カテゴリー「書籍・雑誌」の371件の記事

2017/06/21

「猿の見る夢」

猿の見る夢

あらー桐野さん、作風変わったsmile?でも流石の筆力penですごーく面白かったーhappy01。桐野夏生さんの長編小説book



わたくしの中では、「OUT 」の印象(古ッsweat02)がめちゃ強いので、桐野さんって異様にハードボイルドspadeなイメージなんだけど、このカルーくてエンターテインメント性の高い書法が、作品のテーマとリンクして効果的なのよねーgood。つまり、30年前に「バブル」で踊りまくったカルーい人間の成れの果てっつーか、その価値観の究極を描くのに、この書法がピッタリだったってことなのねsmile



それにしても主人公、薄井さん、名前の通り笑えるくらいめっちゃ「薄ーい」人物smile。女kissmarkと金yenと常務(あわよくば社長crown)になることだけで頭がいっぱいfull。このあたりを描く桐野さんの筆penの楽しそうなことといったらsmilesign01ここまで突き抜けてると逆に愉快なのよねーsmile。バブルの典型を生きてる男で、価値観の基本は金yenと権力rock。意識的にも無意識にも全ての物事を調子よく「」との収支で換算している。だけどこんなバカ、実際にはいねぇよな~gawkなどと思ってたら、感想ブログpcなんかを見てると「身に詰まされる」とか「思い当たる」とか意外とあって、驚愕したcoldsweats02


定年を目前に、一応それなりに順調だった彼の生活に突如thunder、影shadowが差しちゃう。それが、長峰という「夢見予言者」のオバサンtyphoon。「既得権益者」(このレッテル貼りも薄井によるもの)である妻が連れ込んだ胡散臭い人物なんだけど、ここからふいにプチホラーの様相を呈してくるのも面白いのよねーsmile。このまま本物のホラーになっても面白かったかもhappy01。ま、ラストはある意味ホラーかshock



この長峰さんの「予言」に対する対価yenを払うことを惜しんだばかりに、彼は最終的にはそれまで「」のようなアサヂエ身のこなしで死守してきたものを全て失うことになっちゃうという、現代の寓話、…だったのかflair。今気づいたsmile。せっかく長峰さんが日光の三猿の逸話を教えてくれたのにねーrain。長峰さんの「予言」がなくてもいずれは破綻するだろうな~とは思うけど。



もし、薄井が長峰さんの信奉者になってたらどうかしら?長峰さんのアドバイスに従って、薄井がどんなセコい手を使ってサバイバルimpactするのか見てみたかったワー。きっと爆笑ものだったに違いなしhappy02。あるいは、最後の方で薄井は、長峰さんに一緒に組まないかとプロポーザルを受けるんだけど、ここでそれを受けてアウトローの道を突っ走ったらrun、これまで通りのハードボイルドになったかしらsmile



などと色々考えると、いろんなパロディも出来そうな、主人公・薄井とは真逆leftrightの「厚い」作品だったわねーsmile

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2017/06/08

「インドクリスタル」

インドクリスタル

さすが、わたくしお気に入りheart04篠田節子さんの長編小説book、クライマックスの怒涛度waveはそれほどないけどbleah、「重み」がパネェ~~bomb。541ページ2段組、へヴィな内容なのにスルスルと読める驚異のリーダビリティは相変わらず~bell


最先端技術を使った事業のために必要不可欠な水晶を求めてたどり着いたインドの奥地。そこは、現代日本人の想像を遥かに超える魑魅魍魎の世界だった…と。物語が劇的に動くのが、後半も後半、残り4分の1くらいで、それまでが主人公・藤岡のビジネス上の困難が繰り返し描かれ、それも半ば予想させるような展開なのでやや単調なカンジはするけど、それでも「読ませる」手腕は素晴らしいのですわshine



インドという国の、社会的、宗教的、政治的な複雑性を描いたものなんだけど、「平和ボケ」してるわたくしにはほとんど理解不能な世界だったweep。構想10年ってことだけど、そこに、俄に日本人の関心事ナンバーワンになったけどこれまた急速に風化してる放射性物質汚染の問題も絡めて、さすがの構成力なのよねーgood


