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2016/08/18

「図説 北欧神話の世界」

図説 北欧神話の世界

いやー、なんだかフシギなものを読んでしまったよーでsweat01。北欧神話を勉強しようと思ってたまたま図書館で借りたのが、19世紀ドイツで編まれた本作book。ヴィルヘルム・ラーニシュ著、エミール・デープラー画、吉田孝夫訳。


原書は1900年にドイツで出版されたもので、ユーゲントシュティール様式の挿絵が美しいshine一作なんだけど、読み始めてすぐに「あれ?北欧神話なのに何故ドイツtyphoon?」。読み進んでいき、後書きまで読むと完全に理解できるんだけど、どうやら、ドイツのアイデンティティ確立のために「北欧神話」を「ゲルマン神話」として利用してきた歴史があるんだそーな。ドイツの南部を中心に信仰されていた“ゲルマンの神々”が、ローマ帝国の侵攻によりキリスト教にあっという間に取って変わられ、古来からの神々は北欧に渡っていったのだとwave。へー、そーなのかーthink。…っていうのを、全面的に信じていいのかどうかわかんないけどもcoldsweats01


そんなわけで、古代の信仰が完全に途絶えてしまった“遅れてきた近代国家・ドイツ”が、ギリシア・ローマ神話を受け継ぐラテン国家(イタリアとかフランスとか)への敵意から、自らのアイデンティティの拠って立つところとして「ゲルマン神話」=「北欧神話」を取り入れたのだとか。それはグリム兄弟の働きでもあるし、それを利用してナチスも台頭したthink


という背景があっての「北欧神話」紹介。とにかく名前の表記が耳慣れぬものなので憶えるのがタイヘンsweat01。聞いたことあるのは「オーディン」とか「ヴァルハラ」くらい。それでも全体的な印象としては、とにかくめちゃワイルドなカンジなのねーleo。なんせ最後には神々と巨人たちの世界戦争impactbomb全部滅亡ってゆーハナシなんだもんsweat02。ま、その後にまた最初から世界は再生するんだけどね。これって、世界大戦のアナロジーのようthink


しかしそれとは別に、北欧・古代ドイツ文献学者のアンドレアス・ホイスラーが書いた前書きを読んでいてなるほどflairsign01な発見もあったのよね~think。ゲルマンの文化は、造形ではなく詩の分野にこそ本質diamondがあると。『歴史を遡るかぎり、われわれドイツ民族には天賦の詩才があった。一連の神話を構成している絢爛たる登場人物や出来事の数々は、その優れた詩才あっての産物である。』『ドイツ民族はまた、こうした素材を歌謡の形式に整える術を知っていた。荘重な言いまわしを用い、重厚な響きをたて、歌い手も聴き手もその歌声のなかで無限の陶酔に引きこまれていった。』『異教徒であるゲルマン人は、たしかに神々の像を打ち立て、神話の様々な場面を石や木に彫りこんだり、彩なる壁画を描いたりした。しかし雄弁に言葉を発することのないこれらの芸術は、それがたとえ、ものをありありと見たいという素朴な欲求を満たすには役立ったとしても、内的な眼ざしにおいて見られたものを表現することはついになかった。想像力の宝庫を豊かならしめるために、造形芸術は無益な営みであった。文学こそがゲルマン人の主たる世界であり、造形芸術はつつましく後塵を拝するのみであった。』ギリシア・ローマでは素晴らしい彫刻群が残されているけれど、ゲルマン文化にはそれがない。いやー、確かにーflairsign01


それと北欧神話の元となった詩「エッダ」などは歌noteとともに読まれるものであったということにも、なるほどね~なカンジconfident。古楽について少し知るようになると、古から詩と歌という組み合わせには何か特別な力shineが宿るものであったのね、とフに落ちますconfident



「北欧神話」の導入としてはナナメな視線eyeupwardrightから入ってしまったけど、とりあえずとっかかりは出来たので、次はピュアなものを探してみることにしますsearch

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