カテゴリー「書籍・雑誌」の368件の記事

2017/02/15

「泣き童子 三島屋変調百物語参之続」

相変わらず、繊細な心持ちを映す宮部さんの言葉の選び方、フレーズの作り方、ウマいナ~~confidentheart04。宮部みゆきさん著book


わたくし、このシリーズ大好きなのに、最近第4巻が出るというのを知り、あれ、ってことは第3巻が出てたのねーsweat01と慌てて探したのでしたsearch。ヌカってたsweat02。わたくし、落語も怪談話もほとんど聞かない(最近NHKtvでやってた「落語the movie」はすっごく面白かったケドhappy02)のでよくはわからないんだけど、宮部さんの物語のストーリーテリングの巧みshineさにはほんとに感服いたしますねぇfuji


なかでも圧巻だったのが「まぐる笛」。これ、明らかに原発事故が影響してますよね。ネタ的には先住者と征服者の関係に端を発する悲しい話ではあるんだけど、とにかく“まぐる”の描写が迫真thunderimpact。お昼ご飯restaurantdeliciousを食べながら読んでることが多いんだけど、もー、食べ物を口に運ぶのを忘れちゃうくらいcoldsweats02。ちょっとゴジラも彷彿とさせて、その辺りも、原発事故を連想してしまうのだワthink。ただ、「“まぐる”という怪物は目に見えるだけまだまし、見えないもののほうが恐ろしい」と登場人物に言わせてしまったのはちょっとあからさまだったかなーdespair。いささか唐突なカンジもしたし。 この「まぐる笛」もそうだけど、ところどころ、なんとなーく「地方礼讚」的なニオヒが感じられたのよね。だけど、残念ながらそれはやっぱり都会に住んでる人の偽善性が漂っちゃってるbearing。おちかちゃんはイイコribbonだけど、まだまだだわねーsmile



作者曰く、奇数巻は重め、偶数巻は軽めの内容にするよう意識してる、ということで重めの奇数巻、第1巻でバトルimpactした「商人」とニアミスthunderしたので、奇数巻でいずれおちかちゃんの屈託が解放されるんだろーなー、ってわたくし予想するものでございますwink

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2017/02/08

「静かな黄昏の国」

静かな黄昏の国 (角川文庫)

ホントに篠田さんの作品は、短編でも深いぃぃ~~think。2002年初出、3.11後の2012年補遺、篠田節子さんの短編集book


15年前の作品なので、ものによってはディテール部で若干古いところはあるけど、どれも篠田さん独特のテイストがあって、わたくしの好きなジャンルであるファンタジックなバイオホラー、伝奇もの、社会派のSFチックなもの、と、読んでると背中がザワザワshockしてくるカンジがたまりませーんsmile。 圧巻なのは、タイトル作品「静かな黄昏の国」。福島の原発事故の前に、ここまでの作品が書けるってゆーのは、核心を正確に突いた取材力とそれをベースとした論理的な想像力から展開される驚異的な創造力の為せる技ですねーhappy02fuji


その「静かな黄昏の国」は、今となってはもはや単なるファンタジーとは言い切れない、薄ら寒い恐怖感を伴って、ラストは絶望感しか残らないというdown。篠田さんにしては珍しい読後感なんじゃないかしらthink。それほど、日本の原発施策に幻滅しているということなのか。


あとがきを読むと、篠田さんは昔から東電の原発関係のイベントや委員を経験されていたということがわかり、相手の懐に飛び込む取材をされているのね~と、いつも感じる作品内容のブ厚さに納得confident。やっぱ、作家ってスゴいdiamond

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2017/01/27

「ハケンアニメ」

ハケンアニメ!

ちょっとマンガっぽいけど、作り、めちゃうまッhappy02impactsign03直木賞作家、辻村深月さんの2014年刊行の長編book。わたくし、こーゆーの、すっごくスキーッlovelyimpactsign03


アニメ業界で働く人々を描いた作品なんだけども、「仕事をすること」に対する敬意fujiがびっしびしthunder感じられて、プッdashと笑いながらも、後半からは胸が熱くなって不覚にもウルウルweepしてしまったわたくし。それぞれ、信念を持って仕事をする登場人物たちの美しいことッshinesign01作者自身の誠実さが滲み出てますねuphappy01


オトナになって、社会人をン十年やっていろんな経験をしてるからこそ、わかるッflairsign01ってところがたっくさんあって、エピソードのひとつひとつ、設定のひとつひとつ、どれをとっても激しく同意なのよ~~confident。たとえば、「神原画」を描く和菜の章。『遅々として状況が進まなかったり、話が停滞することがある一方で、できる人たちの仕事というのは、本当に早い。和菜はその日、思い知った。』←ハゲ同ッsign03sign03