インドという国の、安易な理解を拒む複雑性の象徴にも見えるヒロインribbon・ロサと、日本人らしい浅薄なヒューマニズムをどこまでも発揮してしまう藤岡とは、恐らく永遠に、そして真に理解し合うことはないだろうと思うと、ラストに流れる奇妙な楽観的空気にも拘らず、ってゆーか、それゆえに、と言うべきか、やはり深い虚しさばかりが残っちゃって。



何重にもハンデ
を背負った先住民の女性が特異な能力を持っていて、西洋的な高等教育pencilを受けたらどうなるか、というある意味ファンタジックなヒロイン像になってるロサ。ここで示される彼女の生き方は、作者の創作だしひとつのモデルに過ぎない。けれど、藤岡の申し出を取捨選択する彼女の姿勢は、一方的に西洋的価値観を一国に押し付けることの無意味さを物語ってもいる。恐らくロサのような出自と来歴を持つネイティブたちが合理的な知性と知識を持って、底辺から国を変えていくのが有り得べき形なんだろーなーと思うけども、現実にはどうなんでしょうね…typhoon


それにしても、インドという国の底知れぬキャパシティに、恐れすら抱いてしまうのは、決して大袈裟じゃないわよねthink

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2017/06/04

「謎と暗号で読み解く ダンテ『神曲』」

謎と暗号で読み解く ダンテ『神曲』 (角川oneテーマ21)

はぁぁ~~、またもや目からウロコパラパラ~~diamondwobbly。やっぱ、たまにこーゆー本も読まなきゃ、アタマ悪くなる一方だワ~coldsweats01。イタリア文学者、東京大学大学院総合文化研究科准教授、村松真理子氏著book


まず、「詩」というものがニガテなわたくしにはハッcoldsweats02sign01とする事実。この「神曲」という作品自体が、「三位一体」の構造を成しているということ。全部で100篇の詩(カント)が、3パート(=カンティカ、つまり、「地獄」「煉獄」「天国」)で構成されており、100篇の詩は1(イントロ)+33編の『地獄篇』+33編の『煉獄篇』+33編の『天国篇』で成り立っている、この数字の組み合わせは「死後の世界」の構造を現しており、中世人にとっては意味深いものなのだそう。すなわち「唯一なる神への信仰と『救済』への道&「100」=丸い数=完全」、ということなのだと。うーtyphoon。奥深すぎるwobbly。そしてそれぞれのカンティカにおいて、3行ごとのまとまりが三段論法のように主人公の旅のステップを物語り、1行目と3行目で脚韻を踏んでいる。この「三行詩」の形式はキリストが死の3日後に甦る、ということと対応している。さらに1行は11音節から成り、11(音節)×3(行)=33音節で、ここでも「三位一体」が表現されている。『3行のひとまとまりが三つ重なった冒頭9行で、作品の発端と作者の意図が語られる。このまとまりが、それぞれの行の11音節と1行ごとの脚韻がつくるリズムを保ちながらずっと最後まで連ねられていく。』ことが『中世ゴシックの大伽藍に喩えられる壮大なことばによる構築物』と言われる由縁なのだとcoldsweats02。スゴすぎ~~~~~coldsweats02coldsweats02coldsweats02


この、ダンテが編み出した心地よいリズムnoteを作る技巧や形式が、700年以上に亘ってうたい継がれるための「記憶」を助け、長いテキストmemoを書き写すときの間違いや改変を起こしにくいようにする要因なのだと。なるほど~~shineconfident。この「神曲」って、イタリア語を話す人々にとってはその90%が理解可能な語彙で成り立ってるらしく、それが直接心に響くheart02のだそう。それを考えると、日本の古典は読めないもんね~~bearing


