古楽への誘い Vol.7 ~イタリアのトリオ・ソナタ集~
なんだか、500年くらい前でしかもヨーロッパの、しかも王様
とか貴族たち
っていう、わたくしなんぞとは100万光年
かけはなれた世界の人達向けの音楽なのに、聴いてるとそのイキイキ
した生活が目に浮かぶような演奏会でしたワー
。昨日のお昼、日本福音ルーテル札幌教会札幌北礼拝堂に行って参りましたー
。
会場がご近所さんなので、お天気もイイし、ってなわけでお散歩
がてら訪問してみたんだけど、会場自体わたくし初めて伺うところだったので、何も考えずひょい
と勢いよく入口に入ったら目の前でバーン
と演奏家さんたちが寛いでいらっしゃるぢゃありませんかッ
ぎゃッ
わたくし、間違って楽屋に闖入しちゃったッ
とチョーあせりまくって
、左手を見ると座席が並んでる…、あ、いいのか…。それでも脈拍がアガッてたので、ものすごい勢いで
1000円札を2枚出して、そそくさと席へ
。
な、カンジで始まった演奏会(わたくしが、ですが)、めちゃ濃密
な時間でしたね~。アンコールも入れて全部で11曲。1曲が短いとは言え、結構ボリューミー
。主にルネサンスの後半からバロックの初期の頃の作品だと思いますが、わたくし初めて聴く曲ばかりで
、でもこうやってまとまって聴いてみると時代ごとの傾向ってゆーのがわかるもんですねー
。どの曲も魅力的
でしたけど、やはり後世に名が残っている作曲家の作品はやはりチト違うカンジがする
。コレッリやヴィヴァルディなんかは、やっぱしちょいと格上
。
物部さんの解説によれば、この頃の音楽は王様
や貴族
のためだけのものだけど、たとえばウッチェリーニ「ベルガマスカのアリア」なんかを聴いてると、結構庶民的な印象があって、実はこの頃の貴族って現代の我々庶民と心情的に近いフンイキだったりして~なんて想像するのも楽しい
。こんな曲を聴きながら賑やかに
飲み食い
したりダンスしたり
。特にイタリアだとフランスみたいな絶対君主
が君臨してたわけじゃなく、小さな王国や公国に分かれていたことを思えば、貴族なんてのも意外と心情的にそれほどタカビーでもなかったのかな~なんて、ちょっと親近感も湧いてきたりして。ま、ゼッタイそんなわけないけど
。しかしさすがに教会ソナタあたりになると厳粛なキモチになりますね
。
それにしてもこの礼拝堂、めちゃくちゃ音、響きます。ものすごくコヂンマリした会場で、たぶん100人くらいのキャパかと。ここではとっても親密な空気が流れていて、こちらでも物部さんの解説付きでしたが、ふきのとうホールの時よりずっとフレンドリーな語り口で、時々笑いも起こって、古楽も身近に感じましたね~
。数ヶ月前にNHKのEテレ
で、英国王立音楽院を舞台にした「音楽白熱教室」が放送されていて、その最終回では、どうやってクラシックの演奏会に足を運んでもらうか、というのがテーマのひとつになってたのを思い出しました。クラシックのお膝元のヨーロッパですらそれが問題になってるのか、とちょっとビックリした記憶があったけど、そこではひとつの提案として、昔のサロン的な、親密な空間での演奏会を実施しているという大学院生の話がありました。間近で緊密なアンサンブルを見聴きするってゆーのも、オーケストラを聴くのとはまた別のコーフンを味わえますよね
。
さて、最近いろんな演奏会を聴く機会が増えて、特にバッハに関して書物(入門編みたいなヤツ
)を読むようになったんだけど、昨日の物部さんの話で、ハタ!
と思い当たる部分がありまして。“モダン楽器での古楽器的アプローチ”ってヤツです。モダン楽器で演奏する時、古楽器の物理的な制約が生み出す特有の音色、フレージングなどを考慮に入れるってことですよね。ははぁ~~
。他にも面白かったのは、バロック時代の“即興性”について。基本ベースにいろんな旋律や装飾をバンバン
入れていくのが流行っていたと。たぶん、その時代、その地域に生きていた人にはハッキリとわかっちゃう“センス”が問われてたんでしょーねー。きっとバッハみたいな名手には面白くて面白くて
たまんなかっただろーなー
。わたくしのようにトリルがニガテ、とか言ってたら「オメーはスッコンデろッ
」ってカンジですね
。
というわけで、すっごく知的好奇心と想像力を刺激された演奏会でしたが、わたくし、解説も演奏も全部聞き漏らすまいと集中力を搾り出しすぎて、ちょっと疲れちゃった。いや、それをいうなら、演奏されていた方たちの方がもっとお疲れですよね
。日曜のお昼
、もうすこーし、ユッタリめ or 短かめでもいいかも
?
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