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2017/06/08

「インドクリスタル」

インドクリスタル

さすが、わたくしお気に入りheart04篠田節子さんの長編小説book、クライマックスの怒涛度waveはそれほどないけどbleah、「重み」がパネェ~~bomb。541ページ2段組、へヴィな内容なのにスルスルと読める驚異のリーダビリティは相変わらず~bell


最先端技術を使った事業のために必要不可欠な水晶を求めてたどり着いたインドの奥地。そこは、現代日本人の想像を遥かに超える魑魅魍魎の世界だった…と。物語が劇的に動くのが、後半も後半、残り4分の1くらいで、それまでが主人公・藤岡のビジネス上の困難が繰り返し描かれ、それも半ば予想させるような展開なのでやや単調なカンジはするけど、それでも「読ませる」手腕は素晴らしいのですわshine



インドという国の、社会的、宗教的、政治的な複雑性を描いたものなんだけど、「平和ボケ」してるわたくしにはほとんど理解不能な世界だったweep。構想10年ってことだけど、そこに、俄に日本人の関心事ナンバーワンになったけどこれまた急速に風化してる放射性物質汚染の問題も絡めて、さすがの構成力なのよねーgood


インドという国の、安易な理解を拒む複雑性の象徴にも見えるヒロインribbon・ロサと、日本人らしい浅薄なヒューマニズムをどこまでも発揮してしまう藤岡とは、恐らく永遠に、そして真に理解し合うことはないだろうと思うと、ラストに流れる奇妙な楽観的空気にも拘らず、ってゆーか、それゆえに、と言うべきか、やはり深い虚しさばかりが残っちゃって。



何重にもハンデ
を背負った先住民の女性が特異な能力を持っていて、西洋的な高等教育pencilを受けたらどうなるか、というある意味ファンタジックなヒロイン像になってるロサ。ここで示される彼女の生き方は、作者の創作だしひとつのモデルに過ぎない。けれど、藤岡の申し出を取捨選択する彼女の姿勢は、一方的に西洋的価値観を一国に押し付けることの無意味さを物語ってもいる。恐らくロサのような出自と来歴を持つネイティブたちが合理的な知性と知識を持って、底辺から国を変えていくのが有り得べき形なんだろーなーと思うけども、現実にはどうなんでしょうね…typhoon


それにしても、インドという国の底知れぬキャパシティに、恐れすら抱いてしまうのは、決して大袈裟じゃないわよねthink

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