で、ダンテはなぜこの作品を書いたのかという理由がまたフルってるのよねcatface宗教的世界観・倫理観が非常に重要な意味を持っていた中世文化において、彼は、聖書的な重層的で隠された真実を明らかにしていくべき意味の構造を、「私」を主人公とする物語が語られる「神曲」という、聖書でも聖人伝でもない世俗作品として再現しようとしたのだと。密教でいうところの仏像みたいなもんかしらcoldsweats01。難しい教義を誰でもわかるようにするものcute。ダンテは確かに、当時教養人の間で使われていたラテン語ではなく、世俗の言葉でこれを書き、それが現在のイタリア語の基となっていて、イタリアでは現在でも義務教育の間、中学でも高校でも大学の文学部でも必須科目となって、さんざん勉強させられるらしいpencil。ここで面白いのは、このダンテが記述した言葉が現在も通用する理由なのよね。ダンテの少し後の時代のペトラルカがダンテを称揚しup、ダンテが記述した言葉をオーソライズしたとこがベースにあって、『政治的に半島を統一する「宮廷」の不在が書物や文芸のことばである「書きことば」という共通語の重要性を高めてしまった。』『イタリア半島が政治的に分断されていた歴史的事情のために、比較的大きな変化を被ることなく、イタリア半島とイタリア語は近代を迎えてしまったのだ。』ということらしい。いや~ほんと~に面白いconfident。政治と文化、密着しておりますleftright


その「聖書的な重層的で隠された真実を明らかにしていくべき意味の構造」とは何か(う~、わかりにくい~~sweat01、というのがこの本のテーマなんだけど、これまた難しいdanger。①字義的なもの=“物語”の虚構のことば。まぁ、物語上のもの、そのものってことかな?②アレゴリー=宗教的・倫理的な「隠されたもの」③倫理的なもの=②のうえに倫理的価値を読み取る④アナゴジー=神秘的解釈、ということになるらしいんだけど、微妙過ぎて高度過ぎるしsad。なので、今も世界中で探求中searchであり、筆者もはっきりとは書いてはいないのよbearing。自分で考えなさいねーwink、ってことらしくwobbly。でもそんな13世紀のイタリア人の書く宗教観なんか、理解できるわけないっつーのpoutdash、ってことで、ここからは、いくつか具体的なエピソードを引き合いに出しながら解説を加えてくれてますpencil


まず地獄の門をくぐって最初のところは割と軽めの罪の人たちが集合してます。どんな人たちかっつーと、『生前自分の立場を決断できなかった死者たちの魂だ。彼らは地獄にも煉獄にも迎え入れられることなくそこにとどめおかれている。』彼らをダンテは『かつて真に生きたこともない禍いなる者ども』などと呼んでいるcoldsweats01。なんでこんなヒドい言い方すんのー?coldsweats02って思ったら、どうやら政争bombに巻き込まれてフィレンツェ追放endにまでなったりしたダンテの私怨typhoonから来てるらしくて、こんなところを知ると、ダンテちゃんも(いきなりちゃん付けbleahカワイイヤツやんけcatface。次のエピソードは「ウリッセ」。またの名を「オデュッセウス」という。知性を用いて人々を欺き(例のトロイの木馬ですナhorse)トロイアを滅した「罪」で地獄に落とされてます。『このウリッセの物語の問いは、人間は自らの知性に頼って好奇心とさらなる知の獲得への欲求にひたすらしたがうことが許されているのか、ということだ。つまり神への祈りや赦し、恵みに頼らないでいいのかが問題なのだ。』このあたり、極めて中世的宗教観が現れており、現代日本人のわたくしは「え?別にいーんぢゃないdespair?」とか思っちゃうけど。英雄であり、地獄の罪人であるという二重性は、二つに引き裂かれたダンテ自身のあり方を反映した分身なのではないかと筆者は書いてます。「地獄篇」からもう1エピソード、「ウゴリーノ伯」の物語。時代によって読まれ方が変わるという例。政治的な争いにより4人の息子共々牢獄に入れられたウゴリーノ伯。余りの飢えに苛まれ、息子たちが父に「わたしを食べてください」と言う。しかしそれを拒んでいるうちに息子たちは次々に死んでしまう。そして最後の一行がこれ。『その後、飢えが苦悩を越えた。』これをどう解釈するか。当然、父ウゴリーノ伯も死んでしまった、という解釈が普通だろうけど、カニバリズムを想起させる一行でもあるのよねshock。『これは、いずれにしても劇的な場面だ。ドラマチック。19世紀は演劇が「指導芸術」だった時代であり、ドラマチック、演劇的であることに非常に価値があった。(ドラクロワの作品とバイロンの作品、「神曲」の読みが)同じ時代の感性を通して並んでいる。