とにかく何つっても繊細な心理描写がお見事shine。アニメ界の話だけあって、「リア充」と「非リア充」についても避けて通れない部分だけれど、ホントーにスルドくthunderて深ぁーいwave洞察と指摘が編みこまれてますdiamondshine


そして、登場人物たちがめちゃくちゃ魅力的なのよね~~lovely。プロデューサーと監督の組み合わせ、ここでは『運命戦線リデルライト』(作中アニメ)の有科さんと王子監督、『サウンドバック 奏の石』(作中アニメ)の行城さんと斎藤監督、どっちもマジでステキすぎーーーーッhappy02sign01うらやましぃ~~~heart04heart04。わたくしもこんな人たちと仕事してみたいぃぃぃぃーーーッbearingbearingsign03sign03ハァハァ…dash。で、彼らひとりひとりの繋げ方もスバラシいのッgoodsign01前の章での描写が後の章に次々と生きてくる。その、ひとつひとつの小さな人脈が、和菜ちゃんが登場するあたりからどんどん合流していってon、怒涛のクライマックスfujiへと雪崩れ込む展開には、読書なのにアドレナリン出まくり状態impact。いやー、ホント、わたくしこーゆーのにヨワいのよね~~~coldsweats01


そんな人たちが命を懸けるアニメ作品。作中アニメだけど、描かれるその概要だけでもなんかスゴソーなのよねーcatface。『サバク』なんて、そのあらすじだけでもちょっとトリハダが立つくらいspade。もーわたくし、この筋だけで泣きソーcoldsweats01。『リデル』のラストシーンも実際に見てみたいナーeye


というわけで久しぶりに、個人的に直球baseballド真ん中にキたimpact作品、再読必至でございますnote。カバーのイラストもナイスッhappy01goodsign01

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2017/01/17

「ジヴェルニーの食卓」

ジヴェルニーの食卓 (集英社文庫)

印象派の画家artをめぐるお話、テイストも実に印象派的な一冊smile。原田マハ氏著book


モネ、マティス、ドガ、セザンヌ。19世紀から20世紀にかけて活躍した美の巨匠たちは何と闘い、何を夢見たのか。彼らとともに生きた女性たちの視点から色鮮やかに描き出す短編集。』(Amazonの内容紹介より)。


原田さんは、「楽園のカンヴァス」がとても良かったbellので注目してる作家さんなんだけど、やっぱ、それほど好きでもない(わたくしが、デスがcoldsweats01)印象派の画家の話bleahはあまりに感傷的過ぎてわたくしにはちょっと…sweat02、なカンジ。語り手が、それぞれの画家を敬愛heart04する女性kissmarkたちなので、どうしてもそーゆーテイストになっちゃうのよねーgawk

ただ、それぞれの美術作品artを描写する表現力penはさすが~~shine、なんですけどねcoldsweats01

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2017/01/15

「讃歌」

讃歌 (朝日文庫)

クラシック音楽を聴くのが好きなわたくしにとっては、普段から考えていることを小説にしてもらったような作品。さすが、篠田さんshine。2006年刊の篠田節子さんの長編book


テレビ制作会社で働く小野は、ある日耳にしたヴィオラ奏者の演奏に魂を揺さぶられ、番組制作を決意する。天才少女の栄光と挫折を追ったドキュメンタリーは好評を博し、園子も一躍スターになるが…(後略)。』(Amazon内容紹介より)って内容。


これは、今でも大人気を誇っている女性ピアニストが、テレビのドキュメンタリーによって脚光をthunder浴びた後に書かれたもののようだけど、今だと別の事件も脳裏に浮かんじゃうflair日本人は、クラシック音楽を“どのように聴いているのか”“何に感動するのか”という奥深ーい問題を取り扱ってるわけですthink


若い頃の栄光と挫折という経験”“長年の闘病生活からの復活”“本当は拙い技術”“大衆が感動する演奏”。これが小説に登場するヴィオリスト、園子のキーワードなんだけど、「プロが聴けばまともな演奏ではないにも関わらず、これまでの苦しかった経験は園子の演奏に現れ、大衆は感動する」、これらは否定されるべきものなのか、そうではないのか。筆者がそのどちらかに肩入れしている、という風にはわたくしには読み取れなかったのよねぇthink。主人公の小野が最後まで、自分の感動を完全には否定し切れないところにそれが現れてると思うのよ。


