、「全然知らない」18.8%だった。「村に原子力研究所が出来ることをどう思いますか」結果は、村民の七割近くが原研誘致を容認していた。だが、明確な「賛成」は34.8%で、「決まってしまったから仕方がない」がほぼ同数の32.1%だった。「反対」も12.9%おり、他は「どちらでも良い」11.8%、「わからない」8.4%だった。反対の理由は「自分の生活に好ましくない」52.4%、「放射能の危険」31.4%、「日本に必要ない」が9.4%などだった。(中略)また調査では、村民の七割が放射能の危険を認識していることがわかった。「原子力研究所が出来た場合、放射能その他の危険があると思いますか」回答は「少しはあると思う」53.2%、「あると思う」20.9%、「全然ないと思う」4%。「わからない」21.9%。(中略)研究会は、村民の放射能への意識を、次のようにまとめた。「実際に原研ができて活動を始めても放射能等の害はないと新聞、映画等でよく説明されるのであるが、(略)いくら放射能などの影響はないと新聞、ラジオで説明されようとも、現在のところ村民の四分の三は多かれすくなかれ放射能の危険があるものと考えている』。昔は今のようにいろんなルートで情報を取ることも出来ないし、まだまだ素朴な人たちだから、わけがわからないうちに原研&原発を受け入れさせられたんだろーなー、なんてなんとなーく思ってたけど、そんなことなかったのにちょっとビックリcoldsweats02、ってゆーか、生活者としての正しい勘ってなかなか侮れないものなのね、なんて感心したりなんかしてconfident。逆に、原発事故から4年経った今現在の日本人の意識こそ、この頃よりレベル低下downしてるんじゃなかろーか。


もちろん、当時のまるで「原発まつり」eventの様相を呈している新聞各社の様子もきちんと書かれてます。朝日新聞もご他聞にもれず。読売新聞は正力新聞だし。地元紙の茨城新聞の変節もすさまじいshock。原発導入推進サイドによる搦め手に篭絡された社長自らが書く記事は、やっぱりここでもメディアの欺瞞ぶりをはっきり示しているのよね。


そんななか、ちょっとイイ話もあるのよ。当時、初の商業用原発誘致にからんで、東海村のすぐ近くの水戸射爆場が危険視されたにも関わらずアッサリ「大丈夫」okと推進側が言って東海村に建設されることになった。しかし、その射爆場で核爆弾の模擬弾投下訓練が行われていた事実を明るみに出したのが、東奥日報の斉藤光政記者diamond。1997年ごろからアメリカの情報公開制度を使って機密文書を入手して、23000枚にのぼるコマンド・ヒストリー(基地史)の文書の中にそれを発見flairしたそうです。彼は、地元三沢基地と六ヶ所村との危険性を検証する作業をしていてそれを見つけたらしい。地方紙でも、こうやって緻密な仕事をしている記者さんもいるわけです。スバラシい~shine


それにしても、原発導入推進サイドの、安全面に関する非論理的な楽観視は何なんでしょうねぇsweat02。ほんとーに頭が悪いのか、立地住民をナメ切ってるのか。もー、びっくりするgawk


事故が起こった後ではもう何を言ってみても始まらないけれど、東海村がある茨城県の当時の友末知事が、建設が確定的となった際に言った言葉『本県を他府県の「植民地」にしてはならない』も、なんとも皮肉に響きますね…weep


さて、わたくしこの本の中で一番印象に残ったのは次の部分。『過酷な自然災害とともに生きてきた日本人には、まるで世界に対するある態度が文化的DNAとして受け継がれてきたかのように語られる。地震や津波や洪水ですべてを失っても「自然に逆らっても仕方ない」と受け入れ、何度も立ち上がってきた民族なのだと。「無常」が「日本人の精神性に強く焼き付けられ、民族的メンタリティーとして、古代からほとんど変わることなく引き継がれてき」た(村上春樹氏のカタルーニャ国際賞授賞式でのスピーチ)というのは真実かもしれないが、宿命論の陥穽でもある。しかも、日本人のこうした態度は「自然」に対してだけ取られてきたわけではない。改元で過去を切断しながら時にはカタルシスすら願望し、楽観主義ともニヒリズムとも諦観とも悟りとも言える境地で眼前の現実を受容する。この集団的忘却は、あの戦争のあとでさえ取られたのではなかったか。「過ぎたことを振り返らない」は時として前を向くために必要ではあるかもしれない。しかし、人知もまるで自然現象のように受け入れる姿勢は、なにを残してきたのか、である。』まったく、そのとーりなんだわー…think。はぁ~、虚しい…despairempty


ヒトはもっと、理知的に生きられないものかしら…despair

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