そして、天国に昇るために試練を与えられている「煉獄」を通っていよいよ「天国」へupwardright。「天国」ではヴェルギリウスからベアトリーチェへと引き継がれる、彼らとの「対話」によってダンテは未知の知識や情報を得ていくんだけど、その内容が「神学」や「科学」だってところが、ほぉぉぉ~~dashってカンジなのよねcatface。「月天」でベアトリーチェから「科学」と「神学」。「水星天」でローマ皇帝ユスティアヌスから「キリストの神性」「ローマ法の成文化」、ベアトリーチェから「キリストの磔刑と贖罪の意味と復活の真実」「魂の永遠性」、「金星天」でトルバドゥール詩人から「地上での愛欲が浄められた末に宇宙を動かす根源の「愛」にいかに純化されるか」、「太陽天」では聖トマスの魂から「聖フランチェスコの愛と清貧について」聖ボナベントゥーラから「聖ドメニコの生涯」聖トマスから「三位一体の奥義」を教わるという内容。スゲーーーーーcoldsweats02coldsweats02coldsweats02。『ダンテは昇りながら、上昇につれて美しさと輝きをますベアトリーチェと聖なる魂たち、いわば最高の教授陣によって、当時の知識としての「科学」と「神学」についての抗議を受けつづける。そこは光とともに、美しい音楽があふれる世界だ。』その後もいろんな「天」ステージで知識を授けられ、最後の「原動天」で世界の動きの源「天地創造」「天使たちの資質」「神の不可分性」などをベアトリーチェと「対話」でゲットするpencil。でもその中でも「土星天」で聖ベネディクトゥスから修道院の腐敗への批判と刷新の予言を聞くってあたりが当時の世相、特に教会への批判がなされていて、ダンテちゃんらしさを忘れてないわね、ってカンジcatface。天国篇のクライマックスはダンテの救済。『それは知の完成、すなわち神の姿を見ることだ。』もうこのあたりは神々しすぎてshineshineワケわからんtyphoon


まとめとしては『人間的なベアトリーチェの愛が壮大な世界観・死生観の様々なテーマを融合して「神曲」を支えている。ダンテはこの生涯の傑作において中世文化を、人々の語る新しいことば俗語による三行詩という画期的な形式の中で集大成し、百科全書的な知を有機的に、人間的に統合することに成功した』ということでしたdiamond。はー、やっぱり、スゴいimpactとしか言い様がないーsweat01。それも散文ならともかく、韻文でやり切るって、なんなのもーッimpactpoutsign01ってカンジよねーcoldsweats01


でも、これでほんの少し、ヨーロッパ文化spadeのベースを知ることができたんで、今後の絵画artや文学鑑賞bookにちょっとだけ役立つかも知れないワ~~up。って、原書(の翻訳モノ)に当たろうとしないところが、わたくし=ヘタレの面目躍如happy02。テヘヘbleah

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2017/02/15

「泣き童子 三島屋変調百物語参之続」

相変わらず、繊細な心持ちを映す宮部さんの言葉の選び方、フレーズの作り方、ウマいナ~~confidentheart04。宮部みゆきさん著book


わたくし、このシリーズ大好きなのに、最近第4巻が出るというのを知り、あれ、ってことは第3巻が出てたのねーsweat01と慌てて探したのでしたsearch。ヌカってたsweat02。わたくし、落語も怪談話もほとんど聞かない(最近NHKtvでやってた「落語the movie」はすっごく面白かったケドhappy02)のでよくはわからないんだけど、宮部さんの物語のストーリーテリングの巧みshineさにはほんとに感服いたしますねぇfuji


なかでも圧巻だったのが「まぐる笛」。これ、明らかに原発事故が影響してますよね。ネタ的には先住者と征服者の関係に端を発する悲しい話ではあるんだけど、とにかく“まぐる”の描写が迫真thunderimpact。お昼ご飯restaurantdeliciousを食べながら読んでることが多いんだけど、もー、食べ物を口に運ぶのを忘れちゃうくらいcoldsweats02。ちょっとゴジラも彷彿とさせて、その辺りも、原発事故を連想してしまうのだワthink。ただ、「“まぐる”という怪物は目に見えるだけまだまし、見えないもののほうが恐ろしい」と登場人物に言わせてしまったのはちょっとあからさまだったかなーdespair。いささか唐突なカンジもしたし。 この「まぐる笛」もそうだけど、ところどころ、なんとなーく「地方礼讚」的なニオヒが感じられたのよね。だけど、残念ながらそれはやっぱり都会に住んでる人の偽善性が漂っちゃってるbearing。おちかちゃんはイイコribbonだけど、まだまだだわねーsmile



