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2017年5月

2017/05/31

ファッションとアート 麗しき東西交流展

Img519実に横浜らしい(って、わたくし、横浜のコト、ゼンゼン知りませんが…)、ファッションと文明開化をテーマとした展覧会、なかなか面白かったですー。現在、横浜美術館で開催中の企画展、観に行って来ました


横浜の開港によって、東西の文化がお互いに影響を与えあった様子がよくわかるんだけど、ヨーロッパの人たちのジャポニズムへの熱狂ぶりが結構笑えるぅー。って、わたくしごときが笑えた義理ぢゃないんだけどね。 たとえば、輸出用の小さなバッグの前面の絵柄が「大名行列なのよー。足軽さんたちとか、お付きのお侍さんたちの具体的な絵柄がバリッと描かれてて、これ、持って街歩いてたらかなりキッチュだわよー。わたくしはこーゆーの、大好きだけど


Img520これらが展示されてる第1章「東西文化の交差点YOKOHAMA」では主に日本で作ってヨーロッパに輸出されてたものが展示されてます。これらを見てると、「ニッポン」ってゆーより「チャイナ」ってカンジがするのよね~。あるいはその折衷。これほどデーハーなテイストは「純和モノ」とは言いがたいのではないかと。相手の求めに応じて作ったらこーなっちゃった、みたいな。 それでもやはり「ニッポンの繊細なお仕事は隠しようもなくて、シルクの日傘の細工の細かいこと骨の部分も見られるように展示してくれてて、なんて呼ぶのかわからないけど、あの、畳む時にスライドさせる部品の造形の見事さこの繊細さは、西洋の方たちには真似出来ないんじゃないでしょーかね


Img_20170517_185830Img_20170517_185844第2章「洋装の受容と広がり」では、鏑木清方の作品でも描かれてるように、この時代の和洋折衷のファッション、洋の取り入れ方がソロリソロリってカンジで、とっても上手だった様子がわかります。しっかし、 こーゆー明治時代のドレス展での衣装を見るたびに思うのは、昔の人ってホントに小柄だったのねー、ってこと。ちっちゃくて細い。だから意匠も細かくなっちゃうのかしらねー。 このセクションの目玉、意匠と共に評価されたニッポンの「刺繍の腕」の最高峰として展示されていた昭憲皇太后さまがお召しになったという大礼服(マントー・ド・クール)、スンバラシいでございます。手仕事の刺繍がもー気ぃ狂いソーにゴージャスで、わたくし情けないことに、今回初めて気付いたことがありまして。それは、日本の意匠って左右対称じゃないってこと。それなのに、絶妙なバランス。恐らく西洋の人たちはそれにもビックリしたんだろーなー。この皇太后さまの刺繍も一見左右対称に見えてビミョーにアシンメトリー。ニッポン、スゴい。そのほか面白かったのが三越呉服店のポスター。本邦初の「デパアトメント、ストーア」宣言をした三越、商品ラインナップを広告するポスターに、たおやかだけど芯の強そうな大和撫子が描かれてて、髪飾りや指輪などアクセサリー類がめちゃめちゃカワイイ。もう一枚の姉妹っぽい女の子二人、タイトルが「諒闇に入る」だから明治天皇の服喪の期間のものだと思うけど、お揃いの黒のリボンブローチがすんごくラブリー。服喪だけどカワイイ


Img_20170517_185945第3章は「西洋 ジャポニズムの流行」。ファッションは初期はもーそのまんま。コルセットはずせてらっきーッなカンジ。その後はオートクチュールデザイナーの手によって、そのエッセンスを洗練させた形で融合していく様子がわかります。シャネルやポール・ポワレ、リバティ商会などテキスタイルへのインスピレーションの影響も結構大きかったのねー。それとこういう文脈で見るラリックやガレも納得感パネェ~。でもミントンの「菊花に杯文皿」とかロイヤル・ウースターの「祥瑞風羊歯文双耳篇壺」やらマイセン「花鳥文カップ&ソーサー」、リモージュ「竹に鳥文トレイ」、果てはティファニーの「瓢箪文酒ポット」とかって、違和感パネェ~~。みんなごぞって「ジャポニズム」


というわけで、改めて、ニッポンの感性のスバラシさを見せ付けられたのと同時に、お互い、未知のものに出逢った時の人間が持つハゲシい好奇心向学心、そして柔軟な受容性に深く感じ入った観覧となりました。こういった「心持ち」って、現代のわたくしたちこそ、文化だけでなく色んな面で持つべきなんぢゃないでしょーかねー

