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2017年11月

2017/11/29

「獣の奏者」1~4巻

まさしくハイ・ファンタジーの王道crownsign01ウワサには聞いていたearpaper上橋菜穂子さんshine、初めてその作品を読んでみたらば、そのガッチリと緻密diamondに構成された世界観に感服いたしましたーfujishine


テーマは、人間とその他の生き物との関係、人間の欲望、戦争などなど。優れたファンタジーは現代を生きるわたくしたちにも、考えるための多くの示唆flairを与えてくれるものですconfident


物語の最初は、雨降る深夜rainに、主人公エリンのお母さんが、獣ノ医術師として「闘蛇」の様子を診に行き、家にそっと戻ってくるシーンから始まる。雨の夜、この、圧倒的に暗くて冷たく湿った感じからの幕開きがなんともわたくし好みcatfaceで、すでに最初からガチッimpactrockと掴まれてたのよねーhappy01


エリンのお母さんが、闘蛇衆の獣ノ医術師として失策を犯してしまった罰で、「闘蛇」に食い殺されてしまうシーンcoldsweats02や、エリンちゃんが育てた王獣リランが初めて闘蛇と闘うthunderシーン、ラストのガチバトルimpactなど、大人が読んでも震え上がるほどの残酷で恐ろしい情景なんだけどshock、上橋さんの筆致は、実に平易で激しいところがない。子供でも読める易しい、穏やかな教養を感じさせる文章でありながら、この戦慄すべき場面bombをものすごい迫力脳裏に喚起させる作家には、わたくしこれまで出会ったことがないsign01本当にビックリだワーcoldsweats02impact


取った人間に決して懐くことがない王獣との間に意思の疎通まで可能にしてしまったエリン。これは、彼女の飽くなき好奇心と探究心searchから自ら学び取ったpencil技のお陰なんだけど、師匠であるエサル師から『すべての生き物が共通して持っている感情は<愛情>ではない。<恐怖>よ。』と言われる。物語の中でもエリンとリランの人間っぽい感情の交感があって、わたくしたち読者もなんとなく甘い心地好さspaにシバシ浸ってしまうのだけど、上橋さんはそんな“スウィートな幻想”をコッパミジンに打ち砕くthunderpunchbomb。そーよねー。んなワケないわよねーweep。そんなキビしさthunderを何度もこれでもか、これでもかと描いた末のラスト・シーンend。ヤバ過ぎるbell。「すべての生き物が共通して持っている感情は<恐怖>」かもしれないけど、親子の<情愛>もやっぱりあるのではないか、ってことが描かれてるのよねーconfident。このシーンを地下鉄subwayの中で読んでたんだけど、思わず目がシバシバシバシバ…weep


もうひとつ、わたくし、おぉ…と思った部分がありました。王獣を操れるということがバレた後、リョザ神王国の人間に王獣を使って王国を守るよう告げられた時、エリンはこう考える。『(王獣で闘蛇を制御する。音無し笛で、王獣を制御するように…。)なるほど、人という生き物は、こういうふうに思考するのだな』と。これ、まさしく、戦争の武器bombの話。核兵器を始め強力な軍備を持つことによって相手を威嚇し、制御しようとする思考danger。賢明なる王国の王は闘いを避け、融和の道cloverを選ぼうとするんだけど……。



ここまでの展開では、王国のかたちにまとまりが着かないまま終わってしまっているので、この「武器問題」や、「歴史は繰り返される問題」(王獣と闘蛇が武器として使われ、国が滅びたという)がどのように昇華されるのか、続きが気になるところ。


そして実はもうひとつ、わたくし、すっごく感銘upを受けた一文があったのよね~happy01。リョザ神王国はどうやら代々女性noteがトップになるようなんだけど、この物語では「女王」ではなく「」と記述されているのが、すっごく嬉しくてhappy01。先代の真王(ヨジェ)、ハルミヤが難しい問題に決断を下す場面で『彼女は王であった。』ジェンダーフリーのお手本ッfujisign01カックイーッimpacthappy02sign03