作者曰く、奇数巻は重め、偶数巻は軽めの内容にするよう意識してる、ということで重めの奇数巻、第1巻でバトルimpactした「商人」とニアミスthunderしたので、奇数巻でいずれおちかちゃんの屈託が解放されるんだろーなー、ってわたくし予想するものでございますwink

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2017/02/08

「静かな黄昏の国」

静かな黄昏の国 (角川文庫)

ホントに篠田さんの作品は、短編でも深いぃぃ~~think。2002年初出、3.11後の2012年補遺、篠田節子さんの短編集book


15年前の作品なので、ものによってはディテール部で若干古いところはあるけど、どれも篠田さん独特のテイストがあって、わたくしの好きなジャンルであるファンタジックなバイオホラー、伝奇もの、社会派のSFチックなもの、と、読んでると背中がザワザワshockしてくるカンジがたまりませーんsmile。 圧巻なのは、タイトル作品「静かな黄昏の国」。福島の原発事故の前に、ここまでの作品が書けるってゆーのは、核心を正確に突いた取材力とそれをベースとした論理的な想像力から展開される驚異的な創造力の為せる技ですねーhappy02fuji


その「静かな黄昏の国」は、今となってはもはや単なるファンタジーとは言い切れない、薄ら寒い恐怖感を伴って、ラストは絶望感しか残らないというdown。篠田さんにしては珍しい読後感なんじゃないかしらthink。それほど、日本の原発施策に幻滅しているということなのか。


あとがきを読むと、篠田さんは昔から東電の原発関係のイベントや委員を経験されていたということがわかり、相手の懐に飛び込む取材をされているのね~と、いつも感じる作品内容のブ厚さに納得confident。やっぱ、作家ってスゴいdiamond

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2017/01/27

「ハケンアニメ」

ハケンアニメ!

ちょっとマンガっぽいけど、作り、めちゃうまッhappy02impactsign03直木賞作家、辻村深月さんの2014年刊行の長編book。わたくし、こーゆーの、すっごくスキーッlovelyimpactsign03


アニメ業界で働く人々を描いた作品なんだけども、「仕事をすること」に対する敬意fujiがびっしびしthunder感じられて、プッdashと笑いながらも、後半からは胸が熱くなって不覚にもウルウルweepしてしまったわたくし。それぞれ、信念を持って仕事をする登場人物たちの美しいことッshinesign01作者自身の誠実さが滲み出てますねuphappy01


オトナになって、社会人をン十年やっていろんな経験をしてるからこそ、わかるッflairsign01ってところがたっくさんあって、エピソードのひとつひとつ、設定のひとつひとつ、どれをとっても激しく同意なのよ~~confident。たとえば、「神原画」を描く和菜の章。『遅々として状況が進まなかったり、話が停滞することがある一方で、できる人たちの仕事というのは、本当に早い。和菜はその日、思い知った。』←ハゲ同ッsign03sign03


とにかく何つっても繊細な心理描写がお見事shine。アニメ界の話だけあって、「リア充」と「非リア充」についても避けて通れない部分だけれど、ホントーにスルドくthunderて深ぁーいwave洞察と指摘が編みこまれてますdiamondshine


そして、登場人物たちがめちゃくちゃ魅力的なのよね~~lovely。プロデューサーと監督の組み合わせ、ここでは『運命戦線リデルライト』(作中アニメ)の有科さんと王子監督、『サウンドバック 奏の石』(作中アニメ)の行城さんと斎藤監督、どっちもマジでステキすぎーーーーッhappy02sign01うらやましぃ~~~heart04heart04。わたくしもこんな人たちと仕事してみたいぃぃぃぃーーーッbearingbearingsign03sign03ハァハァ…dash。で、彼らひとりひとりの繋げ方もスバラシいのッgoodsign01前の章での描写が後の章に次々と生きてくる。その、ひとつひとつの小さな人脈が、和菜ちゃんが登場するあたりからどんどん合流していってon、怒涛のクライマックスfujiへと雪崩れ込む展開には、読書なのにアドレナリン出まくり状態impact。いやー、ホント、わたくしこーゆーのにヨワいのよね~~~coldsweats01