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2017/05/20

札幌交響楽団 第599回 定期演奏会

Img518謳い文句に違わぬ素晴らしいハーモニー「ラトヴィア放送合唱団」、これが「合唱」というものだったのかッ



これまた世界最高峰といわれる「タリス・スコラーズ」も尋常ならざる美しさだったけど、「美」を究極まで突き詰めて行くと不可避的に行き着いてしまう「無機質な美」が勝ってしまったものだワと、生意気にも思ってしまったわたくし。でもこの「ラトヴィア放送合唱団」には、美しいだけじゃなく、人間的な温かみもあるカンジがするのよね~。しかもヨーロッパの歌い手さん特有のマチュアな味もたっぷり。合唱団のメンバーがソロも歌うんだけど、全体が有機的に絶妙にバランスよくブレンドされてるところが、聴く者の心にシットリと染み込んでくる秘密なのではないかと



札響初演、シューマン「ミサ・サクラ ハ短調 op.147」。すっごくイイものを聴かせていただきましたー。シューマンに宗教曲があるなんて全然知らなかったけど、ルネサンスやバロック&古典的な部分もありつつ、ロマンティックな静謐さを持つ曲も織り込まれてて、ロマン派の宗教曲もなかなか面白いもんですね。あ、面白いってゆーと怒られちゃうかな。でもバロック期のように宗教改革の影響が強かった時代に比べると少し緊張感から解放されてるかなって部分もあって、純粋にステキ感が味わえるカンジ。ソプラノさんとチェロ(石川さん、いつもながらの超ナイスプレー)の第4曲「オッフェルトリウム」、めちゃグッと来ました。オルガンの音色もものすごーく効果的で印象的。わたくし内部で「又吉」と命名したバスのソリストさんもエクセレントだったなぁ。テノールさんの美声にも酔い痴れました。一人ひとりが美声で尚且つ合唱としてのブレンド力もスゴいので、少人数でたとえひとりの声が出てたとしても、ヘンに突出したものに聞こえない。このあたりの天性と技術の併せ技は、なかなかマネの出来ないものでしょう。この合唱とオーケストラのコンビネーションもよかったワ~~。札響、宗教曲、頑張ったんぢゃないでしょーか(またもやエラソーでスンマセン)。


さて、マーラーの「アダージェット~交響曲第5番より」。プログラムでコレを見たとき、なぜ今更こんな超ポピュラーな曲を?しかも「夕映えのなかで」って、ナニ?ってカンジだったんだけど、この合唱曲は編曲者クリュトゥス・ゴットヴァルト氏が本日の客演指揮者、ハインツ・ホリガーさんに献呈したものだからだったのねー。オーケストラの方は、本日わたくし、1stヴァイオリンと相対する席に座ってたので、めちゃオモシロかったー。だってみなさんチョーノリッノリなんだもん。楽曲が盛り上がるのと同時にボウイングもぐいんぐいん、みなさん気持ち良さそうに演奏されてる中、やっぱり市川ヴィンチェンツォさんだけが微動だにしない冷静なプレイ。いつか市川さんの情熱的な演奏姿を見てみたい、と思うのはわたくしだけかしら。そしてその後の無伴奏合唱も驚異的でした。もー、ため息しか出ん。リリースのウルトラピアニシモの長音ッなんだ、これッ麗し過ぎるッはぁ~~、札響合唱団には同じプロとして、ぜひこのレベルを目指してほしいワ


ラストはドビュッシー「海~3つの交響的素描」。いやー、やっぱドビュッシー、天才。この天才キラメくフレーズの波々と楽器たちの選択、どーしたらこんな曲を創作できるんでしょー。つい先日鑑賞した横浜美術館での展覧会(後日記事アップしまーす)の内容とリンクするジャポニズムの影響が、こんなカタチで昇華する奇蹟。ニンゲンってスゴい。トランペットの福田さんが吹く度に、わたくしの前方の席に座ってた中学生ちゃんたちが身を乗り出してガン見してたのが微笑ましかったワー


しかーしまたしても、そんな中学生ちゃんたちが振り返ってニラミつけてたダメオトナがわたくしの隣に約1名。たぶん全演奏中の5分の4は寝てたオバハン。ドビュッシーではついに頭を後ろにブッ倒してイビキ状態。演奏後ほとんど拍手もしないし、アンタ、いったい何しに来てんの?金払って寝るのは自由だけど、キタナい音を出して周りに迷惑をかけるのはやめて欲しいわ


と気分を害したところで、いよいよ来月はわたくしの大スキな取り合わせ、モーツァルト×マエストロ・ポンマー。マエストロのモーツァルトを2013年の定演で聴いて、一気にファンになってしまったという、わたくし内での伝説の演奏。フルートの首席も変わったしぃ~、次回もチョー楽しみぃ~~。早く600回目、来ないかナ~~。フフフ~