わたくしも、どちらとも言えないのではないかと思っていてtyphoon。そもそも西洋音楽であるクラシック音楽は、他の芸術ジャンル同様、ベースとなる宗教と哲学を血肉としていない異邦人には根本的には理解し得ないものだと思うdespair。ってゆーのがわたくしにとっての大前提なんだけども、そこまで行けなくても、「個人的に楽しむ」ことはできるわけで、その「個人の楽しみ」にはどんな基準があってもそれは自由なんじゃないかthink。クラシック音楽が“浪花節みたい”なスピリットと物語性で演奏されて、それに感動する人がいても別にいーんぢゃないの、と。まぁ本来の意味での“クラシック音楽鑑賞”からは別の次元であるのは確かだけどもねcoldsweats01。わたくし自身は、時代や作品の背景やらを知りたがる方なので、それだけで終わるのはツマンナイなーと思ってるんだけどもclover


あくまでもきちんとした技術があって、自分の考えを100%表現することができるならば、おそらく演奏にはその演奏家の経験に基づく人格が反映されるのは確実だと思うのよね、わたくしも。でも劇的な経験や障害が、その演奏を聴く前提であってはならないと思う。先入観があってはならないng。だから、最初に先入観なく演奏を聴いて、魂が震えるような感動をした主人公は、その感覚を疑う必要はないと思うのよ。それは決して「レベルが低い」ということではない、そういう種類の問題ではない、とわたくしは思う。不幸だったのは、彼がテレビ制作会社の人間で、その主観でドキュメンタリーを作ってしまったこと。影響力の大きいメディアで聴衆に先入観を与えてしまったこと。


それとわたくしがいつも疑問に思うのは、「権威」は絶対なのか、ということ。園子の演奏にあれほどまでに感動していた聴衆が、園子の留学先の音楽院の指導教授から否定されたのをキッカケに猛バッシングimpactに走る。もっと自分の感覚を信じてもいいと思うけどねぇgawk。「権威」はそれとして敬意を払うべきものだと思うけれど、自分の考えを蹴り飛ばしてfootimpactdashまで帰依することもないでしょうにwobbly


この小説では、園子は周りの男達を利用して再び脚光を浴びることに成功したけれど、「その自分の姿」に満足することが出来ず、しかしその限界を越えることも出来ず、結局は絶望して自ら命を絶ってしまう。演奏家としてはある意味「誠意」があったと言えるのかも知れない。


でもやっぱり、芸術を作り出すのも享受するのも人間である以上、ドラマ性を無視することは難しいワ~~bearing。だからこそ、マスメディアの使い方、受け止め方、どちらも細心の注意が必要ってコトですねthink

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2017/01/02

「わが心のジェニファー」

わが心のジェニファー

なかなかにファンタジックで楽しいnoteおハナシでしたが、イマひとつ響かなかったかナ~weep。浅田次郎さんの2015年刊行の長編book。年末年始、浅田三昧smilesign01


婚約者の求めで日本にやってきた米国人青年。東京、京都、大阪、九州、北海道…。神秘のニッポンを知る旅を始めた彼を待ち受ける驚きの出来事と、感涙の結末とは!』(Amazonより)ってゆー内容なんだけども、ラストは『感涙』ってゆーほどのもんでもないbleah


最初読み始めたときは、「は?浅田さんがアメリカ人青年を描くsign02」って違和感ありまくりimpactで、こりゃないワー…gawkって思ったんだけど、途中から、これ、現代ニッポン文化のパロディってコトなのかしら~って気付いたらflair、俄然面白くなったのよねーcatface。一見単純なニッポン礼賛fujiのようにも読めるけど、その奥にはキョーレツな揶揄皮肉がヒソんでるcoldsweats02。ところどころ笑わせながらも、さすが、浅田さん、一筋縄ではいかないですね~bomb


北海道在住のわたくしとしては、クライマックスの舞台が釧路snowってゆーのは喜ばしかったけど、展開がちょっと出来すぎで、「浅田次郎のあざとさ」がスキheart04なわたくしでもsmileちょっと鼻白んぢゃったcoldsweats01。でも、主人公のラリー君、複雑な生い立ちの中で悩み続けてきた「自分は何者か」という問いの答えが自分なりに得られてよかったワgoodhappy01