そんな人たちが命を懸けるアニメ作品。作中アニメだけど、描かれるその概要だけでもなんかスゴソーなのよねーcatface。『サバク』なんて、そのあらすじだけでもちょっとトリハダが立つくらいspade。もーわたくし、この筋だけで泣きソーcoldsweats01。『リデル』のラストシーンも実際に見てみたいナーeye


というわけで久しぶりに、個人的に直球baseballド真ん中にキたimpact作品、再読必至でございますnote。カバーのイラストもナイスッhappy01goodsign01

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2017/01/17

「ジヴェルニーの食卓」

ジヴェルニーの食卓 (集英社文庫)

印象派の画家artをめぐるお話、テイストも実に印象派的な一冊smile。原田マハ氏著book


モネ、マティス、ドガ、セザンヌ。19世紀から20世紀にかけて活躍した美の巨匠たちは何と闘い、何を夢見たのか。彼らとともに生きた女性たちの視点から色鮮やかに描き出す短編集。』(Amazonの内容紹介より)。


原田さんは、「楽園のカンヴァス」がとても良かったbellので注目してる作家さんなんだけど、やっぱ、それほど好きでもない(わたくしが、デスがcoldsweats01)印象派の画家の話bleahはあまりに感傷的過ぎてわたくしにはちょっと…sweat02、なカンジ。語り手が、それぞれの画家を敬愛heart04する女性kissmarkたちなので、どうしてもそーゆーテイストになっちゃうのよねーgawk

ただ、それぞれの美術作品artを描写する表現力penはさすが~~shine、なんですけどねcoldsweats01

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2017/01/15

「讃歌」

讃歌 (朝日文庫)

クラシック音楽を聴くのが好きなわたくしにとっては、普段から考えていることを小説にしてもらったような作品。さすが、篠田さんshine。2006年刊の篠田節子さんの長編book


テレビ制作会社で働く小野は、ある日耳にしたヴィオラ奏者の演奏に魂を揺さぶられ、番組制作を決意する。天才少女の栄光と挫折を追ったドキュメンタリーは好評を博し、園子も一躍スターになるが…(後略)。』(Amazon内容紹介より)って内容。


これは、今でも大人気を誇っている女性ピアニストが、テレビのドキュメンタリーによって脚光をthunder浴びた後に書かれたもののようだけど、今だと別の事件も脳裏に浮かんじゃうflair日本人は、クラシック音楽を“どのように聴いているのか”“何に感動するのか”という奥深ーい問題を取り扱ってるわけですthink


若い頃の栄光と挫折という経験”“長年の闘病生活からの復活”“本当は拙い技術”“大衆が感動する演奏”。これが小説に登場するヴィオリスト、園子のキーワードなんだけど、「プロが聴けばまともな演奏ではないにも関わらず、これまでの苦しかった経験は園子の演奏に現れ、大衆は感動する」、これらは否定されるべきものなのか、そうではないのか。筆者がそのどちらかに肩入れしている、という風にはわたくしには読み取れなかったのよねぇthink。主人公の小野が最後まで、自分の感動を完全には否定し切れないところにそれが現れてると思うのよ。


わたくしも、どちらとも言えないのではないかと思っていてtyphoon。そもそも西洋音楽であるクラシック音楽は、他の芸術ジャンル同様、ベースとなる宗教と哲学を血肉としていない異邦人には根本的には理解し得ないものだと思うdespair。ってゆーのがわたくしにとっての大前提なんだけども、そこまで行けなくても、「個人的に楽しむ」ことはできるわけで、その「個人の楽しみ」にはどんな基準があってもそれは自由なんじゃないかthink。クラシック音楽が“浪花節みたい”なスピリットと物語性で演奏されて、それに感動する人がいても別にいーんぢゃないの、と。まぁ本来の意味での“クラシック音楽鑑賞”からは別の次元であるのは確かだけどもねcoldsweats01。わたくし自身は、時代や作品の背景やらを知りたがる方なので、それだけで終わるのはツマンナイなーと思ってるんだけどもclover