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2017/05/04

大エルミタージュ美術館展

Poster01 やっぱり錚々たる作品のそろい踏みだワ~~。死ぬまでに一度は行ってみたいけど、たぶん一生行くことはないだろーなーと思う「エルミタージュ美術館」。なのでとりあえず、一部でも本物を観ておこうかな~ってことで行ってみました。2時間近くでも時間足りなかった。サブタイトル「オールドマスター 西洋美術の巨匠たち」。


今回来ている作品も収蔵品のほんの一部だけど、全体的なテイストとしては、「キレイで端正なもの」が多いって印象。寒いお国のコレクションなのでもっとホットなカンジのものをお求めか、と思いきやそーでもないのね


Poster 展覧会場では、各国ごとの区分けになっていてそれぞれの特徴が捉えられやすいようになっていてヒジョーにキョーミ深かったです。「イタリア:ルネサンスからバロックへ」では、主にヴェネツィアのものが多く、ティツィアーノ周辺の作品を観るとやはり経済的な豊かさを感じさせる幸福感に溢れてるカンジがするのよねー。同じイタリア・ルネサンスでも、中部に比べるとヴェネツィアはより艶めいてるってゆーかキラメいてる印象。中には“水の都”の運河や海辺を描いた作品もあったけど、同じ港を持つ寒いロシアでこの作品をどんな風に眺めてたのかなーなんて思うと、女帝だけどエカテリーナ2世さんもちょっとだけ身近に感じたりなんかして


お次は「オランダ:市民絵画の黄金時代」。商業の国、オランダの市井の人々が主役になってる絵画はほんとに楽しいッわたくし全然知らない画家でしたけどアドリアーン・ファン・オスターデの「五感」という作品、激ウケッ「五感」といえば中世のタピスリー「貴婦人と一角獣」っていうエレガントなものを思い出しちゃうけど、こっちは全然違う。「嗅覚」は母親が子供のお尻を拭いてる場面、「視覚」はおばあちゃん(たぶん)が子供のノミを取ってる場面。「聴覚」「味覚」もそれぞれ市民のイキイキした生活のシーンを切り取っていて、これまた、エカテリーナさんもきっと笑いながら観ていたんだろーなーと思うと楽しいのよね


そして「フランドル:バロック的豊穣の時代」。ここではブリューゲルやルーベンス、ヨルダーンス、ヴァン・ダイク、テニールスと、もー画集でおなじみの巨匠がずらーり。なんだかここまで来ると、まさに「オールドマスター」の作品も慣れて来ちゃうからオソロシい…。だってルーベンスの「マリー・ド・メディシスの戴冠式」だわよーッ…これも、あ、そ、ってカンジになっちゃう自分がコワい。いかん、いかん。次


「スペイン:神と聖人の世紀」。ここでわたくし狂喜ッ会えると思ってなかったムリーリョが3点もッマジでカワイすぎーッ「羊飼いの礼拝」→幼子イエスの顔を覗き込むおじさんの顔ッ「ありがたやー、かわいやー」とゆー何とも言えない幸せ感に満ちた表情がわたくしのココロを揺さぶるッ「幼子イエスと洗礼者聖ヨハネ」→イエスを象徴する羊がモコモコでチョーラブリーッ「受胎告知」→こんなカワイイ大天使ミカエル、見たことないッハァハァ…カワイイ3連発にわたくしモダエ死。やっぱ純粋で敬虔なカトリック国のスペイン絵画は無垢で可愛い~~


Poster03_2 で、「フランス:古典主義的バロックからロココへ」。このあたりからわたくしの興味はイマイチ薄れてゆく…。プッサンとかヴァトーとかブーシェとか、こちらも錚々たるメンバーですが、フランス絵画はあんま、好みぢゃなくて。などとウルトラ贅沢なコト言ってしまう自分がまたまたコワい

Poster_2 最後「ドイツ・イギリス:美術大国の狭間で」。もー、ここらへんではわたくしの体力が薄れており…。とはいえ、やはりここの目玉はクラーナハ(クラナッハじゃなくなってるのね)。去年、観たかった展覧会に行けなかったので、せめてものガン観。意外とイエスちゃんのおメメが優しいのを発見してビックリ。クラーナハって眼光鋭きクールなイメージがあったけど、これはラブリー。いやー、エカテリーナさん、実は“カワイイ好き”だったのか。ますます親近感湧くワ~~


というわけで、最後の方は閉館時間が迫ってたもんで超急ぎ足になってしまったけど、こんだけ1ヵ所にすんごい作品が集まっちゃうと有り難味がだんだん薄れてしまうもんですねー。って、ゼータク言い過ぎだわね

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