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2016/12/29

「浅田次郎とめぐる中国の旅」

浅田次郎とめぐる中国の旅 『蒼穹の昴』『珍妃の井戸』『中原の虹』の世界

浅田さんの解説karaoke付き、ってのがわたくし的にはミソだったワーhappy01。2008年刊行の単行本book


浅田さんが随行する実際のJTBのツアーの際、浅田さんがその場で解説karaokeされたものに加筆修正pencilしたものが基本になっていて、そのあたりが通り一遍のガイドブックとは一味違うflairところ。ってゆーか、これは観光ガイドブックなんぢゃなくて、浅田さんの“清末3部作”のガイドブックなのよねーgood


そのほか、それぞれの作品に対する浅田さんのミニエッセーとか、明治大学教授・張競氏との対談diamondなど興味深い内容も収録されていて、サイドストーリー好きのわたくしとしてはお買い得な1冊でした~note

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2016/12/17

「男役」

男役

作者の、ヅカ愛heart02をすごーく感じる一作。中山可穂さん著book


中山さんの著作は初めて読んだので、最初は、っつーかずーっと、ほとんどジュニア小説ribbonのノリで、う~む、む、む…sweat02sweat02ってカンジだったんだけど、まぁ、最後、クライマックスでは美しいパラレル・ヅカワールドになってたんでユルすcoldsweats01


あとがきで著者も書いてるけど、これってあくまでもフィクションで、ヅカファン的には「実はこうしたいlovely」という潜在願望が描かれてて“わかる、わかるconfident”、なんだけども、ヅカを知らないヒトが読むと、なんとオソロシい世界shockなのかと尻込みさせちゃいそうだわねぇsmile


映像movieが脳裏に浮かぶ本作、アニメとかドラマにしたら盛り上がりソーuphappy01

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2016/10/22

「ミツハの一族」

ミツハの一族

う~む、なんとなくデジャヴ感のある話だったなぁ…think。期待ハズレだった乾ルカさんの連作短編集book


未練を残して死んだ者は鬼となり、井戸の水を赤く濁す。そのままでは水源は涸れ、村は滅んでしまう。鬼となった者の未練を解消し、常世に送れるのは、“ミツハの一族”と呼ばれる不思議な一族の「烏目役」と「水守」のみ。』(東京創元社ウェブサイトより)ってゆー内容で、大正期の札幌を舞台にしたノスタルジックな伝奇ファンタジー。


わたくし、嫌いじゃない、っていうか、かなりスキなジャンルなんだけども、なんかグッと来るものがなかったdespair。みんなどっかで見聞きしたことあるようなカンジで。しかも最後の事案では、それまでの語り手であった“烏目”役・八尾清次郎が不慮の事故で死んでしまった後鬼になって現れるんだけど、その理由はわたくしにすらわかるflairものだったのに(同じ情報は、新しく就任した“烏目”役も知ってるはずなのに)、無駄に美しい“水守”を傷つけるthunder展開に、わたくしあ・ぜ・んgawkgawk。これって、なんか別のシュミなわけtyphoon??


全体的なテイストや、ところどころに乾さんの持ち味であるユーモアが見え隠れしてるとこなんかわたくしすっごくスキsunだし、前に読んだ「メグル」もよかったので、また次、期待したいですね~~happy01

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2016/10/05

「「九転十起」広岡浅子の生涯」

“あさ

ヘタレなわたくし向けのビジュアルブックbook。激ハマリhappy02だった朝ドラtv「あさが来た」の史実はどんなカンジだったのかしら~と手に取ってみました。


古川智映子さんの原作の方は、個人的にはちょっと…sweat02なカンジだったけどsmile、こちらはドラマの裏話と当時の実際の写真を添えた事実関係のやさし~い記述とで、結構楽しめたワhappy01。4年半ほど大阪に住んでたこともあるので、昔の地図と写真を見比べながら、へぇぇぇ~~coldsweats02っと思うこともシバシバ。浅子さんが京都の実家から大阪にお嫁入りするときに使ったという伏見の船着場の写真とか、キョーミブカ~~up。ほんとに淀川を下ってたのねーship


ドラマ制作統括の佐野さんの話も、朝ドラのテーマ決めのルールみたいなものも垣間見られてオモシロいgood。古川さんの原作本からモデルの浅子さんを発見flairしていく件は、まさにわたくしがドラマを観ていて感じたことそのものbell。こんな女性が幕末から明治にかけて実在してたなんてほんと全然知らなかったしcoldsweats02。まぁ、それがいかにこの時代、女性が軽んじられていたか、の証左なんだけどねweep


それにしても、「力づくでなく、女性の柔らかい力」を重視していたという浅子さんなのに、どーして小説ではあーゆーテイストimpactになっちゃうのか、やっぱりフシギtyphoonsmile

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