あくまでもきちんとした技術があって、自分の考えを100%表現することができるならば、おそらく演奏にはその演奏家の経験に基づく人格が反映されるのは確実だと思うのよね、わたくしも。でも劇的な経験や障害が、その演奏を聴く前提であってはならないと思う。先入観があってはならないng。だから、最初に先入観なく演奏を聴いて、魂が震えるような感動をした主人公は、その感覚を疑う必要はないと思うのよ。それは決して「レベルが低い」ということではない、そういう種類の問題ではない、とわたくしは思う。不幸だったのは、彼がテレビ制作会社の人間で、その主観でドキュメンタリーを作ってしまったこと。影響力の大きいメディアで聴衆に先入観を与えてしまったこと。


それとわたくしがいつも疑問に思うのは、「権威」は絶対なのか、ということ。園子の演奏にあれほどまでに感動していた聴衆が、園子の留学先の音楽院の指導教授から否定されたのをキッカケに猛バッシングimpactに走る。もっと自分の感覚を信じてもいいと思うけどねぇgawk。「権威」はそれとして敬意を払うべきものだと思うけれど、自分の考えを蹴り飛ばしてfootimpactdashまで帰依することもないでしょうにwobbly


この小説では、園子は周りの男達を利用して再び脚光を浴びることに成功したけれど、「その自分の姿」に満足することが出来ず、しかしその限界を越えることも出来ず、結局は絶望して自ら命を絶ってしまう。演奏家としてはある意味「誠意」があったと言えるのかも知れない。


でもやっぱり、芸術を作り出すのも享受するのも人間である以上、ドラマ性を無視することは難しいワ~~bearing。だからこそ、マスメディアの使い方、受け止め方、どちらも細心の注意が必要ってコトですねthink

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2017/01/02

「わが心のジェニファー」

わが心のジェニファー

なかなかにファンタジックで楽しいnoteおハナシでしたが、イマひとつ響かなかったかナ~weep。浅田次郎さんの2015年刊行の長編book。年末年始、浅田三昧smilesign01


婚約者の求めで日本にやってきた米国人青年。東京、京都、大阪、九州、北海道…。神秘のニッポンを知る旅を始めた彼を待ち受ける驚きの出来事と、感涙の結末とは!』(Amazonより)ってゆー内容なんだけども、ラストは『感涙』ってゆーほどのもんでもないbleah


最初読み始めたときは、「は?浅田さんがアメリカ人青年を描くsign02」って違和感ありまくりimpactで、こりゃないワー…gawkって思ったんだけど、途中から、これ、現代ニッポン文化のパロディってコトなのかしら~って気付いたらflair、俄然面白くなったのよねーcatface。一見単純なニッポン礼賛fujiのようにも読めるけど、その奥にはキョーレツな揶揄皮肉がヒソんでるcoldsweats02。ところどころ笑わせながらも、さすが、浅田さん、一筋縄ではいかないですね~bomb


北海道在住のわたくしとしては、クライマックスの舞台が釧路snowってゆーのは喜ばしかったけど、展開がちょっと出来すぎで、「浅田次郎のあざとさ」がスキheart04なわたくしでもsmileちょっと鼻白んぢゃったcoldsweats01。でも、主人公のラリー君、複雑な生い立ちの中で悩み続けてきた「自分は何者か」という問いの答えが自分なりに得られてよかったワgoodhappy01

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2016/12/29

「浅田次郎とめぐる中国の旅」

浅田次郎とめぐる中国の旅 『蒼穹の昴』『珍妃の井戸』『中原の虹』の世界

浅田さんの解説karaoke付き、ってのがわたくし的にはミソだったワーhappy01。2008年刊行の単行本book


浅田さんが随行する実際のJTBのツアーの際、浅田さんがその場で解説karaokeされたものに加筆修正pencilしたものが基本になっていて、そのあたりが通り一遍のガイドブックとは一味違うflairところ。ってゆーか、これは観光ガイドブックなんぢゃなくて、浅田さんの“清末3部作”のガイドブックなのよねーgood


そのほか、それぞれの作品に対する浅田さんのミニエッセーとか、明治大学教授・張競氏との対談diamondなど興味深い内容も収録されていて、サイドストーリー好きのわたくしとしてはお買い得な1冊でした~note

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