そして面白かったのは、カザルム学舎schoolでのエリンの親友、いつも前向きで陽気sunなユーヤンribbon。彼女には訛りがあるってゆー設定なんだけど、それが“関西弁”。エリンやユーヤンがしゃべってる言葉は日本語ぢゃないと思うんだけど、“関西弁”。いいワ~~smilesmile


ということで、続編に突入しますdashsign01

 

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2017/11/21

ムジカ・アンティカ・サッポロ Vol.12 『フーガの技法』―バッハ孤高の傑作

Img809いやー、めくるめくバッハ・ワールドshinediamond、ヤバすぎるぅーーimpacthappy02sign01演奏時間watchの正味75分、チューニング時間を入れても約90分、あっという間でしたーdash



にわかバッハファンcoldsweats01
のわたくしにとって、「フーガの技法」をナマで聴けちゃうpaperearというまたとないこのチャンスthunder、大通駅の情報コーナーでチラシを発見flairしたとたん、心の中で「ぎゃーhappy02impact」と叫んで、上辺がヨレヨレsign04になってたラスト1枚をひったくるよーに奪取しpunch、ソッコー、“あって良かった”夜の部nightのチケットticketをゲットしたのでしたscissors



まぁ、学術的pencilなことは全然わからないわたくしですがcoldsweats01、一つのテーマがどんどん変化していくカンジや、同じフレーズや音型がカノンしていって、音楽がチミツ緻密に構築されてくdiamondフンイキはわかるので、ただそれだけでも、はゎゎ~coldsweats02、口アングリ~coldsweats02、なのです。物部さんたちはこの作品を「宇宙」だとおっしゃっていましたが、わたくしはおとといの演奏から「哲学的なもの」を感じました。全曲短調、ということもあったからかな~?哲学は、宇宙を含めた世界を記述する方法ですから、「宇宙」の記述の仕方のひとつを不肖わたくし、感じ取れたということなのかも知れませんwink。ヤルぢゃん、わたくしcatface。ぢゃなくてannoy演奏がスバラシかったからshine、ってことですからshinesign01



そして、最後の曲が未完で終わっているのだけど、その最後、ヴァイオリンの音が消え、チェロの音が消え、ヴィオラの音が消え(順番が違ってたらごめんなさいsweat01)、ってゆー時間の流れが、逆に音楽の永続性を感じさせるんですね~coldsweats02。続きをイメージさせようとする、永遠に終わらない音楽on。なんだか全く新しい体験をさせてもらったようでしたconfident



命に限りがある“人間・バッハ”が創った“永遠に終わらない音楽”。哲学ダーspade。久々に聴きに行ったM.A.S.さんでしたが、すごーく深い音楽鑑賞体験をさせていただきましたup。ありがとうございました~happy01

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2017/11/20

晩秋に奏でるバロック

Img808晩秋maple”を超えて、すっかり雪景色snowになってしまった昨日の札幌。しかしながら、ヒジョーに聴き応えのある、わたくし的にはうっとーり幸せlovelyなお昼下がりでしたーhappy01


やっぱ、バロックいいワ~~heart04。なんか落ち着くぅ~~confident。一曲目のルクレール「フルート、ヴィオラと通奏低音のためのソナタ ニ短調」の最初からふわっとした古楽のフンイキにわたくしの心、鷲掴まれ(受け身)rock。もー後は心地よい調べnoteに身をまかせるのみspa



クープラン「恋のウグイス」。ウグイスの鳴き声がカワイくもちょっと切なく奏でられる曲。恋は恋でも「叶わぬ恋」なのでしょうかcatface?続くバッハ「管弦楽組曲 第2番」から「ポロネーズ」と「バディネリ」は、八條先生のお手の内ですけど、装飾の入りがめちゃカッコよかったーlovely


マラン・マレ「組曲 ニ短調」、いろんな方の演奏でマレを聴くたびに、やっぱり夜nightの闇の中にほわっと灯るろうそくの灯火を思い浮かべてしまうわたくし、今回もほんのりとぬくもりを感じました。遠藤さんの、古楽を意識された素朴な響きがそれを更に盛り上げるカンジup。遠藤さんのMCkaraokeも面白かったワ~happy02。ベタなオヤジギャグimpactもありーの、身振り手振りありーの、こちらもほわっとしたお人柄を感じさせるトークsun。国毎の言語の語感から来る音楽性のお話、興味深いですーpencil。バロックに限らず、そーゆーの、有りそうですよねぇ。


