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2016/05/19

「モナ・リザ・コード」

これ、内容的に意外と結構面白かったワbell。アメリカ人女性ジャーナリストによる、「モナ・リザ」のモデルとされる女性boutiqueについて探索したエッセイみたいなもの。ダイアン・ヘイルズ著、仙名紀訳book


「モナ・リザ」のモデルを、15世紀後半から16世紀の前半を生きたフィレンツェ人女性リサ・ゲラルディーニとした上で、彼女はいったいどんな女性だったのかを、出来うる限りの資料memoにあたって描き出そうとしたものなのね。しかしま、なんせ500年ほど前の、しかも中流豪族出身の女性なので資料がほとんどない。ただ、たまたま、彼女より少し上の世代の親戚筋にあたる女性に関する記述が残されていたため、それがかなりのヒントflairになっているわけ。で、なぜこの女性の記録がそんなに残っていたかっつーと、女性のダンナが、メモ魔penだったから。オモシロ~~happy02


これまでルネサンス関連の本は何冊か読んできたけど、芸術作品か芸術家でなければ、メディチ家関連のものばかりだったので、それ以外のフツー(一応、豪族出身だけど)の人たちの生活についてこれほど書かれたものは初めてnew。ものすごく新鮮でしたshine。当時女性が“”扱いされていたのは知ってたけど、家族の中では意外と大事にされていたっていうのも一方では本当だったようで(夫の遺書の内容から)、ちょっとホッとしたワhappy01。これまた面白いのは、そうやって夫から愛されていたらしいリサが、夫の遺志に逆らって自分の埋葬地を夫とは別の場所にしたってこと。やっぱり、おそらく生涯自分の意志というものを表明することもなく、もちろん聞き入れられることもなかった彼女が最期に“自分の意志を貫きたい”として決めたことが、墓地の別居だったってあたりに今も昔も変わらない女性の悲哀を感じるわねweep。この著作の中で一番わたくしビックリcoldsweats02したのは、ゲラルディーニ夫妻が熱心に寄進していた修道院にその出納帳簿bookのようなものが遺されていたってこと。それを調べると、リサが自分で使う薬を買ってたとか、本当に実生活を想像させる事実がふ~っとup現れてくる。いや~、これってスゴいことですよね~happy02。もちろんそれ以外のリサの人物像についての大部分は、著者があたった様々な文献から類推した想像の産物ではあるんだけどね。


ってカンジで、ヒジョーに想像力を刺激される興味深い内容だったんだけども、これは原著者のせいなのか、訳者のせいなのかはわからないけど、時々不正確な内容が出てくるのよねー。「ヴァザーリの回廊」は、“イル・マニーフィコ”が亡くなった後のコジモ1世の時代に作られたのに、「ロレンツィオ・ディ・メディチたちは、こうやって回廊の上から市民を見下ろすのが好きだった」みたいな描写をしちゃう。少なくとも“イル・マニーフィコ”は、まだおじぃちゃんの老コジモの精神は引き継いでいたはずで、それほどタカビーじゃなかったと思うんだけどなーgawk。あ、あと足首には“ブレスレット”ぢゃなくて“アンクレット”ですからーcoldsweats01。しかし、確実に言えるのは訳文がヘタだってことだわねーpout。“てにをは”は不正確だし、時々意味がよくわからない文章になってたりするし、“ソデリーニ”の表記が“ソデラーニ”になってたり、なんじゃこりゃ、なカンジtyphoon。ちょっと信用ならないdanger


でも著者の熱意の結果生まれた本作、ダ・ヴィンチの描いた「モナ・リザ」そのもののように500年程前のボンヤリした肖像に、イキイキcuteとした女性の姿を吹き込んだ力作だと思いますbell。あ、ちなみにわたくし自身にとっては「モナ・リザ」はあんまキョーミのない絵画デシタ…bleah

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