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2017/08/23

「しぐさで読む美術史」

しぐさで読む美術史 (ちくま文庫)

う~むdespair、いくら一般向けとはいえ、ちくま文庫の割に「読む」ってほどでもない内容でちょっとガッカリ…down。神戸大学大学院人文学研究科教授、美術史家の宮下規久朗氏著book


「走る」とか「踊る」とか、ある“しぐさ”を表題として、そのテーマに合った絵を紹介していくってゆー流れなんだけど、ただそれだけ。「こんな絵がある。それからこんなのとか。」ってカンジ。具体的にそれが何を意味しているのか、といったような深い内容はほとんとナシempty。ぶっちゃけ、ふ~~んgawk、で終わりend


たとえば「肩を組む」の章。「われはアルカディアにもあり」というテーマについて、『アルカディアはギリシャの不毛の土地にすぎないが、ルネサンスの詩人サンナザーロが美しい自然に囲まれた理想郷として詠ったことで、文学や美術のテーマとして流行する。しかし、そんな理想郷にも「死」はいるのだという警告が、 「われはアルカディアにもいる」という死神の発した言葉であった。グエルチーノらによって、墓廟の上に髑髏があり、その下にこの銘が記されている画面が描かれた。しかし、十七世紀フランスの画家プッサンの同主題の作品では、髑髏は姿を消し、碑文の前で羊飼いたちが考え込んでいる情景となり、過去を懐かしむような叙情的な雰囲気を漂わせている。この絵が有名になったことによって、この格言は、過去を懐かしむ者が、私もまたこの理想郷にいたのだと回顧する意味に変わってしまった。』とある。ここで、プッサンはなぜこのような「意味付けの変換」を行ったのか、知りたいところだけど、それについては何も教えてくれないのよねーdespairtyphoon


ただ、著名な画家でもよっぽどのファンでもない限り、知られざる作品なんかを紹介してくれてるところはちょっとばかし面白いけどもgood


あとは、言われてみればなるほど、な記述がいくつか。たとえば『日本や中国では、日常の食事の場面だけを取り上げて表現することはほとんどなく、西洋に特有の現象であった。』とか。だけど『その理由については、拙著「食べる西洋美術史」を見ていただくとして』だってsweat02。もひとつ「おんぶ」の章。『(人をおぶう行為は)連れ去り、救出、いわば効率を求めた緊急の行為であり、西洋では、おんぶはスキンシップや愛情表現とは見なしにくいのかもしれない。』『日本では恋愛譚にもおんぶが登場する。美術でよく見られるのは、『伊勢物語』の「芥川」の段である。男が長年手の届かなかった深窓の女性を夜に背負い出して駆け落ちする。伝俵屋宗達の絵では、男におぶさった女と男が見つめ合っており、二人の愛情が伝わってくる。』そうね~~confident、わたくし、ここを読んでてタカラヅカの不朽の名作crown「花の業平-忍ぶの乱れ-」を思い出したワ~lovely。ゆり(星奈優里)ちゃん扮する藤原高子ribbonを負ぶうノル(稔幸)さん扮する在原業平drama。あーーー、ホントにステキだったワーーーーーheart04heart04heart04。は、置いといてcoldsweats01


その他、へー、そんな絵があるんだーってビックリcoldsweats02したのは「飲む」の章。『フランスのクレルヴォーに修道院を建てたベルナルドゥスは、教会で聖母像に祈っているとき、聖母の胸から乳がほとばしり、口に入るという幻視を体験したとされる。この主題はスペインで好まれ、聖母像から乳が噴き出して聖人の口に飛んでいくさまが描かれる。カーノの絵では、聖人は恍惚として両手を広げる祈りのポーズをとっている。』ほんとに、聖母の片方のオッパイからピューッsign05とかなりの勢いdashで放物線を描いて、聖人の開けた口にチチが注入されてる。コレ、笑っちゃいけないのよねsmile


あ、あと、個人的に如何なものかと思ったのは「あとがき」。あまり不人情なことは言いたくないけど、その内容があまりにも著者の個人的心境が綴られたものだったので、ちょっとヒイてしまった。ブログなどならともかく、お金を出して買っている読者に(不可避的に)読ませるべきではないと思うんだけど…。


とまぁこんなカンジで、それほど勉強になったとは言えないbleah本作の中、ひとつわたくし気に入った部分がありまして。「沈黙」の章。『アンニーバレ・カラッチの作品では、眠っているイエスが起きないように、聖母が幼い洗礼者ヨハネに対してこのしぐさ(口に人差し指を当てる)をしている。「赤ちゃんプニプニしてるね」とイエスの脚を触ろうとするヨハネを叱るのではなく、「めっ」と優しくそっと沈黙を促している。』カワイ~chickhappy01heart02


同じテーマのもの、次はガツンimpactとしたヤツを読みたいワ~sad

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