プログラム後半も良かったなぁ~bell。演奏の前にお3人のトークコーナーがあって、「旅するチェンバリスト」森先生のオモシロエピソードが聞けましたhappy01。森先生のイタリア式のチェンバロが、実は九州は唐津の生まれだったとはッcoldsweats02sign01九州男児ッcoldsweats02sign02昨日一番の衝撃ッimpactsign01それにしても「旅するチェンバリスト」、このタイトルで本book、書けますねpen、森先生smile。あまりにもお話に対するリアクションが活発すぎてdash、会場がテレビショッピングtvみたいになってたのがオカシくてhappy02thunder



テレマン「ソナタ第2番 ニ長調」。わたくし、アルテスの二巻はやってないのでcoldsweats01知らない曲でしたが、フルートとヴィオラがオリジナルであってもおかしくないくらいでしたよね~good。曲に入る前の遠藤さんのお話、“吹く楽器”と“弾く楽器”のフレージングの違いも、へぇ~coldsweats02、でした。その違いを考慮しての演奏だから、息ピッタリに聴こえるんですねーdiamond。奥深~~confident



最後の2曲はバッハ様shine。「フランス組曲 第5番 ト長調」と「トリオソナタ ト短調」。いやー、どちらもクライマックスの怒涛の畳み掛wavewaveにヤラレましたimpacthappy02dash。これだからバッハを聴くの、やめられないぃぃ~fuji。相変わらず森先生のパッショネイトimpactなプレイにドキドキheart02し、八條先生のドスの効いたthunder深い音色に感じ入りconfident、遠藤さんの長音の響きの優しさに涙するweep。あー、なんて佳い演奏会なのかしらーcuteup



あ、森先生の「フランス組曲」の前のMCkaraoke にもまたまたウケちゃいましたimpacthappy02。『日常的にメヌエットとか踊ってる日本人はあんまりいないので』確かにimpacthappy02sign01今回、遠藤さんのお話も聞けて、また新しい発見flairをさせていただきました。プログラムは本格的でしたけど、こーゆーカジュアルなトークを聞けるのもまたオツなものですcatface



そんなこんなで、胸いっぱいnoteで会場を出ると、薄暮の中島公園clover。外気は冷たいshockけど、心は熱い余韻を抱いて帰路につきましたhappy01shoesubwaynote

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2017/11/15

カードケース♪

毎年誕生日birthdayの贈り物presentをくださる友人cuteに、お返しとして制作したものhappy01。相変わらずハマりまくってるビーズステッチhappy02notes

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デザインのリクエストは「フルーツcherry」だったので、フリー写真cameraなんかを参考にしてデザインしましたーnote。おいしそ~~deliciousrestaurant


出来上がったところでよく見たらeye、裏面のデザインが上下逆さまupdownだった…sweat02。Aちゃん、ごめんcoldsweats01

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2017/11/11

ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

Img807いやー、“おとな”の音がするぅ~~~noteup。今年創設275年を迎える、市民の手によって作られたオーケストラとしては世界最古crownの歴史を持つ楽団notes、聴いてまいりました~~shoe


ものすごーく久しぶりに海外のオーケストラを聴いたけど、ほんとに個性ってのはいろいろあるものなのね~と改めて思いましたワconfident。これまで聴いてきたヨーロッパの声楽家や合唱団からいつも感じていた“マチュアwine”なカンジを今回、オーケストラの音notesからも、すっごく感じましたconfident。なんつーか、クラシック音楽を血肉として生きているドイツの楽団の、彼らの演奏には西洋音楽の歴史の重み、っつーか深みっつーか、そーゆーものが確実にあるdiamondshine。それはやはし、東洋人がどんなに逆立ちしても太刀打ちできないのではないか、と思ってしまうほどに…weep


プログラム前半は、レオニダス・カヴァコスさんをソリストに迎えた、メンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64」。2年前にPMFで聴いたカヴァコスさんは、ドえらく鋭敏で精神性の高い演奏shineを聴かせてくれたけど、今回はすごく柔らかな音だったナーcatface。きっとカヴァコスさんってめっちゃ優しい人cuteなんだろーなーwink。お辞儀もカワユイしcatface、偉ぶった素振りは全くナッスィングclover。そーゆーとこもスバラシーcrown。ホンモノの一流ッhappy02sign01しかし演奏はチョー余裕的超絶技巧bell。硬軟自在で、聴く者の懐にフッと入り込むようなヒトタラシ奏法smile。見た目は2年前の、ヒモジいホームレス風(スンマセンッsmilesign01)からちょっとまるくおなりになって、お腹まわりパツパツimpactsmile



プログラム後半は、ブルックナー「交響曲 第7番 ホ長調」。ブルックナーのシンフォニーを聴いていて、わたくし初めて「長い」と思わなかったcoldsweats01上に、初めて心から感動heart02いたしましたhappy02note。この曲を世界初演したという、このオーケストラの巨大なる誇りを感じましたねぇcoldsweats02。正直、管セクションとか、魂消るほどウマいってカンジはしなかったんだけども(スンマセン、またまたエラソーに書いておりマスcoldsweats01)、オーケストラとして一体となったときの音楽がとにかく「これがザ・クラシック音楽なんだゼッimpactsign03」なカンジcoldsweats02。いやー、参りましたfuji



で、今年御年90歳になられるという指揮のヘルベルト・ブロムシュテットさん、まさしくカリスマcrownですねぇconfident枯れ木のような腕をヒョイヒョイsign05っと動かすだけで、オーケストラからウネるような濃密なエネルギーwaveを引き出す。オーケストラとの強い信頼関係を感じさせましたヨdash



とこのように、クラシック音楽の歴史の重みとその真髄に圧倒された一夜nightでございました。が、残念ながら、ホールが満席fullになると、申し訳ないけど“ライヴシロートさんdown”が増える傾向にあって、フライング拍手だらけになっちゃうsad。曲の余韻もヘッタクレもないwobbly先日の札響の定演でもそうだったけど(この時は注意喚起のMCkaraoke が入って改善されたok)、2000人前後がいる公共の場にあっては、ほんと、マジ、やめて欲しいangryannoy。アンタだけの空間じゃないんだからねpoutng

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2017/11/04

「ハイジが生まれた日」

ハイジが生まれた日――テレビアニメの金字塔を築いた人々

これ、読んでると今すぐ「ハイジ」のビデオcdを見たくなっちゃう~catface。長年、アニメ作品「アルプスの少女ハイジ」について関係者の話を採取してきたmemopencilちばかおり氏の著作book。サブタイトル「テレビアニメの金字塔を築いた人々」。



わたくし自身は、もちろんこの作品のことは知ってるし、再放送などでチラと見てた記憶はあるけどcoldsweats01、これほどまでに大切に大切にheart02作られて来た作品だとは知らなかったし、まして、著者のように、子供ながらに作品の底に大人たちの本気を感じた、ってほど感受性も高くないボヤッtyphoonとしたガキンチョだったのでsmile、逆に、大人になった今、この本に出会えて良かったワhappy01。改めて「ハイジ」を見る目が変わるもんねbell


しかし、それだけ熱心に取材しているようなのに、残念ながら“産みの親”・高橋茂人氏についてあまり深く掘り下げて書かれてる印象がないのよねーthink。生い立ちから記述してきたのに、「ハイジ」を制作している途中から、現場との間に距離を置いた高橋氏の真意についてはツッコミ甘しcake


あとがきで著者が書いているように、今だとまさに労働環境はブラックのようだし、これが今に繋がるアニメ制作業界に繋がる“悪しき伝統”の起源になってしまってる感があるとしたら、皮肉なことよねぇdespair


どこの世界でも一緒なことだけど、“クオリティの高い仕事をする人たちcrownshineにはそれ相応の待遇と対価が与えられる世の中であって欲しいものです…think

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